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何で、こうなるの  作者: 12海里
舞踏会、そして対面
5/6

ずっと、

翌日朝早く。

私は馬車で揺られ、遠ざかってゆく日常をただぼんやりと窓の向こうに眺めていた。


行きたく、ないなあ。


思うことといえば、そればかり。

この溜息は何度目になるのか。


私は、お義姉様やお義母様のようにアグレッシブな訳ではない。

人々がわいわい騒いでいるのを、外側から見ているのが好きだ。

だから、宴の席があっても、極力出ないようにしたり、端の席で静かに過ごすことが多かった。

こういうところは、実母に似ていると、よく言われたものだった。

今回の舞踏会、何より不安なのが、そう、ダンスだ。

舞踏会に出席するのは、何も貴族の息女だけではない。

他の貴族の息子も、この気に乗じて花嫁を探すことになっている。

手っ取り早く間を縮める策として、参加者全員が当たり前にできるダンスをする、というわけだ。

私自身も、貴族の嗜みとして出来ないわけでもないが、人に自慢出来るほど上手なわけでもなく。

言ってしまえば、中の下、それぐらいだろうか。

とにかく、平凡、もしくはそれ以下であるのだ。


(王子はもちろん、高位貴族の息子とは、絶対に踊れない...)


踊ってしまえば、それはもういい笑いものになってしまう。

色々な意味でそれはまずい。

中位、もしくは下位の人に、アタックかけよう。

誘われなければ、意味はないのだけれど...

そこは、私の精一杯でもって、明るく振る舞ってみよう。


一人悶々としているうち、昼時になってしまったのか、馬車が小さな町で止まった。

此処で昼休憩をとり、別の町へ移動し、宿をとり、そういう風にして5日かけて王都まで行く予定だ。

...私からすれば、途中ちょっとした事故なんか起きちゃって、舞踏会に間に合わなければいい、と思う。



そう、


間に合わなければ、


いいんだ。


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