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ギルドに報告

 ルビー母さんが旅立って行くのを見て、ちょっとだけ、何もそこまで気にする事はないんじゃないかと思ったけど、移動したはいいけど、鳥人さん達が戦争に巻き込まれるのも嫌だと思い直した。

 仮にそうなったとしてもどうする事もできないけど、鳥人達が逃げる事を助ける位はできるはずだ。


 ギルドから、調査報告をするように手紙が来た。

 依頼を貰ってからもう一ヶ月近く経つから、気になっているようだ。

「事を起こす前にギルドに知らせておくのはいいかもしれないね」

「じゃあ、ちょろっと行ってくるね」

「僕も行くよ」

 まあ、一緒に行ってくれた方が難しい話とか任せられるから楽でいいけど。

 それにしても凄いタイミング。実は監視とか付いてないよね?

「スカイとユキはどうする?」

「錬金術を教わりに行ってくる」

「一人で狩りはつまらないから、ついてっていいにゃ?」

「じゃあ一緒に行こう」


 早速ギルド本部に行くと、案の定グランドマスターの所に行く事になった。

「調査はどうなっている?」

「この件に関してはサマルト様から直接依頼を受けたので、心配はありません」

「…は?」

「このままにしておくと本当に落ちるという事なので、離れられない原因になっている魔素の乱れを一時的に安定させる魔術具を作って、ウィンゼル島の方にはダンジョン、ひいては島の回復の為に、聖別の魔道具を作って設置しました。人族は当分ダンジョンには入れないです。で、近いうちに島の回復を図る為に、精霊の多いエルフの国のすぐ傍の海にしばらく留まる予定です」


「ちょい待て!全く訳が分からんぞ?マナ、まず本当にサマルト様から依頼を受けたのか?」

「あ、はい。一方的にですけど、サマルト様がたまにメッセージを伝えてくれるので」

「前代未聞だな」

「まあ、娘ですから、親から頼まれたらやるしかないかなって」

「てか、錬金術も使えるのか…もはや何でもありだな」

 うん。このおっさんは錬金術に関しては知識ないんだな。下手に騒がれるよりいいかな。


「…それで、ウィンゼル島は結局落ちるのか」

「回復したらまた飛ぶかもしれませんけど、どれ位とかは分かりませんね」

「それは、決定事項なんだな?」

「サマルト様の言葉なので」

「はぁ…出来れば先に報告を聞きたかったな」

「ギルドの依頼で動いていた訳ではないので。報酬も要りません」

「いや、しかし…島に住んでいる鳥人族はどうなるんだ?」

「まだ試していませんが、鳥人族の人達はダンジョンには入る事はできるので、暮らしていけると思います。エルフの国にも入れるかもしれませんし」

「そうなのか?」

「だから、試していませんて。ただ、ダンジョンに設置した同じ効果の魔道具は鳥人族を受け入れたので」


「それは、エルフには言ってあるのか?」

「勿論。ただ、トラス皇国には何も言ってないので、大騒ぎにはなるかもしれませんね」

「あー…まあ、ギルドとしては何もできないな。特にあの国はギルドに対して否定的だし」

「まあ、ワイバーンもいるし大丈夫じゃないですか?」

「そうだな。結界もあるし。エルフの結界ってのは、どういう物なんだ?単純に、人族を入れなくする物なのか」

「精霊にとって害になるものは入れないってだけだと思いますけど?」

 そう。別にエルフを守る為の結界じゃない。けどエルフは精霊が見えるし、むしろ友人的な立場だ。


 ユキが、寝そうだ。話が退屈なのだろう。

「デモンズイルからすると、交易相手が減る訳だな」

「女王からすると、特に問題はないみたいだね。ウィンゼル島のダンジョンはつまらないそうですから」

 ルードの言葉に納得したようだ。

「その魔術具が働いている間は気持ち悪くならなくなるんだな?」

「多分…けど一度の充填で半年しか持ちませんし、もしかしたら魔物の生態系が狂うかもしれないので、島が離れたあとは女王様の判断じゃないんですかね?」

 正直、マナは女王様と会ってもいないのだ。どんな人かも分からない。


「それは残念だな。気持ち悪くならなくなれば、ダンジョン目当てで行く冒険者も増えるかもしれないのに」

「あのダンジョンは強過ぎるので、腕に相当自信がないと」

「ああ。竜が出ると聞いたな。俺も一度でいいから戦ってみたかったな」

「戦う?」

「い、いや…俺ももう若くないし、さすがにインペリアルドラゴンと戦う気はない」


 ユキを起こしてギルドを後にして、買い物を楽しんだ。

 あ、ミグの実が売ってる。キャラメルの味って癖になるよね。

「何?もうなくなったの?」

「まだあるけど、頭使うと甘い物が欲しくなるんだよね」

「分かるにゃ!にゃーも同じにゃ!」

 ユキが頭を使うって…本当かな?

「確かにジャムとかたまに減ってるけど、何か悩みでもあるの?」

「別ににゃーよ?にゃーの目的は、アカツキを素早く捕まえる事にゃ!」

「あ…なるほど」

 珍しくアカツキが愚痴言う位だからな。

「程々にね。アカツキも家族なんだから」

 ちょっとルードが微妙な表情したけど、アカツキだって家族だよ?





 

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