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海岸ダンジョン

 ツナ缶と、キャベツのパスタを作ってみた。

「これがその、缶詰なの?」

「そうだよ?マグロには見えないでしょ?」

「そうね…でも、わざわざ缶に入れる必要はあるの?」

「それは…保存の為?」

「収納庫に入れておけば、悪くならないじゃない」

「う…」

「でも、料理の幅が広がるわね?」

「うん!…でも肉系は使おうとすると、いつの間にかなくなっているんだよね」


 テーブルの方を見ると、コンビーフの缶を開けているルードと目があった。

「もう!これからご飯なんだからね!」

「ん。大丈夫。ご飯もちゃんと食べるから」


 いや、そこの心配じゃないし。

 コンビーフだと、ミノタウロスよりもウォーターバッファローの方が美味しい。今度材料を色々変えて作ってみよう。


 早朝の散歩に出ていたスカイが戻って来た。

(マナ、羽根が抜けた)

「ん。これで四つ目が出来るよ」

「なら、出来たらダンジョンに行こうか」

「やった!」

(マナ…僕のきらきらも、ちゃんと作ってね)

「うん。でも材料はスカイの羽根が必要だからね?」


 スカイの羽根もだけど、世界樹の葉も必要だから、材料を無駄にはできない。

 高難易度の錬金術だけど、もっと難しい物を作っているからか、そんなに難しくは感じない。


「出来たよ!」

 蘇生石をルードの腕輪に付けたので、これで準備万端だ。


 海岸の街に亜空間移動して、港から少し離れた位置にあるダンジョンに入った。

 中にいる冒険者がみんな、しゃがんで何しているのかな?と思ったら、ワカメに絡まれて、捕まっていた。

 

 足を上げて強引に引きちぎると、10センチ位の長さしか残らない。

 むう…せこい。 

 良く見ると、どう見ても近所の主婦って感じの人が鎌を片手に、冒険者よりも上手にワカメを狩っている。

 別に冒険者じゃないと入れないって訳じゃないからいいと思うけど、逞しいな。

 

 うう。進みづらいな。

 あ、スカイが転んだ。転ぶと、剥き出しの肌を狙ってワカメが絡みついてくる。けど、すぐにスカイから離れていく。

 本来ならスカイの腕は羽根だから?羽根だと養分を吸えないのかな?

 ルビー母さんは、見えない蜘蛛糸で狩り集めている。

 ユキも手足だけ獣化して、器用に狩りながら進んでいる。


 やっと階段を見つけた。二階層は大アサリだ。大アサリは噛むけど、主婦のおばちゃんは、ザルを手に奮闘している。

 私もギルドの情報で、大アサリが出る事を知っていたから、みんなにザルを持たせている。

 一定以上のダメージを与えると死ぬから、そうしたら収納庫にしまう。

 ハンマーなんて武器もあるのか。この階層では役に立ちそうかな。

 アカツキを出せれば役に立ってくれそうだけど、人目に晒したくない。

 ふふふ。そのまま味噌汁にしてもいいし、酒蒸しとか、バター焼きもいいな。

「痛っ?」


 油断してたら指を噛まれた。垂れた血に、大アサリが群がってくる。

 逆にラッキーだ!岩石落としで全部潰して、魔法の岩が消えるとそこにはたくさんの大アサリが転がっていた。

「マナのそれは戦略?それとも美味しい料理の事を考えて油断していたのかな?」

 むう…ルードの意地悪。


 三階層では、ヤドカリが出た…出るのはいいけど、なんでそんなにデカいのさ!

 大型犬サイズのヤドカリが、犬小屋みたいな硬い殻…貝殻ではないを、背負っているとか想像もつかなかったよ。

 まあ、素早さはないし、オリハルコンの刃も問題なく通った。

 ドロップ品はこの大きな殻。実験したかったので、三つ程収納庫に仕舞った。


 一階層で手間取ったから、思うように進めなかった。

 階段を降りて、次は四階層から進めるようにして、今日の探索は打ち切る事にした。


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