スカイ、進化はしたけど…
ギルドの2階に、初心者用の魔物の本があるというので、見せてもらう事にした。
えー、初心者にはゴブリンも強敵って何?あんなの、ただギャーギャーうるさいだけで馬鹿だから数がいても連携もしないし、動きも遅いじゃん。
丁度初心者用の魔法教室が開かれていたから覗いたら、呪文を長々と唱えて、ファイヤーボールとは言えない位の小さな火の球を放っていた。
やっぱり私の強さは非常識らしい。転生者としてのアドバンテージは確かにあるし、1歳にもならないうちから魔法の練習もしていた。
離乳食を作る為の必要にかられての事だけど、小さなうちは自重しようと思った。
湖の街は大きな街なので、本屋があった。一応製紙技術はあるので紙の本もあるけど、印刷技術がないので、手書きの本ばかりだ。なので本は高い。
王都には図書館があって、お金さえ払えば沢山の本が読めるようだ。
気にはなるけど、そもそも王都の場所が分からない。
スマホの中のマップは、町の位置まで教えてくれないから。
というか、ここの国の名前すら知らない。
本をパラ読みして、ここの国はスーレリア王国だと知った。魔の森は広大で、三つの国と接している事や、王都の大体の位置も掴めた。
残念ながらダンジョンに関する本はなかったけど、少しは常識も分かった。
獣人やエルフ等のファンタジー種族の他に、魔族なんていうのもいる。魔族の王様は当然魔王だけど、別に人間を滅ぼそうとしているわけではない。
大陸から離れた島に国を作っていて、他の種族とは交流したがらない。交流したがらないのはエルフも一緒らしい。ドワーフや獣人族は人と同じ町に住んでいる。
犬獣人の人は見かけたけど、他にはどんな種族がいるんだろう?
ツリーハウスに戻ったら、スカイが飛びついてきた。
(マナ!僕も存在進化できるかも?影に入れて)
(うん。ゆっくり休んで)
あれ?でも確かスカイはレベル99にはなっていなかったよね?何か別の要素があるのかもしれない。
スカイの事だから、気がするだけかもしれない。…それは酷いか。
とりあえず、翌日出てきたスカイをチェックした。
スカイ(5) マナの従魔
炎鳥
レベル 1
スキル 火炎ブレス 炎弾 雷魔法 風魔法
聖魔法 時空魔法 嘴撃 爪攻撃 矯声
高速飛翔 状態異常耐性 念話 炎翼斬
あ!本当に種族が変わった!
姿は殆ど変わらないけど、頭に二本の赤い冠羽が生えた。それと翼を広げた時の一番外側の羽が、赤くなった。
にしても、何故このタイミング?
(本当はね、ワイバーンを倒した後から変な感じはしてたんだ。けど、間違ってたら格好悪いし、だから黙ってた)
(間違えても格好悪くないし、むしろスカイっぽい?)
(あう。酷いよ、マナ)
(でも、無理はだめだよ?これからは、我慢しないで、調子がおかしかったらちゃんと言うんだよ?)
そして私も、疑ってごめん。
これでスカイも強くなったかな?スカイの一番の弱点は気が弱い事だと思うんだけどね。
それにしても、森暮らしなのに炎とか…スカイは住む場所を間違えているのかもしれない。




