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11歳とミノタウロスキング

 討伐依頼や盗賊討伐に関わっているうちに季節はいつの間にか夏だ。

 私も11歳になり、今回は眷属達と、黒竜さんからもお祝いしてもらった。

 ソルジャーオークや、世界樹の葉。雫。それと…ミノタウロスキング?

 魔の森中心には、ここら辺よりハイスペックな魔物が出るようだ。

 じゅるり。


「ああ…師匠はマナの食欲に火を付けてしまったみたいですね」

 エールに似たビールを師匠のコップに注ぎながら、ルードがため息をつく。

「食欲といってもほんの少ししか食べないじゃないですか」

「マナは小さいですから。でも、美味しい物には恐ろしい程の執着を見せるんですよ」

 そりゃあもう、周りが引く位に。


 そんな会話をしているとも知らず、マナはミノタウロスキングを解体していた。ミノタウロスも2メートル位あるけど、ミノタウロスキングは3メートル位あって、肌が少し浅黒い。

「少し焼いてみるわね?」

「うん!お願い」


 一口サイズのステーキを食べて、マナは身悶える。

「はふっ、はふ…」

 冷めるのなんて待ってられない。口に入れた瞬間に肉汁の旨味が口いっぱいに広がる。

 今までA5ランクの牛肉だと思っていたミノタウロスの肉がはっきりと格下だと分かる味で、驚いた。


「明日は狩りね!」

「ミノタウロスキングは再生能力が高いので、気をつけて下さいね」

「うーん。スカイとユキは念のために留守番してて。あとはアカツキも連れて行こう」

「そんなに強いの?」

「僕は問題なく狩れるけど…マナは待っててくれたりしないかな?」

「絶対やだ!私も狩りたい!」

「分かったよ。ただし、少しでも危ないと思ったらアカツキに乗る事。いいね?」

「うん!無理はしないよ!」


 ゴブリンなんかと違って、群れのリーダーではなく、種族名らしい。

 黒竜さんも狩りに参加している。一匹は私が狩りたいとわがままを言ったので、他のミノタウロスキングは黒竜さんとルードであっさりと狩ってしまった。


 振り下ろされた斧に、ルビー母さんが蜘蛛糸を放つ。

 斧が振り下ろされた場所には硬そうな岩があったが、ミノタウロスキングの一撃で簡単に砕け散った。

 その隙にマナはジャンプして短刀で脇腹を刺すが、傷口は見る間に塞がる。

 蜘蛛糸を払ってルビー母さんを狙う斧は、アカツキが防いだ。ヒヒイロカネボディには、傷一つつかない。

 マナが発したホーリーは、上げた左腕に防がれたが、ホーリーでつけられた傷は、再生しないようだ。

 空間機動でジャンプしてミノタウロスキングの真上からホーリーを放つ。

 頭を貫かれたミノタウロスキングは、やっと倒れた。


 血の匂いに寄ってきたのは、ブラッディースパイダー!

 しかし黒竜さんの大剣の前に、あっさりと倒れた。

「す…凄い!」

「私はラスボス?なのでしょう?なら、雑魚に負ける訳ありませんからね」

 黒竜さん、いや黒竜様。マジでラスボスですね。敵いません。


「分かった?マナがここに一人で来るのは禁止だからね」

「うん。さすがに無理」

 トラウマが蘇るのさ。


 血抜きをしている間にも、寄ってきたブラッディーバイパーを狩って、マナは大満足だ。


 次は海で泳ぐ約束をして、黒竜さんと別れた。





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