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素材集め

 亜空間移動で皆が出かけて行くのを見送り、マナも黒竜の所に移動した。

 広場に寝そべっていた黒竜は、マナの姿を見て、人化した。

「聞きましたよ。無事ケットシーの眷属を救う事が出来たと」

「はい。その節はお世話になりました。実は、また世界樹の葉が必要なんです」


 黒竜は、じっとマナを見る。

「軽々しく言っているのではないようですが…何に使うか聞いても?」

 マナは、ウィンゼル島の事。二つの魔術具を作る為にどうしても必要だと説明した。

「サマルト様にその様な大切な仕事を任されるとは、大変名誉な事ですね」


 そっか…私達になら、材料も集められて作る事が出来るって信頼されているんだ。

 やり遂げられれば、少しは良くしてくれた恩返しができるかも?

「羨ましいですね。神から言葉を賜る事が出来るとは」

「黒竜さんは、世界樹の管理を任されたんじゃないんですか?」

「金の姫を通して。上位竜なら誰でも良かったと思います」

「だから、私の眷属じゃなければルードに後を継いで貰おうと?」


「大人になり、名を姫にもらえるならと思っていましたが、姫もあなたの眷属であることを望んでいるようですね」

「何か、過分な評価をもらってるみたいですね…少し前なら私も、それを否定していたんですけど、今は期待に応えられるようになりたいって思ってます」

 私も、スマホがチートなだけって言えなくなってる気がするし。


「あれ…ルビー母さん?ユキ?スカイも…どうしたの?」

 ツリーハウスからここまで歩ってきたのかな?

「にゃ?魔素の結晶はここにあるにゃ」

「おや。魔素の結晶も必要なのですか?あの子…ルードに聞けば探しに来なくてもここにあると分かったでしょうに」

「聞いてないにゃ」


 魔素の結晶は、世界樹の根元にあった。一見するとただの魔石にしか見えないから、これがそうだとは思わなかったな。

「まあ…ルードにとっては関心のない事だから、忘れていたのでしょう」

 うん。ルードならありそう。じゃあ、あとは世界樹の葉を貰えばあとは、アースドラゴンの爪だけだな。

 私が作るの失敗しなければだけど。

 

「にゃー達は、次はどうすればいいにゃ?」

「うーん?とりあえずルードに相談してから決めようか」

 こういう所、本当は私がリーダーだから自分で考えなきゃいけないと思うけど、作戦担当はずっとルードに任せきりだな。


「なら狩りに行くにゃ」

「そうね。夕ご飯は何がいい?」

「僕、ソーセージが食べたい!」

 うん。在庫は…あるな。

「あなたの料理はとても美味しいそうですね。私も頂けますか?」

「いいですよ?これが、さっきスカイが言ったソーセージが入ったポトフです」

「!これは…確かに。自慢するだけはありますね」


 黒竜さんの目が輝いているけど、さすがにおなかいっぱいになるまではあげられないな…でも、この件が片付いたら、黒竜さんも誘って打ち上げしてもいいな。


 世界樹の葉を貰って、マナはアカツキを連れてスマホの中に入った。

「アカツキ、この薬草が足りていないから、収穫が終わったらお願いね」

 あとは適当に種を渡しておけば、アカツキの判断でいい感じにやってくれるだろう。


 魔素を安定させる魔術具の材料の一つであるエメラルドタブレットをつく…ろうとして、失敗した。

 うーん。気負い過ぎかな?


 その頃ルードは、女王と対面していた。

 出会い頭の魅了攻撃は、難なくスルーした。女王は、口角を少し上げただけで、何食わぬ顔でこちらの用件を尋ねる。

 玉座に座る女王は、男性なら殆どの者がその姿に魅了されてしまうのではないだろうか。大きく突き出した胸と、妖艶な表情。女性の理想のような体型。


 他種族とはいえ、主がいなかったら、魅了されていたかもしれないな。

 それだけじゃない。国一番の実力者というのも嘘ではないだろう。


 まあ、こちらの話をちゃんと聞いてくれるのは有難い。

「魔術具の使用も、あの島が離れるのも我々は構わない。まあ、観光客は減るかもしれないが、元々その魔素の乱れのせいで、商人すらまともに寄り付かない。だが…ただというのも惜しいな。プリメーラの話が本当なら、インペリアルドラゴンだというが、本当か?」

「まだ大人にはなっていませんが」

「なら、一緒にダンジョンに潜らぬか?」

「陛下!」

「この島のダンジョンは、定期的に中を掃除せぬと、スタンピードを起こす厄介物でな。おぬしが手に入れたいアースドラゴンの爪も運が良ければ採れるかもしれないし、最下層まで付き合ってくれるなら、こちらから材料も提供しよう」


 確かに、一度や二度では手に入らないかもしれない。出る素材はランダムだし。

「何故そこまで協力してくれるのですか?」

「面白そうだからに決まっている」

「陛下!ダンジョン掃除なら、我々兵士に任せて下さい!」

「アゼルル、心配ならお前も来ればいい。あとは…そうだな。プリメーラも呼ぶか」

 アゼルルは、ルードを睨む。


 鬼人か…きっと女王が僕を気にかけるのが面白くないんだろうな。

「鬼人の兵士は分かりますが、プリメーラは…役に立つんですか?」

「まあ、荷物持ちだ。魔術の腕もそこそこ使える」

 マナには申し訳ないけど、ダンジョンならまた来ればいい。



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