表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
222/242

依頼準備

 ツリーハウスに戻ってきて、ルードに話を聞く事にした。

「まずは馬車を用意して、スカイの亜空間と繋げる」

「えー!僕のきらきら盗賊にとられちゃう!」

「盗られる訳ないだろ。亜空間に入ったら、麻痺の魔法を使う」

「そんなに上手くいくかな?」

「馬車を倒した時に、ガラクタの一つでも落とせばいい」

「…ピィ」

「馬車の護衛としてルビー、アカツキとスカイがつく。ルビーは幻影の魔法で、護衛人数を増やしてみせて」

「私は?」

「集落全てで当たる事はないから、スーレリアの騎士と一緒に本拠地に行ってもらう。勿論僕とユキも一緒に」

「ルビー母さん達の方が危険じゃない?」

「いや、どれ位の人数で動くか分からないから、むしろ僕達の方が危険かもしれない」

「あー。騎士の人達目立つよね」

「勿論、一緒になんて行かない。護符を持っていたとしても数人だろう。そっちは物理的に気絶させればいい」

「でも、集落の範囲が広すぎると上手く効くかどうか…」

「じゃあ、こうしよう。マナは集落全体に結界をかける。その方が麻痺の魔法も効きやすいだろ?」

「そうしたら私、あんまり動けなくなるよ?」

「見える範囲の奴らを蔓で縛ってくれればいいよ」

「何か私、一番楽な役割?」

「それはマナが一番分かっているんじゃないかな?」

「人を斬るのに躊躇いがあるから?」

「情報通りなら、数が多すぎる。さすがに一人も殺さないって訳には行かない。僕達魔物には躊躇いはないけど、マナは違うだろ?」

「う…意地悪」


「はいはい。細かい所はあとでしょ?馬車も何とかしなきゃならないし。ならこの前討伐したレッドアナコンダを料理しましょう!」

 そうだよね!全部が無駄足になった訳じゃない。

 レッドアナコンダはずんぐりとした太い蛇で、Aランクの討伐依頼にあった物だ。

 皮は素材として使えるそうなので、買い取ってもらったけど、肉は全部持ち帰った。だって美味しいって知ったら売る訳ないよね!

「あー…馬車は僕が何とかしておくよ…って、絶対聞いてないよね」

 えへへ…どう料理しようかな?結構脂が乗ってそうだから、そのまま焼いてさっぱりとレモンと塩で食べるのもいいな。まあ、これだけの巨体だから、調理方法を変えてもいいよね。

「マナ?聞いてる?」

「!あ、何?」

「どうしたらいいかしら?」

「えっと、フライパンに乗る位の大きさに切り分けて…」

 虫系は食べられないけど、強い魔物は美味しい。私の今のレベルだとご飯を食べた位じゃ上がらないけど、この世界の人達が肉食になるのは分かる気がするな。

 

 帰って来たルードと一緒にご飯を食べる。美味しい!けど、醤油が欲しくなる味だな。 

 私が醤油をかけると眷属達も真似する。そしてみんなお箸が止まらない。

 文字通りの美味しい思いが出来るなら、討伐依頼は積極的に受けるべきだろうか?


 ご飯が終わって、馬車を見せてもらった。普通に荷馬車だけど、幌には紋章が入っている。

「これって使ってもいいものなの?」

「問題ないよ。グランドマスターの物だし」

「え!あのおっさんて貴族だったの!」

「…マナ?自分も一応貴族だって忘れてない?」


「でも、準爵じゃあ一般人と変わらないんでしょ?」

「王のメダルを持っている僕達は別。ただ、そういう暮らしは誰も望んでないから。だから何の用意もないから、おっさんから借りて来たって訳だよ。この紋章も、殆ど誰も知らないから盗賊に警戒されないよ」

 確かに古びた幌にクリーンだけとりあえずかけたって感じだ。


 まあ、グランドマスターなんだから、それなりの地位にいて当然なんだけど、貴族のイメージと結びつかないんだよね。


 スーレリアの騎士達は、見かけが強そうでない私達に戸惑っていたけど、この国では魔熊退治もしたし、アカツキをテイムした事も知られている。

 今のアカツキは小さいバージョンの体だけど、ボディはミスリルだ。

「お嬢さんがマナさんか。娘から話は聞いているよ」

 面影が…あ!

「ジーナのお父さんですか?」


「そうだ。娘から強いとは聞いていたが、まさかスーパー冒険者とは」

 手紙のやり取りはしてるけど、ジーナとは卒業以来会っていない。

「父親に身長だけは似てしまって、周りの子よりも大きくなってしまって。マナさん位小さかったら良かったのにと愚痴をこぼしているよ」

 そっか…まだまだジーナには追いつけていないんだね。

 一応私、ジーナより年上なんだけどな。 


「しかし、本当にこんな作戦で大丈夫なのか?しかも生け捕り予定とは」

 騎士達には、檻付きの馬車を用意してもらっている。

「単に私が根性無しっていうのもありますけど、うちの作戦担当は優秀なので」


 明日の朝いちからまずはルビー母さん達が出発する。その後で私達だけど、亜空間移動予定なので、実質の出発は一番最後だ。


「何とかするのが私達の役目なので、信じて下さいとしか言えませんけどね」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ