3歳
3歳になった。キッチン周りだけ、母さんと一緒に降りていい事になった。料理を教えるのは私だから、仕方ない。
けど魔物は、母さんの姿を見ると勝手に逃げていく。
(マナ!聞こえる?)
少年っぽいかん高い声が聞こえた。
(もしかしてスカイ?念話を覚えたの?)
(そうだよ!やっとマナと通じた。っていうかマナ、どうして普通にアルケニーといられるの?デススパイダーの時でさえ感心してたのに)
(どうしてって、お母さんだから?)
(マナは人族でしょ!デススパイダーもだけど、アルケニーはレア種族で、物凄く強いんだよ!)
私に聞かれても…。
(赤ちゃんの時から一緒で、育ててもらったから分からないよ。折角念話覚えたんだから、ルビーに直接聞いたら?)
(む、無理だよ…。僕、たまに非常食扱いじゃないかと本気で思うもん)
(そんなことないよ。立場は違っても同じ私の従魔なんだから、仲良くして欲しいな)
(えええ…)
(そういえばスカイは鷹の仲間なの?)
(タカ?サンダーホークだよ)
(ええと、今以上に大きくなるのかなって)
今はキジバト位の大きさだ。
(僕はもう大人だよ?人族みたいに時間をかけてゆっくり大きくなる訳じゃないし)
そっか。地球でも猫は1年で大人だしね。
(あら?スカイ、念話を覚えたの?)
料理を持ったまま、ルビー母さんが器用に木を登ってくる。
(!う…うん)
(スカイは、ルビー母さんが怖いって)
(失礼ね。進化したばかりでも、小鳥を食べなきゃならない程弱くないわよ)
(…は、はい)
(むしろ念話を覚えたんだから、危なくなったら私を呼ぶのよ?あなたがいなくなったら、マナが悲しむから)
(ほら、スカイ。大丈夫でしょ?)
(うん…)
(しっかりしなさい!あなたにマナを守ってもらう事もあるかも知れないんだから)
…あるのだろうか?むしろスカイはもふもふで、癒し系担当だから、別に役に立たなくてもいい。
今日は釣りを中心に進める事にした。ルビー母さんもスカイも、魚なら喜んで食べてくれるから。
収納庫に入れておけば腐らないしね。
釣りの腕前も上がった気がする。竿を新しくしたおかげもあるけど、かかれば大体釣り上げられる。
そうなると、釣りも楽しい。
何故餌無しで釣れるのかとか、海岸でマグロが釣れるのかとか、突っ込んではいけない。ゲームだからだ。
マグロはレア魚なのでなかなか釣れないが、幸運一万超えの、これが実力だ!
種籾は値段が高いけど、次の日には出来ているので、精米したら売ってもいい。
あとはレシピ通りに料理を作れば、それなりに高い値段で買い取ってくれる。
今は鍋でご飯を炊いているけど、炊飯器が欲しい。
それとお風呂。クリーンで綺麗にはなるけど、やっぱりゆっくりお風呂に浸かりたい。魔道具で作れないかな?
けど、問題は外側か。プラスチックもFRPもないから、何で作ったらいいか分からない。
最悪炊飯器は据え置きタイプで持ち運びしないようにするしかない。
お風呂は錆びが怖いから、鉄は無理。錆び止め加工するにも、鉄製じゃ付与が付けられるかが心配だし、うーん?
ルビー母さんも入るかな?だとしたら、かなり大きな風呂釜が必要だ。
おっと、考え事をしていたら、魚を逃がしてしまった。
問題は、重量。釜だけでかなりの重さになったら、ツリーハウスでは絶対に無理。そうなると下しかないけど、まあ、最悪は木を組み合わせて作るしかないかな?




