表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
225/242

戦後復興

 オレンに行く事にした。レスティアから南に行き、冒険者としてオレンに入る。

 国境では、戦争は終わったと聞いた。

 

 コンゾットの実は農園で既に手に入るようになっているけど、なんとなく、テレビの向こうの戦争。にはしたくなかった。


 ユキが仲間にいるお陰でさほど辛い思いはしていない。

 町には人族も少数ながら住んでいるし、ギルドもある。

 依頼は町の塀や家屋の補修。ランクフリー依頼になっていたので、できる限り受けた。

 その際に怪我していた家人を治してあげたら、その気があるなら教会を手伝って欲しいと言われた。


 エリアキュアをかけて、それでも治り切らない人には、ハイキュアやエクスキュアをかけて治した。

「ありがとう、旅の冒険者達。あなた方のように種族分け隔てなく接してくれる人達が少しでも増えてくれると嬉しく思いますよ」


 勿論このあとルシアにも行くつもりだけど、オレンの人達には何も言わなかった。

 

 ルシアには私一人でも大丈夫だと思ってたけど、過保護なお兄ちゃんが一人で行かせてくれない。

 まだ修復しなければならない所はたくさんあるのに。


 戦争は、どっちも被害者だと思う。悪いのは、戦争をすると決めた人達。オレンにはミスリルの炭鉱があるらしいから、それも原因の一つにあったのかな?

 政治的な事は全く分からないけど、どっちも無傷とはいかない。


 思った通り、ルシア側は怪我人がいる程度で済んでいる。

 どういう条件で戦争が終結したのか。双方の意見が食い違ってて分からない。

 気にしても仕方ないんだけど。所詮は余所者だし、私のやっている事も、単なる自己満足に過ぎない。


 ただ、魔法があるから怪我で辛い思いをしてる人がいるかと思ったら、放っておけなかっただけ。

 戦争が終わってからのこのこ現れて、治療をしただけ。

 感謝されたい訳じゃないけど、当事者からするとそう映るかな。


 オレン側に戻って、ギルドに依頼が出ている物だけは手伝った。

「みんな、ありがとう」

「まあ、できる事をしたいって気持ちは理解できなくはないけど、ルシア側にいたよね。有料の回復術者。普通は教会だって只ではやっていない。任意の金額だけど、それで運営しているんだからね?」

「…ごめんなさい」

「まあ、戦争中に首を突っ込まれるよりはいいよ」

「にゃーは、獣人の友達ができて嬉しかったにゃ」

「マナはどうして謝るの?」


「あんまり良くないと思うし、それにみんなを巻き込んだから」

「人助けはいいことだと思うけどな」

「そうだけど、そうじゃないっていうか…」

「難しい事は分からないけど、感謝されて僕は嬉しかったよ?」

「マニャ、考え過ぎにゃ」


「もういいわよ。気にしない事にしましょう?さ、帰ったらご飯よ!」

「うん!」


 人道的支援て考えればいいことだよね。

 深く考えても仕方ないし。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ