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エルフの国で

 エルフ達には、精霊が見えるそうだ。電飾人間姿をずっと見られていたなんて、恥ずかしい。まあでも、エルフの人達も皆さん電飾人間だし、ここでは普通…くっ。

 アイドルとかお笑い芸人になったらさぞかし目立つね。

 精霊視は、この街を出たら切っておこう。心の安寧の為にも。


 エルフの人達は、薬草作りがとても上手だ。マナも、きちんと道具を使ったやり方を習って実践した。

 最初は慣れなくて変な感じだったけど、スキルで無理やり作るより高品質な物ができるし、成功率も高い。

 覚えがいいって褒められたけど、私のスキルもそれなりのレベルだと思うし。


 町を色々見せてもらって、驚愕の存在を発見してしまった。牛だ。牛がいる。しかもちゃんと乳牛だ。

 結界碑の中に魔物が入れるなんて驚きだけど、その牛、モーモーはそれほど強い魔物ではなく、上位精霊が祝福を与えているから、特別って訳なのか。

 町でも交易の主力商品が、チーズだって言っていた。

 モーモーも、コッコみたいに数が増えれば流通するのに。


 テイムスキルがなかなか取れないのもちょっと問題かな?

 テイムも、下位互換的な比較的簡単に取れるスキルがあればいいのにな。

 手を伸ばして鼻の上を撫でたら、ベロッとなめられた。…あう。顔がヨダレでべちゃべちゃだよ…。

 クリーンで綺麗にしたら、隣にいたユキがなめてきた。

「どうしたの?」

 舌がザラっとして、痛気持ちいい。

「…美味しいにゃ」

 げ!食べられる?…ないって。そもそも眷属なんだから、魔力欲しいならパスを通して摂取すれば済む事だ。

「もう、脅かさないでよ、ユキ」

 そして後ろの二人も、羨ましそうな目で見ないでよ。というか、物欲しそう?


 こら、私は獲物じゃないぞ!私じゃオークの半分もないからね!

 魔力操作で魔力を指先に集めてなめてみた。…美味しくない。

「スカイ、つっつかないで。あ!こらルード!何するの」

 指先に集まった魔力をなめられた。

「美味しいのかなと思って。味はしないね」

「当たり前でしょ!人を食料品扱いしないでよ!」

「うにゃ、ごめんなさいにゃ」


「味を感じるのは精霊だけなのかな?」

「言っとくけど、ルードも精霊にとっては食料品扱いなんだからね?」

「でもルードより、マニャの方が美味しいにゃ!」

 こらユキ、怖い事いうんじゃありません。

 実害はないけど、微妙な気分だ。


「これだけの魔物をテイムするのは大変じゃありません?」

「いいえ!種族的にも魔力が多いですし、ワイバーンはともかく、モーモー位ならテイムも楽ですよ?マナ様も試されてみては?」

「従魔にするつもりはありませんが、少し試したいですね」

「なら、この子を。契約者は私なので」

 えー?簡単にパスがつながった。けど、仮契約だから名前は付けずにパスを切った。


 やっぱり、特殊な個体と契約を結ぶのは大変なんだな…。

 いや、眷属化したのも進化したのも嬉しい事なんだけどさ。強くなったし。


 この町は、いい所だよね。エルフの人達はみんないい人だし、時間までもがゆっくりと流れている気がする。

 結界碑に守られて安全だし、何で人数が増えないかが不思議だ。

 この町の他には、二つ程小さな集落があるだけと言うからびっくりだ。

 

 国土も小さいけど、土地はまだまだ余っている。

 最後に生まれた子供が200年位前というからびっくりだ。増やす事に切羽詰まってないのは長生き種族だからかもしれないな。


「居心地いいからつい長居しそうだけど、ルビーもいるし、そろそろトラス皇国にも行かないとね」

 そうだよね。そもそも依頼を受けたから来たんだし。


 ちょっとだけ気が重いな。


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