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湖の街と、スカイの帰還

 どうせならと、ギルドの仕事も受けてみる事にした。

 薬草採取の仕事だけど、自分でも薬草を作った経験があるので、根を使う薬草とか、形のよく似た別の草とかの区別もつく。

 おかげでギルドの人にも褒められた。因みにルードは早々に飽きて、昼寝していた。


 少しだけ異世界を満喫出来た気がして、満足して次の町に向かう事にした。

 私も魔物の素材は持っていたけど、一カ所で売ると目立つからと、次にまわしたのだ。


 乗り合い馬車に乗って着いた町…というより村は、生憎とギルドがなかったので、すぐに次の町を目指す事にした。


 大きな湖に流れ込む河のほとりにある大きな街に着いた。

「すごく綺麗な湖だね!」

「ほらマナ、身を乗り出したら危ないよ」

(空を飛んでしまえば一瞬だけど、こうやってゆっくりと旅をするのもいいものだね)

(ルードはこういう景色の綺麗な所沢山知ってるんだよね?)

(まあ、大概は通り過ぎて終わりだけど)

(いつか私が大人になったら旅に出たいなと思って。その時はルード、また一緒に旅してくれる?)

(その時は偽装も上手くなっているといいなー)

 フードは被っているし、みんな景色に見とれているけど、完全に偽装が解けていた。

(意地悪)


(まあ、10年位あっという間だし?でもその間ずっと森にいるつもりなの?)

(それは分からないけど私、人付き合いが苦手だから)

(マナが?)

(うん。…ルードって、いい意味で冷たいよね)

(充分優しいと思うけど?)

(必要以上に踏み込んでこない所が。前世の私はそれで失敗しちゃって、人との距離の取り方を間違えて、結果虐められてて)

(そいつ、随分命知らずだな)

(もう、前世って言ったでしょ?前世には魔法もないし、魔物もいないから、レベルもないから私は弱かったよ)

(へえ。魔物がいない世界なんて物もあるんだ)

(むしろこっちに来て、怖い位に強くなった自分が怖い)

(確かに。言っとくが、普通の4歳児はミノタウロスなんて狩れないからな?)

(ふふーん!私、もう5歳になったよ!)

(…かわんねーぞ)


(!あ…スカイ?!スカイ!)

(マナ!!)

 スカイが腕の中に飛び込んで来た。

「…!あれは、サンダーホークじゃないか!」

「何!」

「きゃあ!!」

(マナ!そいつを影の中に入れろ!)

(ごめん、スカイ!)

「済みません。妹の従魔です。今から従魔登録もしますから」

 辺りが騒然となる。

「おいで、マナ」


 ギルドに行く前にサイズ自動調節の付いた魔石付きの指輪サイズの物を買った。

「これに魔力を流して」

 魔石が一瞬光った。

「未登録の従魔を街に入れるのは違法なんだ」

「そっか…私、何も知らなくて」

 ギルドに行き、スカイの従魔登録をする。種族を聞かれてサンダーホークだと答えて、見せたら受け付けのお姉さんが引いていた。

 カードの職業欄に、テイマーが追加された。

 従魔の証は、金の足環の反対側の足に付けられた。


(マナ、これおしゃれじゃないよ)

(付けてないと、だめな物だから、我慢してね。ルビー母さんは大丈夫?)

(何とか思い留まってもらったよ。大変だったよー!)

(お疲れ様、スカイ)

 たくさん撫でて、しばしのもふりタイム。

「何かそいつ、イラッとするね。食べていい?」

「いい訳ないでしょ!もう」

(マナ、その人誰?)

「山で会ったよね?ルードだよ」

「インペリアルドラゴンのな」

 ルードはニヤッと笑って、気配を少しだけ放出する。

(ぴえっ?!)

 スカイが気を失っている。

「もう、脅さないでよ。スカイは怖がりなんだから」

「そいつには随分優しいじゃん?」

「ルビー母さんに捕まって、最初はペットにしたかったんだけど、名前付けたら従魔になっちゃったんだよ。ちょっと臆病だけど、もふもふで可愛いの!」

「あっそ。そういえばギルドでダンジョンの話をしていたな。行ってみる?」

「うわー、リアルダンジョン!行ってみたい!」




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[一言] 「あっそ。そういえばギルドでダンジョンの話をしていたな。行ってみる?」「うわー、リアルダンジョン!行ってみたい!」 家で、ルビーが心配しているから、早く帰ろうとしていたのは、なしになってし…
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