空の島
昨日のWコピーご指摘ありがとうございます。
m(_ _)m
ルードを見て皆、固まっている。
やがてそのうちの一人が武器を置いて頭を下げると、固まっていた人達も皆、武器を捨ててそれに倣う。
マナは少し落ち着いて島のヘリを横目で確認しながら、ルードの傍まで歩く。
「本当に私達、調査に来ただけなんです」
「私は、鳥人族の長のアーサーです。それで、何が危険なのですか?」
「神様は、ちょっと変だから調べてほしいと。ただ、教会の神官が、この島の崩壊を予見したって言ってました」
「そんな…やはり100年前、島が動かなくなったのが原因か」
島には山や遺跡のような物もあり、聞くと浅いがダンジョンもあるようだ。
そして空から流れる滝…ファンタジーだ。
畑には、ハクサイという名のオレンジ色の野菜や小松菜、長葱など冬野菜が植えてある。
辺りには魔物の気配はなく、恐らくは飛べる系の魔物しか来ないのだろう。
下から見上げた限りでは、そんなに大きな島には見えなかったから、あの山の向こう側はスッパリと切れているかもしれない。
「陽も落ちかけているし、明日から探索は始めようか?」
「そうだね。すぐにどうこうなる物でもないだろうし」
「でしたら、こちらへどうぞ」
どうやら遺跡の一部を改装して客を迎えているようだ。
破壊されたような跡があるのが痛々しい。鳥人族の住宅は畑の向こう側に見えたから、彼らはここに住んでいないのだろう。
人口はおよそ学校一つ分位?
「広い遺跡ですね。みんなで夕ご飯にしませんか?色々持ってきてあるので」
収納庫から鍋やフライパンなど次々に出していくと、恐縮してしまった。
「私達は情報が足りてません。ご飯を食べながら、色々聞きたいです」
「分かりました。皆を呼んできましょう」
鳥人達から、団子を貰った。
「ありがとうございます!こちらの料理も遠慮なくどうぞ」
皆にも好きな料理を取って貰う。
「これで全員ですか?」
「は?そうですが…」
「なら、外の人達のは要らないですか?」
金色を持つルードがいるのに、まだこの人は私達の事信じてくれないかな?
「!…あ、見張り役の者がいますので」
「なら、後で渡してあげて下さい」
マナは人数分、パンを三つ渡した。
顔を引きつらせながらそれを受け取る姿を見て、内心ため息をつく。
(マナは優しいな)
(優しくないよ。分かっているって脅しているんだから。ただ、仕方ないとも思っている。過去の冒険者が何やったのか知らないけど、そのせいで警戒しているんだと思うし)
(マナは見かけが強そうに見えないから、強さを測れないんだと思うけど)
(どうする?私が大人になって筋肉ムキムキになったら)
(ん?マナには変わりないから、気にしないと思うけどな)
(想像つかないわね)
(強そうでいいにゃ!)
(僕の人化した姿を強そうに見せたい…)
(スカイは気が弱い所が問題だと思うけど)
「この島って、どうして飛んでいるんでしょうね?」
「いや…考えた事もありませんが、神の思し召しでしょうか?」
ダンジョンがあるなら、ダンジョンコアに聞いた方が早いかな。やっぱり飛行石とかあるのかな?
「皆さんはダンジョンに入ったりします?」
「はい。食料確保の為に。最もここのダンジョンは10階層で終わりですが。
昔はもっと深くまであったという話ですが、もう何百年も前のようなので、実際は分かりませんね」
ふうん…減る事もあるんだ。
「何か、昔の事を知る資料はないですか?」
「昔はありました。しかし冒険者が全て奪っていったのです!」
「そ…そうですか」
だからって、不良冒険者ばかりじゃなかったでしょうに。
この話題は禁句だね。
見張られて寝るのも嫌なので、亜空間に入った。
「遺跡の中は期待できそうもないな」
「とりあえず、ダンジョンに行ってみようと思う。話のできるコアだといいんだけど」
「なら僕は、外側から探ってみようかな。ここのダンジョンは危険はなさそうだし」
「なら、僕がマナを…」
「スカイも外側担当。マナはルビーとユキがついているから」
「…う。でもその方が役に立ちそうかな」
「そうだね。私にはできないから、二人にお願いするしかないし」
「…マナはいい加減、飛ぶの慣れようよ」
ルードはため息と共にそんな事言うけど、高所恐怖症だけは治りそうにないな…。
「ここは無理!高すぎるもん!」
超低空飛行飛行なら、できるようになったんだけどな。




