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襲撃

 ウィンゼル島に、連絡を受けたマナがやって来たのは、まだ夜中だ。鳥目のスカイは役に立たないので、置いてきた。


 島の南端から見ると、確かに船影が見える。

「三隻か。まあ調査が目的だろうな」

 

 ルビー母さんとユキには、鳥人族の人達を起こして、エルフの国に避難してもらうようにお願いした。


「私は時間稼ぎしておくよ」

「何をするの?マナ」

「津波…まではいかないかもだけど、水面を荒らす位なら出来るよ」

「僕がやるよ。マナは結界碑の魔力の充填をして。念の為に」

「分かった。ダンジョンコアにも会ってくるから、外はお願い」

 沈ませるのはやりすぎなので、今は様子見だ。


 あれ?ダンジョンが深くなっている。

 魔物が私に攻撃してこないので、スルーして進む。

 11階層。動かないハイオークを放ってコアへの入り口を探す。

 丁度突き当たりの壁に違和感を感じたので手で触れると、通り抜けた。

(来て下されたか!神よ)

「私はマナだよ。精霊の言葉はユキが伝えてくれた。鳥人族の人達は、今エルフの国に避難してもらってるから、大丈夫」

(おお…既にやって頂いているとは。感謝に堪えませぬ)

 ここのダンジョンと鳥人族は、共生関係が成り立っている。

 というのも、空からゴミを捨てる訳にいかないので、みんなダンジョンに吸い込ませているからだ。

 私的にはどうかと思うけど、上手く行ってるなら問題ない。

「また後で来るね。外の様子見しないと」

(お願いします)


 ダンジョンから戻ると、船が岸に着く所だった。

 私は透明化のスキルで姿を隠し、ルビー母さんには影の中に入ってもらう。

(ユキは一緒にエルフの国に行ってもらったわ)

(ん。分かった)

 ルードは海岸付近にやっぱり透明化していてくれているので、私達は調査に来るであろう遺跡に身を隠す。


「誰もいないだと?ちゃんと探したのか!」

「はっ。生活の跡は見られるので、どこかにはいると思われますが」

「隊長!ダンジョンらしき穴を発見したのですが、何故か近寄れません」

「くっ…一体何がどうなっているんだ?お前たちは住人を探せ!」


 隊長と呼ばれた男は、ダンジョンに近づく。

「この感じは、エルフの国に入れないのと一緒か?…おい、あの魔道具は何だ?」

「はい。鑑定では聖別の結界碑と出ました」

「聖別だと?ふざけやがって!俺達こそが神の信徒である聖騎士だというのに!」


「ですが、エルフの国にあった物とは別ではないでしょうか?範囲もダンジョンの入り口を塞ぐだけのようですし」

「とにかくあの魔道具を持ち帰れるなら何か分かるかもしれん。剣では無理か。魔術師隊を集めろ!」

 しばらくして集まった魔術師隊が一斉に魔法を放つも、結界を破る事は出来ない。

「誰か、あの魔道具を持ってこい!」


 いつの間にか側に来てくれてたルードが、頭を撫でてくれる。


 やがて数人の屈強な男達に運ばれてきたのは、重そうな魔道具。


 看破 結界破壊の魔道具


「あの国を覆う結界は無理だったが、こっちのは小さいからな。本来ならこの島から向こうへ橋をかけて、こちら側から破れないか確認する為だったが」

 男達は、魔道具を構え、魔術師が魔力を流す。

 バチバチと弾ける光線が、結界に当たり、僅かに歪む。

「最大出力だ!」

 マナは、ルードの服の端を掴む。


 表面が大きく歪んだが、破る事は出来なかった。

(二つとかあると、破られるかもしれない。とりあえずあれは潰す)

(え!ちょっと待っ…!)

 もう一度放たれる前に、出力する所を結界で干渉する。

 魔力が内部に逆流して、魔道具は壊れた。

(たーまやー!)

(…何か、前にも似たような状況あったよね)

 救いは、今回はルードの結界構築が余裕で間に合った事。

(そうだっけ?)


「…っ!また壊れたか。宮廷錬金術師達は何をやっているんだ?まあ…今回のこれは、破れるかもしれん。トールトン!お前たちの隊は本国に戻って予備と、もっと高出力の物が作れないか打診してこい!住人がいないなら好都合だ。今の内に橋をかけるぞ!」


 うそ…これってどうしたらいいの?

 ダンジョンコアの回復にはまだまだ時間がかかる。でも今のままだと結界を破られて、魔道具を持って行かれたら、研究される。

 一応、解析しにくいようにはしてあるけど…どうしよう。




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