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魔宝石

 手にした魔晶石を二つ、砕けないように、丁寧に魔力を練って、合成した。野球ボール位の魔晶石が縮んで、飴玉サイズになった。

「…へ?」

 今までは魔石を合成してたから、密度は濃く、大きくなっていた。


 看破 魔宝石 多量の魔力を保存可能。術式制御に補正大


「あはは…できちゃった。信じられない」

 いくら材料の魔石が豊富にあったからって、本職の錬金術師でもない私が作れるなんて信じられないけど、頑張った甲斐はあったな。


 早速魔力を貯めてみる。面白いように魔力が入っていく。魔晶石の倍どころじゃない。貯めてるそばから私の魔力も回復してるけど。

 これってみんなにも作って渡しておけばマジックポーションより余程役に立つかも?


 こんなもんかな?

 マナは畑で収穫作業をしているアカツキの所に行く。

「出来たよ!アカツキ!」

 硬い巨体に抱きついて、ひんやり冷たいミスリルボディに顔をすりよせる。


 ヒヒイロカネボディに魔宝石を埋め込んで、制御核を写す。

「どう?」

(素晴ラシイデス。魔法ノ練習ヲシテモイイデスカ?)

「勿論」


 アカツキが練習している間に、マナはもう一つ作ろうとしたが、呆気なく砕けた。

 奇跡的に一つ出来ただけなのか、それから何度挑戦しても砕けてしまう。

 成功率が低すぎる。まあ、こんな物がその辺にゴロゴロしてたら怖いけど。


 でもせめて、もう一つ位は欲しいな。替えが無いって不安だし。

 何かの拍子に壊れたら嫌だし。


 まあ、今日の所はいいや。

 その後は、アカツキと一緒に農作業して戻った。


「という訳で、ついに魔宝石が作れたので、アカツキも魔法が使えるようになったよ!」

「全くマナは…僕達以外にそんな事教えちゃだめだよ?」

「別に言ったりしないよ。アカツキだってミスリルボディ以外は見せるつもりないし」

 だからミスリルボディのアカツキにしか、従魔の腕輪は付けていない。まあ、このスライム状態のアカツキは、亜空間限定だし。


「アカツキも魔法を慣らしたいし、私とスカイもまだ銃をちゃんと扱えてないから、これから狩りに行くけど、みんなどうする?」

「まあ、これから活動する上でも戦力の確認は必要だから、僕は行くよ」


「母さんは、手巻き寿司?の材料を準備しているわね」

「にゃーは眠いにゃ」

「大丈夫?疲れているみたい」

「平気にゃ」

「そう?ならお留守番だね」

 マナは、アカツキの制御核をミスリルボディに移した。

「行こうか!」

 魔石も使い過ぎているからね。補充しておきたい。


 森に出たけど、アカツキの強さにただ驚くしかなかった。

 私の魔力を込めたから、全属性の魔法を扱えるし、熟練度も無視。加えて物理でも強いから、無双状態。

「…ちょっと自信なくなってきたかも」

「うん…素早さ以外欠点が見当たらないね」

「これ、乗れる方のアカツキにマナが乗ったら、僕達要らない?」

「要らないなんて言わないよ!みんな私にとっては必要なんだから、スカイもしょげないで」


「今さらだけど、サマルト様は何を考えてアカツキをマナに与えたんだろう?」

「アカツキに関しては、何も言ってこないんだよね。神様の考えてる事なんて分からないよ」

 それこそいつかの異常に強いワーウルフみたいなのが出たのか、それとも私に身の危険が迫っているのか。

「マナには僕達もいるし、マナも充分強くなってる。ただ不思議なのは、魔宝石が必要な状態で…つまりは欠けた状態でアカツキが与えられた事かな?」

「だよね。神様になら魔宝石を作る事も出来るだろうし…折角錬金術のスキルも取ったのに、活用してなかったから?」

「けど、魔宝石が無くてもアカツキは強い。別に魔宝石は必要なかったんじゃないの?」

 確かに。ただ収納庫も使えないのは不便だから、作ってあげたかっただけだ。


「まあいいじゃん?強い家族が増えて嬉しいよ。私は」

 もしかしたら、農作業のお手伝い位の感覚かもしれないし。


「銃の性能もいい感じだし、スカイはもっと当てられるように頑張ってね?」

「うん。弓も併せて頑張る」

 弓自体はダンジョン産のいいものだし、命中補正大の付与も付けてある。それと威力増強。矢は買った物だけど、安物は曲がってたりするから、いいものを買うように言ってあるし、自分で弓の手入れもしている。

 スカイはもっと自分に自信を持てばいいと思う。

「血抜きが終わったみたいだから、取れる素材は取らないと」

 ちなみにアカツキは細かい作業には向いていない。

 スカイもやっと解体に慣れてきた。


「ちゃっちゃと終わして帰ろう!今日は手巻き寿司だし!」

「それって魚だけ?」

「一応肉巻きも食べられるように言ってあるよ?」

「やった!」

 

 ツリーハウスに戻ると、具材が大きなお皿に綺麗に並べられていた。

 お寿司にお肉はどうかと思うけど、回転寿司には肉が乗っていたのもあるし、まあ、アリだろう。

 寝ていたユキを起こして、食卓を囲んだ。

「あんな紙みたいなの、どうやって食べるのかと思ってたけど、面白い食べ方だね。それに美味しい」

「だよね!他にもおにぎりに使ったり、色々出来るんだよ?それに味付け海苔の方は直接ご飯に巻いて食べると美味しいの!」

「またすぐにあのダンジョンに行く事になりそうだな」


「えへへ。そのうち海にも行ってみたいな」

「海の魔物は強いよ?水竜もいるし」

「それって美味しい?」

「えー…さあ?」

「あの時の巨大イカも美味しかったよね…寒くなる前に行きたいな」

「もう人には寒いと思うけど?」

「ちょっと位は平気だよ。どうしてもだめだったら、来年行けばいいし。それまでにみんなが泳げるようになってたら嬉しいな!」


 今年は依頼で忙しかったからな。ユキも人化すれば少しは平気だし、いっそのこと温水プールでも作ってみようかな?








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