裏切り
レヴィアは笑う
高らかに笑う
「これで邪魔者はいなくなったよ……?さぁ、愛し合おうよ」
レヴィアはニタニタと笑う
「さぁ……クロ?最後の罪を……」
アルスは呟くと、気を失う
「アルス!死ぬな!ゲートッ!」
クロノスはゲートを開くとサーシャが歩いてくる
「アルス……?」
「サーシャ、アルスを頼む!」
クロノスはタラリアに触れると、空へ飛びあがる
「どうしてサーシャを!」
「邪魔だから?それ以外に意味はないよ?」
「仲間だろ?」
「それが?」
「え……?」
「クロちゃんとレヴィの邪魔をする奴は皆殺すよ?」
レヴィアはため息をつく
「そのためには、アルスがアカシックレコードを使ってくれないとね……あの技は使ってから暫く使えないしね」
「どういう……ことだ?」
クロノスは歯を食いしばりながら、レヴィアを睨む
「簡単なことだよ?クロちゃんは私の『モノ』でしょ?手を出す『ヤツ』が悪いんだよ?」
「仲間じゃないのか!?」
レヴィアは虚ろな眼で静かに流れる雲を見ると、大きく目を見開きクロノスを見る
「仲間?ダレとダレが?くだらない『そうじゃない』。この世界はクロちゃんとレヴィの『違うっ!皆が……』為だけに存在する箱庭『世界はこんなにも綺麗で』。クロちゃんはレヴィだけを見てればいいんだよ?『違う……』」
耳に……頭に……
声が流れ込む
「レヴィア!お前は---」
「さぁ、いこ?」
『お願い、助けて』
レヴィアは見開かれた瞳から、涙を零し
笑う。
---ブチッ
クロノスの口から赤い雫が流れる
「あぁ、迎えに行くよ」
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古城の1室。
とても黴臭く、本に囲まれた部屋に飾られた玉座
肘をつく腕、組まれた足からは白い布きれが靡く。
鈍い銀色のローブを纏った者はページをめくる
---かくして、永きに渡る戦いは幕を閉じ、『私』は最後の罪を侵すことにする。
簡単にだが、方法を記す。
術者の鳥籠を敷き詰めた綿に乗せ、血と黒鉛を交えた液体で陣を成す。
鳥籠には、マンドラゴラの心臓、精霊樹の枝、鬼の羽衣、聖杯を入れる。
陣の上から王の寵愛と魔力の籠もったローブを吊す。
そして、詠唱を始める。
得体の知れない化け物の声や、獣が捕食をする音が聞こえる。
3日3晩、この気が狂いそうな光景が光とともに消え去ると、陣の中心にローブが落ちる。
『彼女』は筆を置き、小さな命をすくい上げる。
「こんな愛し方しか出来ずに……」
『彼女』は涙を流し、許しを請い続けた。
安らかな笑顔を浮かべる『小さな罪』に
本は静かに閉じられ、そっと机に置かれた。
誰もいなくなった部屋には高らかな笑い声と赤い水溜まりが残る。
そして、魔王は狂気と踊る。




