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美味しいダンジョン 再び

 ホルアスダンジョンにやって来た。食べ物がメインのダンジョンなのに、やっぱり冒険者の数が多いのは、レア種のせいだけじゃないよね!


 19階層から行く所だけど、自然薯が欲しいので、まずは5階層へ。

 他の冒険者達は、芋掘りしている人は一人も見当たらない。

 ルビー母さんには、赤豆取りしてもらっている。

 そういえば、テングサも残り少なくなってたな…恥ずかしいけど、買わないと羊羹が作れない。

 芋掘りしてたら、目の前にタケマツがポップした。

 確か前回は7階層だった気がするけど…まあ、ラッキーだと思おう。

「マナ?もう充分採れたと思うけど」

「じゃあ、19階層に行こうか」

 19階層と聞いて周りの冒険者達が驚いているけど、強いのはオーガクィーン位だったよね?にがりはまだ残っているし、無問題。


 さて、19階層の食べ物もとい魔物は何かな?

とりあえず人の気配は感じないので、アカツキを出す。


 前方から何かが猛スピードで飛んで来たけど、アカツキが守ってくれた。ヒヒイロカネボディには、傷一つない。

 闇に潜んだそれらは再び攻撃を仕掛けてくるけど、マナは気配だけを頼りに短刀で切り裂いた。

 黒くてカサカサしたそれは、海苔だ!

 盾役になってくれるアカツキの後ろから、攻撃する。

 狭い通路ではルードの長剣は取り回しが悪い。私は、ルードに短剣を貸してあげた。

 弓も危ないので、スカイには魔法での支援をお願いしている。もう少し広ければ、銃も役に立つんだけどな。


 時折混ざる、少し手触りの違う海苔は、味付け海苔かな?看破してる暇が無いんだよね。何にせよ嬉しい。

 通路が狭いせいで、見通しが効かない。その狭い通路で縦横無尽に海苔が飛び回っている。

 森に住んでいるから、海苔は貴重品だ。海岸沿いの街に行けばたまに海苔を売っているお店もあるけど、数が少ない。

 ここは大量ゲットする所だね!


 階段がなかなか見つからない事もあって、海苔も随分集まった。

 海苔なんてポピュラーな食材が貴重品だなんて辛い所だけど、海にも魔物がいるから仕方ないんだよね。


 海苔が集まるのは嬉しいんだけど、階段はどこだろう?

「やっと見つけた。マナ、もう海苔はいいよね?」

「今日の所はこれ位で勘弁してあげるよ。次はボス部屋だよね?」


 階段を降りた先にある扉を開けると、中には色んな魔物が合体した、所謂キメラがいた。

「キメラは人工物じゃなかったの?」

「ダンジョンに常識は通じないよ」

 だね。

 マナは、キメラに向けて銃を撃つけど、再生能力があるようで、少し位の傷は物ともしない。

 素早く移動したキメラが、鋭い爪を振り下ろすが、アカツキが受け止める。

 マナは、アカツキに乗り込んだ。

 

 眷属達がほっとしたように見る。…別に攻撃が怖いから乗り込んだ訳じゃないんだけどな。

 そのままキメラに突っ込んでいって、至近距離からロケットパンチを放つ。

「グォ…」

 効いている。ダメージはちゃんと蓄積されるっぽい。

 

 スカイの放った雷が、キメラに直撃する。が、キメラはそのエネルギーを吸収し、蓄積してしまった。

 武器を通してビリビリが来るので、竜化したルードが爪で切り裂く。

 ルビー母さんの糸もちぎられるけど、すぐにはいかない。

 引き千切る前に、ルードの放ったブレスが、キメラを倒した。


 現れた宝箱に、アカツキから降りたマナが宝箱を開けると、指輪が入っていた。


 看破 癒しの指輪 付与 HP自動回復 サイズ自動調節


 HP自動回復か…私にはまだ付けられない付与だな。付与は結構使っているつもりだけど、まだ上があったんだね。


「私は加護があるから、ルビー母さんかユキが使ったら?」

「にゃーはいざとなったら精霊が助けてくれるからいいにゃ」

「そう?なら貰うわね」


 21階層は、山羊?

「うわ?!」

 ダンジョンの壁を利用して、立体的な動きを仕掛けてくる。

 でも、まだ甘い!

 しゃがんで蹴りを避けざまに、短刀を振るう。


 ドロップアイテムは、チーズか。


 看破 シェーブルチーズ サテュロスから採れた乳を加工した物


 すごく柔らかいチーズ。パンに塗って食べたい。

 

 山羊だからメーメーとかいう名前かと思ったら、格好いい名前。しかも強い。

 角も立派で顔つきも凶悪だったな。


「どうしたの?マナ」

「ん。山羊だからメーメーかと思った」

「ヤギ?は知らないけど、似た魔物でメーメーっていうのはいるよ?」

 

 いるんだ…。今は戦闘に集中しないと。結構強い魔物だからな。

 アカツキは、余裕で戦っている。腕を振るうだけで、魔物の頭が潰れる。

 攻撃を受けても傷一つ入らないし、アカツキは痛みも感じないから、無双状態。


 スカイとユキは、人化を解いて戦っている。あ!通路を進もうとしたルビー母さんの前に、炎の壁が吹き上がる。

「大丈夫?」

「何か踏んじゃったみたい。マナも気をつけて」


「もう夕ご飯の時間だし、そろそろやめておきましょうか」

 山羊のミルクやチーズも集まったし、今回はいいかな?


 


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