湖内ダンジョン 2
アサリもたくさん採れたし、次を目指そう。
20階層のボスは、オーガ一家だ。私に以前大怪我をさせたオーガクイーンもいる。キングもいるけど、クイーンよりも弱い気がする。
クイーンも倒そうとしたけど、眷属達が近づけさせてくれなかった。私だって、あの時より強くなってるし、あんなヘマはもうしない。というか、まだ覚えていたんだな。
もう1年以上経つのに。
宝箱には、釣り竿が入っていた。というか、宝箱の方が価値があると思う。釣り竿が入る為だと思うけど、空間拡張の付与が付いている。
ソーニャに会えたらあげようかな?行商人だから、役に立つだろう。
だけど、このままじゃ精々箱の倍位かな。あとで空間拡張大に書き換えてあげよう。
21階層では、スカイが大喜びしていた。金鉱石が採取できたからだ。そして、ここに出るグリーンアリゲーターを倒すと、極たまに翡翠を落とす。
私は肉の方が嬉しいけど、スカイはここに住むなんて言い出さないだろうか?
「さて、次に行くか」
「ええっ!もう少しここに居ようよ。マナだって肉が採れるから嬉しいよね?」
「うーん。金鉱石なら私の収納庫の中の使ったら?というか、失敗作をまたインゴットにして作り直すとか」
「銀鉱石も沢山集めたんだろ?いくら種族が変わって容量が増えてもゴミだらけなら、役に立たないじゃないか。というか、マナが集めた鉱石を使わせてもらっているなんて、ずるい」
「それがスカイの趣味だから。ルードは何も要求しないから、仕方ないじゃない」
「スカイは、マナに特別扱いされすぎだ。同じ眷属なのに」
あらら。大きな子が拗ねちゃった。でも、してあげる事が少ないのも事実だ。
ルビー母さんには料理を教えたり、一緒に料理したりしてるし、ユキとはたまに遊んであげてるし、一応ルードともたまに一緒に寝てるんだけど、ベッドの方が寝心地がいいから、ついベッドで寝ちゃう。
たまにルードも淋しがって人化して入って来るけど、もふもふに挟まれて寝るのが好きな私に遠慮しているみたいだ。
「なら、今度一緒に釣りする?」
「うん。それでいい」
?何か本当の希望があった気がするけど、釣りでもいいって事っぽい。
はっきり言えばいいのに。パスが繋がっていても、完全に察するのは難しい。
切りのいいところで次に進んだ。
22階層は、犬と鳥が合体したみたいな、変な魔物がいた。
顔とか体は犬で、羽根が生えてて足も鉤爪だ。
「何かキモい」
「バードッグだよ。確か人気のある種族だと思ったけど、マナは嫌?」
いや、犬なのか鳥なのかはっきりしてほしいだけ。
「バードッグのシバとポメだから、そんなに強くはないけど気をつけて」
へ?そんな種類なの?…どこまでバッタもんみたいなのがいるんだか。
まあ、噛みつこうと上から飛んで襲ってくるんだから、もちろん戦うけどさ。
この場合、肉がドロップされたら犬肉?鳥肉?
どちらにせよ食べたくはないな。
ドロップアイテムは…骨?って、要らんわ!
あ、眉毛犬…コーギーかな?いろんな意味で怖い。
さっさと下り階段見つけよう。
23階層は、魚でちょっと安心した。しかも通り道が出来ている。
ただ、通路に足を踏み出すと、まるで罠のように、魚が左右から飛び出してくる。
これはソードフィッシュだね。しかも逃げ場がない。
けど大丈夫。魔力糸で全て絡め取って、魔法を流して糸が消える前に、ドロップアイテムの切り身を全てゲットする。
労せずして大量の白身魚をゲットして、張り切って次に進む。
24階層は、シーイールだ。飛べないユキとルビー母さんを影に入れて、水面から顔を出した奴を魔法で狙い打つ。
竜に戻ったルードには狭そうだけど、シーイールは危険だから、我慢してもらう。
美味しいから大量ゲットするけどさ。
次は25階層から進めるようにして、そろそろ戻ろう。約束の一ヶ月が過ぎちゃうし、巨大なドクニジマスは邪魔。




