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湖ダンジョンと魔道具

 ユキが3歳になったら、幼体の表示が外れて、スキルの縛りも解けた。

 初めて会った頃よりも若干大きくなっている。

 

 私も大きくなったから、身長は同じ位。長い尻尾の分負けているけど、17歳位までは伸びるだろう。

 ルードは70歳位を過ぎると大人って呼ばれる位になるらしい。

 幼体の表示はないけど、私にだって幼体の表示はない。種族によって違うのだろう。私もいつまでも魔法が使えなかったら困るしね。

 

 私ももうすぐ6歳だ。元の世界ならこの春から小学生だけど、この世界の常識は分からない。

 学校に通うつもりも更々ないけどね。


 さあ、今日は湖ダンジョンの28階層からだ。

 水が20センチ程あるので、ユキは影の中でお休みだ。

 するすると近づいてきて、波を起こして転ばせて、そこを狙って噛みついてくる。

 津波の原理と一緒で、人を転ばせるには充分な水深だけど、一本一本の脚が細く、鉤爪のように引っ掛けているルビー母さんと、そもそも飛んでいるスカイには通じない。

 ルビー母さんの槍とスカイの嘴で海蛇みたいな奴はあっさり狩られている。

 素材の蛇皮は、売却決定だな。


 29階層には、ボーンフィッシュと呼ばれる骨だけの魚が現れた。頭の部分に魔石が透けて見えるけど、どうやって生きて?いるんだろう。

 

 骨は硬くて砕くのが難しいし、武器による攻撃はあまり効いていない気がする。

 なら、魔石そのものを狙えば?と、創造魔法で暗黒魔法のマナドレインから作り出した、魔力の源、つまりは魔石そのものを奪う魔法を使った。


 見事に魔石は手元に。ドロップアイテムは骨だけど、武器の素材になりそうなので、売る為に集める。


 30階層のボスは巨大な蛸で、その脚を振るうだけで物凄い破壊力を生む。

 ルビー母さんの斬糸と、私のダークソードで脚を切り取り、収納庫に仕舞って再生を防ぐ。切り口が浅くて切り取れないと、すぐにくっついて再生してしまうのだ。


 墨を避けながらの攻撃で、足下も真っ黒だけど、最後にルードがホーリーを放ってとどめを刺した。

 影の中のユキがレベルアップ酔いにかかっていたので、経験値は問題なく分配されているようだ。

 次の31階層もボス部屋だった。大きな蛤の周りにも中型の蛤が沢山いて、石化攻撃をしてくる。

 状態異常耐性がないスカイは危険なので影に入れて、耐性があっても石化した所には、キュアで状態異常を消す。

 硬いけど、ユキのソニックウエーブは効くし、ルードのインパクトキックも効いている。私は回復に徹することにした。

 ルビー母さんは破壊光線で狙い撃ちしている。


 すべての蛤が倒されると、宝箱が出てきた。中身は蛤がぎっしり詰まっていた。

 うん。お吸い物にして食べよう!

「普通は中身が食べ物だとがっかりするんだけどね」

「え?何で?」

「魔道具や武器なんかの方が価値があるだろ?」

「作ったり買ったりできる物よりも、食材の方が価値があると思うけど」

「収納庫の使えるマナにとってはね。時空魔法の使い手は少ないし、容量だって、人族はスカイよりも少ないのが普通だから、知られないように。いいね?」

「元から町に住む気はないから、大丈夫」


 次の階層もボス部屋だ。もしかして、この先ずっとそうかな?

 ボスは、オーガキングとその手下達。

 魔法が効く相手なら、私の敵じゃない。スカイも雷魔法を遠慮なく使っている。

 オーガキングは再生能力もあり体力もあるけど、全員揃った私達の敵じゃない。

 倒して、宝箱から出てきたのは魔力を込めると敵を凍らせる氷の長槍だ。

「色々付与して、ルビー母さんにあげるね」

「私でいいの?マナも槍を使うのに」

「今の私には長すぎるし、氷魔法は使えるから、いいよ」

「本当にマナは、食べ物以外は興味ないんだな」

「ルビー母さんの役に立つなら、嬉しいよ?」


 33階層は、ワイバーンが出た。ユキが立体機動で壁を利用して上空を飛ぶワイバーンに攻撃する。

 私も重力魔法でワイバーンを落とし、限界まで魔力を込めたらワイバーンが逝った。

 こちらと同じ5匹だけど、スカイにはワイバーンは無理だろう。

 ルビー母さんは糸で絡めて魔物を落とし、ダークソードで切り裂いた。

 ルードもホーリーで頭を吹っ飛ばしていた。


 残った一匹は、ユキがソニックウエーブで翼を切り落としたので、私がダークソードを短剣の先に出して首を落とした。

 久しぶりの強いレベルアップ酔い。ルードとルビー母さん以外は辛そうだ。


 宝箱から出たのは、ロングブーツ?

 鑑定 反重力ブーツ 高く軽く飛べる。 付与 サイズ自動調節大 防御強化


 大なんて、初めて見た。今の私には出来ない付与だ。

 大人サイズのブーツだったけど、私が履いたら私の小さな足にぴったりとフィットした。


 試しに魔力を込めてジャンプしてみたら、上空80メートルはありそうなフロアの天井に頭をぶつけそうになった。

 込める魔力を弱めれば、数メートルの高さで降りられた。

 空を飛ぶ魔物に対処するには便利な魔道具かもしれない。でも、かなり練習しないとだめだろう。

 それと付与も。まだまだ上がありそうだ。


 丁度夜にさしかかったので、今日はここまでにする。

 やりたい事が増えた。


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