風竜と買い物
リーフィア国の無人島に、風竜がいるらしい。
ドーバ様と一緒に小さな無人島にやって来たマナ達は、島の中心にある山に登り、その中腹にいる風竜を見つけた。
気配隠蔽を駆使して近づき、魔法の射程に入った所で呪いをかける。
さすがに気がついた風竜が暴れる前に、ドーバ様達が前に出る。
ブレスに備えて結界を用意するも、ドーバ様の大剣に風竜はあっさりと倒された。
「うわ…」
「魔法使う暇なかったにゃ」
過剰戦力、だな。見た感じだと、この前の水竜よりも同じかちょい下位。
ドーバ様がいれば私達要らないんじゃ?
「よし、次からは、亜竜がいたらお前達だけに任せるぞ!考えてみりゃ水竜はお前達だけで倒したんだもんな」
確かに。でも生み出された直後だからって可能性もあるよね。
赤ちゃんの姿には見えなかったけど。
無人島探索したいなと思ったマナは、こっそりゲートを開いておいた。
南国の密林ぽくて、何かありそう。何もなくても、探検はしてみたいな。
無人島ではなく、リーフィア国の街に行ける事になった。ドーバ様は流石に買い物はしないみたいで、調べておきたい事があるからと、別行動する事になった。
さすがに神様が気軽に街に行ったらまずいよね。ばれたら大騒ぎになりそうだし。
ギルドで情報を集めたら、この辺には珍しい薬草が結構多いらしい。
中でも密林に住むバインドラフレシアの花びらは、キュアポーションの材料になるので常設依頼に入っているが、バインドラフレシア自体が強い魔物なので、余裕があったら受けて欲しいと言われた。
密林探検に来た時に、見つけられたら納品しよう。
食料品では残念ながら珍しい物はなかったけど、薬品店でテングサが売っていたから買う事にした。
便秘じゃないよ?ゼリーとか羊羹の為なんだから。
テングサは岩場に生える海草だから、スマホ農園の中の海では条件が揃わない。海の所は一面砂浜だからだ。
岩場を作れば生えてきたりしないかな?自意識過剰かもしれないけど、恥ずかしいから生えて欲しい。そうすれば買わなくて済むのに。
ツリーハウスに戻ると、ドーバ様が獲物を渡してくれた。ブラッディーバイパーとミノタウロスだ。
「いや、食い扶持位入れないと悪いかな?と思ってよ」
「気にしなくてもいいですよ?そんなに食べてないじゃないですか」
まあ、有難いから頂くけど。
「ライナーから連絡があった。やっと九頭竜本体を見つけたらしい」
「どこですか?」
「まあ、焦るな。人的被害は出ていない。明日でもいいだろう」
亜空間を開いて、ドーバ様を招き入れる。せっかくサマルト様に蟹を沢山もらったから、今日は蟹料理にしようかな。




