スカイと魔道具
スカイが、人化した姿で鳥の変装してる?
「ええと…何、やってるの?スカイ」
スカイは、付けていた嘴を外した。
「人化したらブレス使えなくなるでしょ?弱点を克服してみたかったんだ」
…はい?
「とりあえず外に出て、マナ」
得意気なスカイに手を引かれて亜空間の外に出た。
「見てて」
スカイが嘴を付けて、魔力を流すと、ファイアーボールが飛んで行った。
「あー…。まあ確かに、振るとファイアーボールが出てくる魔剣?とかあるよね」
「うん。ただ、これを付けていると、喋れないんだよね」
えー…。
「いずれは僕の使えるブレス全部使えるようにしたいけど…!わ!わ!ウォーター!」
「あっ!」
ブレス?が枯れ木に燃え移っている!マナは慌てて火を消した。
「何?何の騒ぎ?」
慌てた気持ちが伝わったのか、中で寝ていたルードが出てきた。
ルードに説明すると、ため息を吐いた。
「マナ、ダメ出しはちゃんとした方が本人の為だと思うよ」
「え?だめ?」
「自分で使うにしても、例えば短剣に雷属性とかの方がいいと思う。喋れなくなるのが致命的にだめかな」
「う…でもブレスの代わりだし、短剣にはマナが付与してるし」
「いや、そこは自分で作り直してみたら?鍛冶はできるんだから。持ち手の内側にサンダーの基盤付けて」
「魔法で充分だと思う」
あ、ルード、そんなはっきりと。
「ていうかさ、そんなの付けてたらおかしいよね」
「そう…だね。ホーリーなら役に立つだろうけど」
「スカイはまだホーリー使えないよね?私が作ろうか?」
「ううん…僕が使えるまで保留したい。何でもマナに頼るのは違うと思うから」
うん。そうだよね。スカイが錬金術をやりたいんだから。
ちょっと位意味不明な物を作っても生暖かく見守るべきだよね。
「マナ、今日は師匠の所に行ってくるから、危ない所には行っちゃだめだよ」
「そんな心配しなくても、この辺の魔物には負けないってば」
今日は私もちょっとやりたい事がある。スカイに教えていて気がついたけど、私の錬金術の知識は結構偏っている。
魔道具も、自分の作りたい物しか作ってこなかったから、仕方ない。
「スカイは今日、何するの?」
「基盤を書く練習かな?僕は不器用だから、小さい物に書くのに苦労する」
おお!自分で不器用だって気がついていたんだ!
「じゃあ私は、今日はスマホの中にいるね」
薬草とか細かい物の収穫は苦手だけど、それ以外なら、畑も採掘も、アカツキに最近は任せきりだな。
「じゃあ、いつも通りにお願いね。種はこの辺で…あ、ちょっと種が少ないね。道具屋で買ってもらえる?」
(了解デス)
鶏と牛の世話と、卵と牛乳の回収は自分でやる。あと、熟成小屋もだ。
サバのみりん干しが美味しそう。この魚肉ソーセージは、おやつ用かな。
缶詰は、やっぱり肉系ばかりが減る。ルードの収納庫から大量の缶を移して、出荷箱に入れ、フルーツ缶を、少し減らす。
ユキとスカイは、生フルーツの方が好きみたいだ。
やっぱり肉系のおかずの減りが早いな。勉強の前に、作り足しておこう。
コーラを飲みながら、魔道具図鑑を眺める。火を付けるだけとか、水を出すだけ等の簡単な魔道具は、全然作っていない。
図鑑を埋める為にも、基礎からもう一度勉強する為にも、今日はこの辺を作っていこうかな。そうすれば、スカイにもちゃんと教えてあげられると思うし。
簡単な物でも、数を作ると疲れるな。甘い物が欲しくなる。
桃缶のバニラアイス添え。簡単で美味しいから大好きだ。
これを食べたらまた頑張ろう。




