表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/242

ルードと、オリハルコンの剣

 朝起きたらスマホがフリーズしてて、再起動したらコピーしておいたデータがなくなっていて、泣く泣く書き直しました。

 トレント退治の為に、魔鋼で斧を作った。何故ミスリルで作らないのかというと、重さも必要だからだ。数は三本。ユキはこういう力仕事は向かないので、ミスリルで、片手斧だけ作った。

 トレントは、炎が弱点だから、ユキには魔法で援護してもらうつもりだし、スカイも活躍できるだろう。

 

 マナは、長らく放置してあったオリハルコンを見て、ため息をつく。

 オリハルコンの錬成は難しく、魔力もがっつり持って行かれるので、インゴットも二つしか作っていない。

 希少金属で武器にしたら間違いなく戦闘力が上がるだろうけど、重い。


 鉱石だけはたくさん採ったので、これでルードの長剣を作ろうと思った。

 錬成と合成を繰り返して、魔力がなくなったら、海岸まで降りてぼーっと海を眺める。魔力自体は、神速自動回復なのであっという間に回復しちゃうけど、それを繰り返していたら、頭がくらくらしてきた。


 魔素不足の症状だ。

 魔力は回復しても、魔素は別物らしい。けど、成形までは終わったので、あとはシェービングで研げば完成だ。

 付与は後でにしよう。


 入った時と同じ亜空間のソファーに現れたマナは、そのまま横になる。

「マナ!何があった?」

 ルードが、亜空間に入ってきた。…ああ、そうか。みんなにしてみれば、私がいきなり魔素不足の状態で現れたから、驚いたんだな。

「鍛冶仕事で魔力を目一杯使って、回復したらまた使ってを繰り返していたら、辛くなった」

(マナ、大丈夫?お昼ご飯は食べられる?)

(平気。心配かけてごめんね)

 ルビー母さんが持って来てくれたのは、かに玉だ。


 大盛りのお皿を二つと、私用の小さめサイズをテーブルに並べる。

 もふもふコンビは狩りに行っているのか、少し気配が遠い。

 ルードに魔素水をもらって、かに玉を食べる。たくさん採った蟹もあと少ししかないけど、残りは…蟹入り茶碗蒸しとかいいかな?

「美味しい!ルビー母さん、また腕を上げたね!」

「ふふっ、マナが喜んでくれて、嬉しいわ」

 ルードはしっかりお替わりしている。


「ね、ルビー母さんは子供がいた時はないの?」

「キラースパイダーの頃に何度か卵産んだわね。でも子育ては初めてね。今は四人も子供がいて楽しいわ!」

「ええっ!僕も?」

 ほえー。私から見れば、60歳も、90歳も変わらない位大人だけど、確かにルードは子供っぽい所あるよね。


(マナ!…あ、よかった)

「うにゃっ、いつものマニャにゃ」

「心配かけてごめんね。二人とも。急いで来てくれたの?スカイの亜空間移動使えば早かったんじゃない?」

(…あ!)

「うにゃ…その手があったにゃ。にゃーは時空魔法使えないから忘れてたにゃ」

 まあ、スカイが自分の能力なのに忘れているのはある意味お約束だけど。

「私は単に魔力を使い過ぎただけだよ。二人は何してたの?」

「訓練にゃ!空を飛んで逃げるスカイを捕まえるにゃ!」

(逃げ足だけは速くなるかも…はぁ)

 うん。いい訓練になるね。楽しそう。

「マニャが無事ならスカイ、続きをやるにゃ!」

(えー!また僕、追いかけられるの?)


 二人共走って行ってしまった。

「マナ?今日はもう無理しちゃだめだよ?」

「うん。のんびりしてるよ」


「鍛冶って、そんなに魔力を使う物なの?」

「金属によってかな?」

 マナは、収納庫からオリハルコンの鉱石を出して錬成してみせる。

「凄い…これってオリハルコン?」

「そうだよ。ちょっとはコツをつかんできたから、随分ましになったけど。最初の頃は鉄でさえ苦労してたんだよ」


「鍛冶って、炉は使わないの?」

「成形する時には使うよ?とは言ってもオート作成だから、実際に鎚を振るったりはしないけどね」

「僕も鍛冶には詳しくないけど、そんな方法で出来るの?」

「一般的なやり方とは違うと思う。ゲームだし。不純物を除いたりするのは錬金術と同じやり方だし」

「へえ」

「スカイもガラクタ…じゃなくて、きらきらを作る時には魔法のみでやっているし」


「僕も前にマナにミスリルの長剣を作ってもらった事があったけど、あの時は消耗しているようには見えなかったよね?」

「ミスリルは、たくさん先にインゴットにしておいたから。成形にはそんなに魔力は使わないんだよ」

「とりあえず今日は、スマホの中に入るのはだめだよ」

「うん。今日は小説読んで過ごそうかな」


 途中で眠ってしまったのか、ベッドの上にいた。

 しっかり回復したのか、ふらつく感じはない。

 時間を見ると、もう夕方のようだ。


 マナは収納庫からオリハルコンの長剣を出した。少し考えて、付与をする前に、木材を取り出した。

 長剣を振るうと、あっさりと真っ二つになった。

 これじゃ参考にならない。まあ、オリハルコンがそれだけ優秀って事だよね。

 マナには重すぎる長剣でも、馬鹿力のルードになら全然問題ないだろう。

 私もオリハルコンで短剣作ってみようかな?


 付与は、斬撃強化特大と、自動修復、クリーンだ。それでもまだ容量が余っている。それだけオリハルコンが優秀って事だよね。

(ルード、今大丈夫?)


 ルードはすぐに来てくれた。

「!これ…僕に?」

「ルードしか長剣スキル持ってないでしょう?私には重すぎるし」

「ありがとう!マナ!無理してまで作ってくれたのが僕の物だったなんて!」

 ルードは、小さい子にするみたいに、マナを高い高いする。そしてそのままぎゅっと抱きしめた。

 子供みたいにはしゃぐルードを、マナはふと、愛おしく感じて、頭を撫でる。抱っこされているのは自分だけど、自分に子供が出来たらこんな気持ちになるのかな、と感じた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 研ぐ事をシェービングって書いてますけど、それだと(ムダ毛等を)剃るになります 研ぐは、シャープニングです もし、砥石の事を指しているのなら砥石はシャープナーです ちなみに床屋さんがカミソリ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ