表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
七聖の王と悪戯好きな魔王  作者: 秋野 紅葉
七聖の王と滅ぼされた魔王
5/71

プロローグ~オルフェ~

森の中で寝息をたてる少女。

木の幹にもたれかかり、寝ている彼女の右手にリスが乗った時目を覚ました。

「ありがとう。起こしてくれたのね」


そう言いながら胸元のポケットから木の実を取り出して食べさせる。

まるで絵画の様な光景——


彼女の名前は『サーシャ・ドラコニル』エルフが生活する森、詩の国『オルフェ』の聖王だ。身長は160程、折れてしまいそうなほど華奢な体つきは彫刻のようだ。胸元まであるピンク色の髪、赤と緑のオッドアイ、黒のワンピースが彼女の幻想に近い美しさを引き立てている。

ぼーっとしている彼女だが、1度戦場に出ると『激昂の悪魔』だったり『戦慄のサーシャ』と呼ばれている。『音色』に関わる魔法『旋律魔法』の数少ない使い手である。


「そろそろいくわ」

そう言うと彼女はタクトを鞄から取り出し一振りした

心地いい音とともに虹色のカーテンの様なものが空に浮かぶ

それをタクトでたぐりよせ、まるで魔法の絨毯のようにそれに乗ると空高く舞い上がった。


「今日も良い天気……」


髪をなびかせながら広大な森の街を見下ろす。

鞄から今度はフルートを取り出し吹いた。

甘い音色が流れ出す。

街を空から七色のビロードが包み込み、街からは歓喜の声が上がる


ふと、西の海を見ると大きな海竜が詠唱を始めている。

魔物でも上位のものとなると魔法を駆使できるのだ。

それを見るなりサーシャの髪がざわざわと浮き上がる


海竜が吠えると共に大きな無数の氷柱が飛ぶ

これは氷の下位魔法——

「アイスエッジ……ねぇ」


タクトを一振りすると氷柱は止まり落下した

すると、タクトで円を描きその中からヴァイオリンを取り出し

一息ついた後に——


「てめぇ!誰の国に手を出そうとしたかわかってんのか!?あぁん!?」


彼女は叫んだ後に高笑いをしながらヴァイオリンを奏でた


「下位魔法しか使えない下等生物にはこれがお似合いだよっ!」


そう叫ぶと同時に演奏を止める

すると、海竜の上に大穴が開き振動の刃が降り注ぐ


旋律下位魔法『ノイズエッジ』

音の刃を亜空間から召喚する魔法だ。


音にも鳴らない海竜の叫びと肉片だけが海に残った


「カカッ、海の神でも貴様の様なゴミは食えねぇってよ」


そういうと彼女はまた音のカーテンに舞い乗り

静かにほほ笑みながら街へと戻っていった





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ