プロローグ
第零話|
最初に死んだのは何年前だっただろうか。
その頃は俺も普通に働いて資本主義の奴隷のような人生だった。
「最後に家帰ったのいつだっけ」
俺は就活に失敗した。会社には入れたが明らかに労働基準法を守っていないようなブラック企業に務めてしまったのだ。
この時、既に3日ほど働き続けいた。
(帰ってHOI6やりてぇ)
今日でようやく家に帰れるので帰った後の予定を考えつつ仕事に励んだ。
家に帰った後は倒れるようにベットに入った。
ブラック企業ではあるが給料は悪くは無く都会のまあまあ良いマンションに住んでいた。
朝、出勤ついでに朝食を買いにコンビニへ寄った。
この辺りは人通りも多く都心に近かった。
しかしなんだか外人が多いな。
妙に外人が多いと不審感を覚える。そしてそれは突然訪れた。近くの外人が突然叫びだしたのだ。
「アッラーア〇バル」
その直後激しい爆発音がした。
痛い
全身に痛みを感じた。
なんだこれ、どうなっている痛いぞ、全身が痛い、誰が助けてくれ、何も見えない 意識が無くなってゆく
あぁ死ぬのか俺。
自分が死ぬという事が不思議と理解できた。
大して未練もないしこれでもいいか。
『君は本当に未練が無いのかい?』
突然声が聞こえた死ぬ前の幻聴かなんかだろう。
そういや未練一個だけあったな。
このクソみたいな資本主義社会に一矢向いたい。だいたい俺がこんな辛い思いをしているのも社会のせいだ。英米のせいなんだよ!
『なるほど。やはり君が一番適任みたいだね、よし君に決めた。』
何の話だ。訳が分からん。というかなんで俺こんな瀕死の状態で長生きしてんだ。
『君はもう死んでるよ。君は魂になったんだ。そして僕がいま君を歴史の改編者に選んだ。拒否権はないよ。君には歴史を変えてもらう。君は長い旅に出るんだ。』
ナニヲイッテルノカナー。意味が分からないなー。これもしかしてよくあるラノベ展開的な転生とかなのかなー。
『それでは頑張って行ってきたまえ』
目の前が、真っ白になった。
視界が戻った。目がしっかりと機能している。ものすごく焦げ臭い。
ガスの臭いがする。どこだここ。
目渡せば一面焼け野原だった。
そこら中で激しい爆発音が聞こえる。
「カール大丈夫か!」
カール?誰だそれ。
「ここはどこなんですか?」
現状が全く分からない。現状把握が出来ない。
「さっきの砲撃で頭がイカれたか?
ここはマジノ線だ。ルクセンブルクの。国防軍の西部前線だよ。しっかりしろ二等兵!」
マジノ線…二次大戦か。
「速く逃げろ砲弾がくるぞ」
ドォン
爆発音が聞こえた。
耳鳴りがする。早く逃げなくては。
あれ脚が動かない。
また痛みがきた。まじで痛い。
意識が薄れる。くそ、まだ転生して一分くらいしかたってねぇぞ。
目の前が真っ暗になった。