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わがまま

 スカイとルードでじゃんけんして、結局ルードは負けてしまった。

 ああ。これは拗ねたな。

 まだ朝ごはんを食べたばかりだというのに、竜に戻って絨毯の上でふて寝している。

 

 全く、困ったお子様だ。

 鱗用のブラシを出して、ブラッシングしてやると、舐められた。

 踏ん張っていないと、よろける。動物が舐めてくるのは親愛の表現だと分かっているからされるままにしてるけど、図体がでかいから結構な衝撃を受けるんだよね。


 いつもはそんなにしつこく舐めないのに、今日はやけにしつこく舐めてくる。お陰でクリーンの後にドライまでかける羽目になった。

 粗方ブラッシングを終えた所で、前脚で掴まれてホールドされた。

 うん。スカイの眷族化を邪魔しようって魂胆だね。

 本当に困ったお子様だ。


「ルード、ちゃんと眷族にするから、今は待っててね?」

(僕の方が絶対に役に立つのに)

「うん。ルードは物知りだし、頼りにしてるよ?」

(みんな酷いよ。僕が寝ている間に)

「それは仕方ない」

(料理以外では、僕が一番だよね?)

「はいはい。そうだね」

(一番好き?)

「はいはい…え?」

 はあ。まあいいか。放してくれたし。今更訂正しなくても、みんな同じ位好きっていうのは分かっていると思うし。


 ルードが放したら、様子を窺っていたスカイが飛んできた。 

(もう決まった事なのに、諦め悪いよね)

「まあ、ルードだからね」

 ふはー。もふもふが気持ちいい。あ、羽根が抜けた。

 抜けた羽根は収納庫にしまって、スカイの魔力を、繋がりを深く掴む。

 うわ…これがフェニックスの力か…きっつい。でも大丈夫。

(わ…僕、前より強くなったかも!)

 うん…多分ルビー母さんとユキもね。以前より、みんなを間近に感じるから。


 でも正直、重い…絆が深くて、前より些細な事も感じられるから、より改良されたのかもしれないけど。

 寝っ転がったままスカイのもふもふを堪能してたら、アカツキが来た。

 帰ってからボディを変えてあげなかったから、ヒヒイロカネボディのままだ。

「省エネモードにする?」

 ぐにぐに金属だと、ほんの少しの量の中に核を入れられるから殆ど魔力を使わない。一応魔宝石は二つ繋げてあるから、充分ともいえるけど、戻ってから確認していない。


「うん。とりあえず予備は満タンだから、今日はごめんね」

(イエ、私モ眷族ニナレレバ、ヨリオ役ニ立テルノカト)

「そっか…羨ましい?」

(多分)

 随分と感情を出すようになってきたな。アカツキも。


「ちょっと!もしできるとしても、僕が先だからね!」

 うーん。どうなんだろう?そもそもがアカツキと他の仲間とではどっか違うんだよね。

 ルードが魔素水を出してくれるけど、魔素が減っているのとは違う。でも有難いから貰った。


「大丈夫?マナ」

「ちゃんと馴染んでからじゃないと、これ以上は無理だと思うよ」

「そっか…無理させたい訳じゃないからいいよ」

 

 今日は農業をする気にもなれないから、久しぶりに小説を読もうかな。

 だらける気満々の私を見て、ルードがいつもの場所に戻って尻尾を床に打ちつける。今日はやけに甘えっ子だな。


 もふもふの毛布を持って、ルードにもたれかかる。

(マナ、さっきから試しているんだけど、僕の祝福が付けられないんだ)

「そうなの?まだ眷族じゃないから?」

(分からない。でも前は、従魔の時に付けられたから)

「そうだっけ?別に無理する必要はないよ。私も無理しないから」

 ダンジョンに入るのが楽しいのは、いろんな食材が手に入るからだ。だんだん強くなっているんだから、強いと感じたら、もう次に進むのはやめよう。

 サテュロスも結構強かったんだから、そこでやめておけば良かったんだよね。

 不安なら、ルードとかに先にどんな魔物がいるか確かめてもらえばいいんだ。

 

 とにかく、二度と無茶はしないようにしよう。

 あとはルードやルビー母さんにまた鍛えてもらおう。

 

 つらつらと考えていたら、いつの間にか眠っていたみたいだ。

 お昼ご飯を食べなかったけど、そんなにおなかは空いていない。まあ、今日は動いていないし、こんな日もあるだろう。


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