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花見会

 ビッグコッコの肉で夕ご飯を作っていたら、ルビー母さん達が帰って来た。

「マナ達の収納庫の中、凄い事になってるわね。何かあったの?」

「モンパレだよ。逃げようと思ったんだけど、真ん中あたりで狩っていたから、あっという間にビッグコッコで一杯になっちゃって」

「大変だったのね。親子丼?母さんが作るから、マナ達は休んでて」

 魔法で疲労は回復してるけど、お言葉に甘える事にした。


「マナ、狩りは明日?」

「うん…今日はもう、戦闘はいいや」

「僕はまだ戦えるから、行ってくる」

「でももう夜だよ?鳥目だから夜は無理じゃないの?」

「フェニックスになってから、夜も平気になったんだ」

「へえ。でも明日みんなで行こう?急ぐ必要はないから」

「うん…あ、だったら錬金術教えて」

 スカイは魔道具を作りたいみたいだ。

 

 何が作りたいか教えてはくれないけど、凄く熱心だ。

 傍から見ると大人が子供から真剣に教わっているように見えるけど、スカイは私より年下だ。

 他のみんなは錬金術には興味ないので、ユキは炬燵で長くなっている。

 ルビー母さんは自前の糸で服作りしてるし、ルードはとっくに寝てる。


「マナは眠くない?」

「もう少ししたら寝るよ。寝る子は育つって言うからね」

「小さいマナは可愛いよ?」

「いつの間にか大人になっちゃったスカイには、私の気持ちは分からないよ」

「種族が違うから仕方ないよ。サンダーホークの時には僕はもう大人だったよ?」

 むう…。炎鳥に進化した時、まだ私は小さかったのに。


 炬燵は春だからもうしまいたいんだけど、ユキのお気に入りの場所になってしまった。

 元々亜空間は暑くも寒くもないから要らないんだけど、外がもっと暖かくなるまでは置いておこうかな。


 翌日狩った獲物と、大きなジンギスカン鍋を置いて、黒竜さんと一緒に慰労会。魔の森にも花が咲くので、景色も綺麗だ。

「いつの間にかすっかり春だね」

 ヒナイドリは、ザンギとかしわ天にした。どちらも塩で頂く。

「やっぱり美味しい…!運がいいのは最高だね!」

 

 黒竜さんは、グラスに注がれたお酒に笑みを浮かべる。

「あなたの前世には、本当にたくさんの種類のお酒があるのですね」

「私は飲めるようになる前に死んじゃったからお酒の事はよく分からないんですけどね」

「分からなくても作れるのは凄いです」

 それはスマホのお陰だね。日本酒だけでも色々な種類があるけど、多分作れているのは同じ種類だと思う。

 料理だって、スマホがなかったら作り方検索できなかったし。


 あ、料理といえば。

「黒竜さん、これ、海にいる蟹を入れた茶碗蒸しです」

 あっ…!黒竜さんまでルビー母さんみたいな事を!

「熱くないですか?茶碗蒸しは飲み物じゃないんですよー!」

 火を吐くんだから、きっと火傷なんてしないと思うけど。

「これも美味しいですね。泳げるようになれば採れるのですね?楽しみです」


 竜の肺活量なら海底にも慣れればきっと行ける。運動神経も良さそうだし、ルードと同じですぐに泳げるようになるんだろうな。

「ルード、黒竜さんに毒の魚は勧めちゃだめだよ?」

「んー。美味しいんだけどな」

「悪口の称号付いたら、怒られるよ」

「悪口?」

「えっと…毒の味が刺激的で、ドクニジマスとか毒入りの魚を食べていたら、悪食の称号が付いたんです」

「はあ…称号は消えないというのに。全くこの子は…」

 そっか…消えないんだ。私も気をつけるようにしよう。

 眷属だって称号は見えないんだから、別にいいのかな?



  

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