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序章
そこの君。そんなに切羽詰まった顔して今から何処へ行くんだい?……北の森?北の森に行ってはいけないよ。あそこに入ってしまえば、生きて森から出ることはできないからね。
昼でも森の中は暗く、夜になればもっと暗くなる。暗い場所にはバケモノがいて、人を食い殺しちゃうんだ。君だって食い殺されるのは嫌だろう?
それを知っていても君は行くのかい?…そうか、大切な人が待っているのか。それじゃあ止めても無駄だね。
仕方ない。生憎僕は困った人を見捨てておけない性分でね。1つだけ、君にとっておきのアドバイスをあげよう。
もし何かヤバいことが起こったら、「記憶屋」という所を探すといい。あそこだけは絶対安心な領域だから。
…あぁ、それともう1つ。困ったときは
-自分にとっての光を見つけてー。