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ルードの好き?

 ルードが一人行動させてくれない。原因はまあ、分かっている。

 今日だって、ポーラに錬金術の新しいアイデアとしておまじないグッズ的な感じの物を持って行くだけなのに、ついてきてるし。

「マナちゃんのお兄さん、どうしたの?」

「虫の心配?いないって言ってるのに」

「お兄さん、シスコンも大概にしないと、マナちゃんに嫌われちゃいますよ?」


「ええっ?シスコンて、違…」

 こらルード、眷属とか主だからとか言っちゃダメだよ?

「家族の心配するのは当たり前だと思う」

「シスコンは当たり前じゃないですよ?」

「お兄ちゃん、今日は危険な討伐依頼を受けに来た訳じゃないんだから」

「分かってるよ。そうじゃなくて…」

 お客さんが来たので、ルードの服の裾をつかんで引っ張る。


「ポーラ、これ…」

「ライさん。いつもありがとうございます」

 ポーラよりも少し年上かな?そんなに強い冒険者って感じじゃないけど、真面目そう。

 薬草をポーラに渡している。


「あ…もしかしてマナさんですか?」

「あ、はい」

「ポーラから聞きました。お会いできて光栄です!」

 ライさんが私と握手したら、ルードがムッとしている。

「ライさん、マナちゃんのお兄さんのルードさんだよ」

「!わ…凄い!Aランクの冒険者二人に会えるなんて!」

 憧れの冒険者に会えて嬉しいだけなんだから、変なヤキモチ焼かないでよ。二人の様子見てれば分かるじゃん。


「じゃあ…また来るよ。ポーラ」

「で、ポーラ、これがレシピだよ」

「いいの?マナちゃんが考えたのに」

「だって私が売る方法はないし、私は冒険者だからいいんだよ。それに、趣味でやってるだけだからね」

 あくまでおまじないグッズで、絶対に効くという物ではない。勿論インチキじゃないから、効果はちゃんとある。


「分からないんだけど。人族は兄が妹を好きじゃダメなの?」

「難しい話になるけど、親や兄弟は遺伝子が近いから、子供が産まれた時に異常が起きやすい。この世界では遺伝子の知識は無くても親兄弟が結婚するのは禁忌みたいだね」

「僕とマナは兄弟って事にしてるけど、親は違うよね?」

「それ以前に種族すら違うし。私達は血の繋がりはないけど心の絆で結ばれているんだよ」


「じゃあ、僕とマナは結婚してもいいんだよね?」

「……!!ルード、あの…結婚てどういう事かちゃんと分かってる?」

「番の事?」

「ええと…家族の好きじゃなくて、恋愛の意味でお互いが好きじゃないとダメなんだよ?」

「恋愛はした事ないけど、マナの事大好きだよ?」


 あーもうこのお子様は心臓に悪い!恋愛の意味分かってないのかな?

 まあ、私だって恋愛初心者だから人の事は言えないけど、恋してたらこんな風に軽く言えないよね?

 はぁ…何で私、ルードの事好きになったのかな?気がついたら好きだったから、良く分からない。


 それでも、他の眷属に対する気持ちとは違う。確かに好きだと思えるんだよね。

 ここで私もルードの事大好きって言ったら、両思いに…なる?


 そもそも相手は人外。まともに恋愛できると思う方が間違いなのかも。


「私もルードの事大好きだけど、多分ルードが言う好きとは違うと思う」

「それは番になれないって事?」

「そもそも結婚て、子供はできないんだよ?私が15歳にならないと」

「それは知ってる。でも、4年なんてすぐだよね?」

 全然すぐじゃないと思う。


「それまでは、付き合うんだよね。でもずっと一緒の場合は、どうやって付き合ったらいいんだろうね?」

 分かりません。そもそもルードに恋愛感情があるかどうかも分からない。

「お互いを好きって思う努力が必要かな…多分?」

 ルードはすごく嬉しいみたいだけど、私からすると片思いには変わりないと思う。


 甘い何かはなくても、同族じゃない私を好きって言ってくれた。

 主として好きとか、そういう物でもいいって思うしかないんだろうな。


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