水竜と爆弾発言
ミンミンエビゲット!
ミンミンエビは、割とレアっぽい。なかなか見つからない。
気がついたけど、スマホ農園の中の海と若干似てる。
違う所は、地球産の魚が見当たらない所位かな?当然だけど。
ブルージュエルクラブは、割と多め。スマホ農園内でも割と多く釣れる魚は、結構そこら中にいる。
海の狩りを楽しんでいたら、大きな気配を感じた。
手足がヒレになった、竜みたいな見かけ。そして明らかに私を獲物認定してる。
怖すぎる!
(眷属召喚!ルード!)
咄嗟に眷属召喚の能力を思い出した自分を褒めたい。
ああでも、同じ竜なら相手の方が有利なんじゃ?
ルードは召喚と同時に水竜を見、状況を理解して人化を解いた。
マナもルードを巻き込まないように魔法を使う。
麻痺…だめだ。簡単にレジストされてる。魔力糸も切れる。
ルードのブレスは避けられる。やはり水中では不利だ。
それに時折口の中に風魔法を発生させて息継ぎしているみたいだ。
どこまで効くか分からないけど、呪いの魔法を使う。
暗黒魔法で、素早さ、力、防御力をダウンさせる効果がある。
しかもマジックブレイクが効かない。術者を倒さない限り続くエグい効果だ。
よし!ルードの爪攻撃が入った!体を捻って逃げる態勢に入った水竜に、ルードのブレスが頭を吹き飛ばした。
(大丈夫?ルード…ていうか倒しちゃって良かったのかな)
(大丈夫だよ。あれは出来損ないの亜竜だからね。とはいえ、僕を呼んでくれて良かったよ。マナだけじゃ厳しかったと思うし)
水竜の死骸を収納庫に入れて、看破を使うと、確かに亜竜と出た。
(マナのデバフ魔法、まさか自動回復まで封じるとは思わなかったな)
(え?ただの呪いだけど?)
(そうなの?まあ…いいや。お陰で楽に倒せたし、マナは美味しい食材を手に入れた)
(本当?美味しいんだ…えへへ)
(あ…水着が流された)
(えっ…余裕なかったから仕方ないか…!だめだよ?今人化しちゃ)
(いや、竜の僕も裸なんだけど…)
(絶対駄目!亜空間入って岸に戻って!)
マナも岸まで泳いだ。
「ルビー母さん、ルードが水着なくしちゃったって」
「そんな僕が悪いみたいな言い方。あの場合は仕方なかった」
亜空間から出てきたルードは、普通の服を着ている。
「あ、うん。強いのに遭ったから、ルードに倒してもらったの」
「そうなの?マナは大丈夫だった?」
「見ての通り無事だよ」
「そう?ならさっさと作っちゃうわね」
黒竜さんも岸に上がってきた。
「亜竜が出たと聞きましたが」
ああ。ルードに聞いたのか。
マナは、水竜の死骸を収納庫から出す。
「うーん。本家の海竜とは系統が違うみたいだね」
その声にはっと見上げると、いつの間にかサマルト様が混じっていた。
空間の揺らぎも気配も何も感じなかったからびっくりした。
黒竜さんもひどく驚いて、水着からいつもの服に着替えて頭を下げる。
「ああ、私の事は気にしないで。マナ、これもらっていいかな?」
「あ…はい。どうぞ」
「ごめんね、お詫びに蟹を沢山入れておいてあげるから」
「やった!」
「…マナ…いくらなんでもそれは…」
「ふふふ。ルードは真面目だねぇ。まあ、マナがこんな感じだから、ルードみたいな眷属がいて助かっているよ」
酷!こんな感じってまるで私がお馬鹿っぽいじゃん!
「マナの存在は頼もしいよ。私が管理している世界はここだけじゃないから、気付かない事も多くてね」
「そうなんですか?」
「そう。いずれここはマナに任せるから、そのつもりでね」
「…は?」
「あはは。マナも、この世界を好きって言ってくれたからね。頼んだよ」
「ちょっと待っ…!」
サマルト様は、消えてしまった。
「どういう事?!」
「えええー」
「マナ様なら、きっと大丈夫ですよ」
黒竜さんまでそんな…
「まあ、きっと今すぐとかじゃないよね。ていうかどこまで本気なんだか…」
私はまだ子供だし、でも…サマルト様の娘だから、そういう事もあるのかな…ちょっと怖いけど、私には頼りになる眷属もいるし、大丈夫だよね?多分。




