依頼終了とダンジョン発見
スカイはダンジョンでレベル上げを頑張っているようだ。
最初は真面目に肉集めをしていたが、そのうちレベル上げが始まって、16階層で止まった。実にスカイらしい。
16階層は、銀鉱石が採掘できるからだ。
私は銀よりも付与の多さからミスリルを使うけど、スカイの為に銀鉱石とか金鉱石も収納庫に入れている。でも、微妙に残すんだよね。
自分で集めたなら、遠慮なく使うだろう。種族が変わって収納庫も亜空間も容量が増えたみたいだけど、これでまた、ガラクタコレクションが増えるんだろうな。
私達は、相変わらず釣りだけど、ユキは早々に飽きて、私の膝にもたれて昼寝している。ルビー母さんも手仕事してる。
微妙に体の大きくなったルードの為に、服、その他諸々作っている。
釣りにはまったのはルードで、大物が釣れると、喜んでいる。
ただ、毒を持ってる魚なんかもいるから、注意が必要。
ドクニジマスなんて大きな魚がいて、ルードには多少の毒は効かないから、自分の収納庫に保管している。毒がピリピリして美味しいらしい。
今日は、湖の中央にある小島に行く予定。切り立った崖に囲まれていて、島に入るのは困難に見えるけど、私達には関係ない。
命綱なしのロッククライミングで、みんなでひょいひょいと登っていく。
調査とはいえ、そんな大きな魔物が住んでいるとは思えないけど、念の為だ。
「島っていうより、私的には下が気になるけど?」
「下?湖の中って事?」
「んー、何か普通の地面と違う気がする。ちょっと調査に行ってみる」
「ああ、結界内に入って重力魔法で沈むのか」
「うん。ルビー母さんとユキは、影に入って?ルードはどうする?」
「マナの結界内に入れて」
結界内からなら、外の様子をそのまま見る事ができる。影に入っちゃうと、主の目を通して情報が入る。
魔法で飛び込むと、船頭さんは驚いていたみたいだけど、そのまま待機している。
湖内に沈んですぐ、岩肌に大きな穴が開いている事に気がついた。
大きなドクニジマス?いや、進化系だね。
「うわ、釣りたかったなー」
「呑気な事言ってないで、来るよ!」
槍で突き刺そうとするけど、鱗で滑る。
マナはオリハルコンで作り変えた短刀に変え、噛みついてこようとするドクニジマスにとどめをさす。
ルードはと言えば、水中は苦手なのか、泳ぐのに手間取っている。
(マナ、影に入れて)
妥当だね。ルードにも苦手があったとは。ドクニジマスを収納庫にしまい、ルードを影に入れた。
通路は長く、奥に続いている。
「ここってもしかして、ダンジョンかな?」
「多分。未発見のダンジョンじゃないかな?奴にとってはいい餌場だったのかも」
まあ、他の魚が通り過ぎたらすぐに食べられるだろうし。
「船頭さんには、先に帰ってもらうように言ってくるよ。そしたらスカイも呼んでダンジョン入ろう?」
「そうだね」
まさかここに来てダンジョン発見出来るなんて、思っても見なかった。
マナは船に戻り、船頭さんにでっかいドクニジマスを倒した事を話した。普通は大きくても1メートル位しかないのに、これはその10倍はある。
それと、ダンジョンらしき物を発見したので、攻略したいから、先に帰ってもらうように言った。
驚いた船頭さんが、先にギルドに報告してほしいと言ったけど、断った。
それと、ダンジョンに入るなら、呼吸を補助するような何かがないと難しいと話した。
入り口はすぐに発見出来るけど、そこからが長いのだ。
泳ぎ切って中に入れば普通のダンジョンだけど、そこまでが大変だ。
とりあえず、亜空間を開いて、一休みした。そしてスカイを呼んで、ダンジョン攻略の話をした。
(僕もダンジョン攻略してたけど、みんなと一緒の方がいいな)
「未発見だから、攻略しがいがあるよね!」
(きらきらがあると嬉しいな)
「パルタの町ダンジョンでも銀いっぱい採ったんじゃないの?」
(何で分かったの!)
「あのさ、眷属のスカイが私の収納庫の空間把握出来るんだから、逆もできるでしょ?」
(そうだよね)
だから、亜空間に棚を作ってガラクタを並べているのも知ってるのさ。
まあ、今日の所はジンギスカンでもして、明日からはダンジョン攻略だ!




