アカツキの心は…?
アカツキのボディには、素早さ増加 特大と、クリーンを付けた。
ただ、ちょっと問題が。いきなりすごく素早さが増したので、自分で体の感覚を覚え直さないといけない。
ただ、本人的には満足しているみたいだ。
今は改造中のボディにも、同じ付与を付けてあげよう。
今のボディは、ミスリルの表面を赤っぽくしただけだけど、ヒヒイロカネの色は出せていない。見る人が見れば、ただのミスリルだと、すぐに分かってしまうだろう。
ルードなんかは、却って伝説の金属だとばれないでいいって言ってた。ヒヒイロカネって、伝説の金属なんだ。なら、ヒヒイロカネの表面にミスリルをコーティングした方がいいかもしれないな。
アカツキが狙われたら嫌だもんね。
ミスリルの融点てどれ位かな?
魔石の結合についても調べてみた。高位の錬金術師しか作る事の出来ない物で、魔晶石と呼ばれる。
使用目的は宮廷魔術師等の高位魔道師が持つ杖の先端に付いている物で、魔力の制御、放出を容易にしてくれる。詠唱待機等も容易くできるようになるとか。
その更に上の魔宝石というのは、人を転移させる程の魔力を集める事が出来るとか。
それって異世界転移?…まさか。前に聞いた人を転移させる魔道具で、王様とかが使うような物だよね?
アカツキが言ってたのはこれっぽいな。金属の錬成レベルは高い方だと思うけど、魔石は何が違うんだろう?
結構な量の魔石をダメにしてしまったけど、練習で使うなら、ゴブリンとかのクズ魔石を使った方がいいよね。
とりあえず、紐の長いマジックバッグを作ってみた。
これはそこまで難しくなかった。普通の布でも空間拡張の付与が付けられたからだけど、重量軽減の付与は付けられなかった。まあ、アカツキが使うなら、問題ない。
農園の仕事も、アカツキは随分覚えてくれた。ただ、私と一緒にしか入れない。
まあ、それは当然だけど。けど、アカツキが農作業をしてくれるお陰で、私は研究に没頭出来るようになった。
前はスカイの為にマジックポーションを作っていた事を思い出して、作ってみた。…?前より作りやすい?魔石を幾つも砕いてしまったけど、それなりに役に立っていたのかも?
同じ錬金術のカテゴリーだからかな?
マジックバッグもすんなり作れたのは、そういう事かも。
(スミマセン、主)
鉱石を採りに行ってくれていたアカツキが、破れてしまったマジックバックを見せる。
「こっちこそごめん。せめて魔物の皮で作るべきだったよね?」
オリハルコンは重いから、仕方ない。
今度、ワーウルフでも狩ってこよう。どうせならもふもふ手触りのバックがいいしね。
(主、モフモフガ良イノデスカ?)
「うん…まあ」
アカツキは、ユキやスカイと戯れている姿も見ているから、そんな風に考えてくれたんだと思うけど…。
(モフモフノ体モ作ッテ下サイ。オ役二立チタイデス)
「アカツキは優しいね。うん。少し考えてみる」
とはいえ、それは難しい。ただの綿では動く事が出来ない。
金属にもふもふを貼り付けただけだと、硬いから、もふもふにならないし。暖かくて、柔らかくて、動ける体…肉付けてもしょうがないし。ルビー母さんの糸で人形作っても、もふもふにはならないし。
眷属達にもアイデア出して貰おうかな?
でもアカツキがもふもふになって、私が喜んでいたら、ユキとスカイは確実に拗ねるよね…今は研究中だからって眷属達には納得してもらっているのに、脱線したら駄目だよね。
「もふもふは少し待ってね。思いつかないし、眷属達の気持ちもあるし」
(私ハ、オ役二タテマセンカ)
「私だけじゃなくて、仲間の気持ちも考えて欲しいな」
(私ハ、主ノ役二立ツタメニ存在シテイルノデス)
制御核の問題か。
「私は、アカツキを仲間だと思っている。みんなも一緒だと思う。だからアカツキも、みんなの役に立って。戦いの時はうまく連携出来ていたと思うよ?」
(効率ヨク魔物ヲ狩ル事ヲ考エテマシタ)
「とにかく、私はアカツキにも仲間としてみんなと仲良くして欲しい」
(ナカヨク…理解不能)
心があるように思えたのは、単にそうプログラミングされていただけ?!…そんな…ううん。アカツキはまだ生まれたての赤ちゃんと一緒なんだよ。精神が未発達なだけ。
だって嬉しいって気持ちは伝わるんだから、アカツキにも心はある。アカツキは単なる物じゃない。
そう…信じたいな。




