眠り姫
彼女は妹が大好きだ
可愛くて元気で愛想がいい
対して自分は
内気で不愛想で素直じゃない
彼女はアスティア帝国の貴族
ベアウッド家の長女
名はベルフェ・ベアウッド
家宝とされていた治癒の杖を
ベアウッド家が誇る魔法学を継ぐことで手に入れた
ずっと欲しかった
嫌いな勉強も黙々とこなした
理由は
元気すぎる妹がよく怪我をして帰ってくるからだ
叱ればいいのかもしれない
でも、素直な妹は僕の言うことを聞くだろう
悲しそうにしながら
そんな見たくないものを見るくらいなら
自由にさせよう
怪我は僕が治そう
妹の為なら悪にでもなれる
気づけば妹とは喧嘩ばかりになっていた
素直な妹に捻じ曲がった僕を理解してもらうのは難しい
そして落日を迎える
妹は街を助けろという
僕が行ったら妹も来てしまうだろう
怪我でもしたらどうする
歯を食いしばって我慢した
妹が出て行ってしまった
素直に怪我をさせたくないから
行かせたくないから
待っててくれるなら
僕が行く
そう言えていれば
悔みながらも後を追い
空から降り注ぐ魔法を無力化し
街を救った
妹の行動力と優しさを
その時に強く感じた
この子が王になれば
民も妹も幸せになれるのではないか?
だが、魔法学で結果を残し
数多の魔法の使い手である
僕を民は支持した
そして、リオスの姫が聖王軍に誘いに来た
王になれとも言われたので条件を出す
妹と二人でなら両方のむと
そして僕は悪態の限りをつく
怠け者の烙印を押されてまで
王の座から蹴落とされるために
本当の自分は眠らせておけばいい
そう、僕は眠り姫でいよう




