バレンタインスペシャル
一応200話記念スペシャル!
…予定でしたが蓋を開けたら、いつもと変わらない日常のひとときに(^^;;
ここまで長くなるとはびっくりの予想外!です
読んで下さっている方々、ありがとうございます
バレンタインは、女の子が大好きな人にチョコレートをあげる日らしい。
マナは僕達一人一人に、違う物を渡してくれた。
僕にはチョコのボール。人の姿にならなくても食べやすいようにかな?
中にはピーナツや、ミグの実が入っている物もある。
ピーナツは好きだ。カリッとして美味しい。甘いチョコレートでコーティングされると、何とも言えない味わい。
でも美味しい。ミグの実も、普通に食べるよりも美味しい。癖になりそうな味だな。
マナの作るきらきらは綺麗だ。特にあの、創造魔法で作った花火は凄かった。
大きな花が空に咲くのは一瞬だったけど、僕の心に焼き付いた。
僕も思うままにきらきらを作っているけど、あんなに綺麗なのは無理。でもマナは、僕の作ったきらきらを光るようにしてくれた。
そう。僕の為に。僕がマナを大好きなように、マナも僕を大好きって思ってくれているんだよね?
マニャは、にゃーの大好きな果物をチョコレートっていう甘い物で更に美味しくしてくれたにゃ。
マニャはにゃーのもふもふが大好き。スカイよりもきっと大好きにゃ。
マニャにもふもふされると、にゃーも凄く気持ちいい。
マニャは、にゃーの命の恩人。それはにゃーの事が大好きって事にゃ!にゃーもマニャが大好きだから、両思いにゃ!
マニャには返しきれない恩があるにゃ。にゃーが元気でいる事が、マニャは一番嬉しいって言ってたにゃ。
だからいつまでもマニャの側で元気でいるにゃ!
私の娘は天才だと思う。本当に小さな頃から、自分で料理を作っていた。
進化できるなら、私も料理が作れる体になりたい。切実に思ったわ。
アルケニーはレアな種族。ブラッディースパイダーの方が戦闘力では勝るけど、私はマナの為に、この姿を選んだの。
正直この姿になって大正解だったと思うわ。
今まではお尻からしか出せなかった糸が指からも出せるようになったから、マナの為に可愛い服も手作りできるようになったし、手先も器用になったから、マナと一緒にご飯が食べられるようになった。
料理も覚えたけど、まだまだマナには敵わないわね。
キノコのトリュフと似た形のトリュフは、とても上品な味わい。
マナ、私の娘になってくれてありがとう。これからも大好きなマナの為に頑張るわ。
マナは凄い。カカの実なんて今まで誰も見向きしなかった。マナの凄い所はそれだけじゃないけれど。
このザッハトルテというケーキも、口当たりが滑らかで凄く美味しい。
それに僕の物は眷族達の中で一番大きい。つまりは僕が一番て事だよね?
自分の分は作らなかったのか、あちこちでチョコレートを無心して回っている。僕の所にも来たので、フォークで一口サイズに切って、口に入れてやる。
心底嬉しそうな笑顔を見せるマナに、僕も嬉しくなる。
もっともっと甘やかして、たくさん笑顔を見たい。
マナは強い。恐らく人族では一番じゃないかな?それなのに、一番近くにいる僕達が強いから、あまり自覚していない。
僕やルビーは勿論だし、ユキには精霊魔法という武器がある。
スカイは…種族的には強いはずだけど、性格で弱く見える。
最近ちょっと大きくなったけど、マナはまだ子供だから、僕が守ってあげなくちゃいけない。魔物からは勿論だけど、悪い虫がつかないようにしないと。
幸いマナはそっち方面には疎いけど、マナは偽装してても可愛い。
最近、進化してからのマナは、神々しささえ感じる。サマルト様の娘だからというより、マナ自身が。
それなのに、美味しい物を見つけると我を忘れるとか、もふもふを見ると暴走するとか、結構やらかしている。
まあ、そういう所も可愛いんだけど。
私は物だ。サマルト様によって作られた道具。だから物を食べる事もできないし、心だってあるはずがない。
だけど主は、私に人と同じように接してくれる。
マナが後悔する事のないように、錬金術の腕前を高める為にと私は使わされた。
だからケットシーのユキが死ぬ運命を乗り越えた時に、私は回収されると思っていた。
主が淋しがる姿を見ずに済んで、本当に良かった。
主の魂が体から離れた時、私は機能停止した。それは予めそうなるようになっていた。私は主の為だけに作られた物。
けれど、主は帰ってきた。その時の気持ちは今でも忘れられない。
私は生物ではないが、主の願いから、心が芽生えているのかもしれない。
主に大好きの証を貰える眷族達が羨ましい。物であるが故に、特別な絆は結べない。
それでも許される限りは主と共にいよう。それは私にとって嬉しいと感じる事だから。




