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18次に繋げる為のお話ですね、分かります

俺は何度気絶させられるのだろう。



引きずられて気絶し、首を絞められ気絶し、アッパーを食らって気絶し、問答無用で殴られ気絶し、3人にリンチされて気絶し、ジャーマンを食らって気絶し……。



どこかに見えない気絶フラグなるものが建っていて、それが爆発している者かと思われる。



最近、気絶させられることによって死亡フラグもあまり建たなくなったし。



まあ死亡フラグ自体、無限になってるけど。



死亡フラグが建つよりかは気絶フラグが建つ方が断然いいだろう。



目を開けられるという喜びを噛み締めながら、視界がクリアとなり――――







目の前でケータイが粉々になっているのを目の当たりにした。


どうしてこうなった!?



ああそうか、ジャーマンを決められる時に手に持っていたから、叩き付けられた、と。



あぁ、秘蔵の画像達がああああぁぁぁぁ!!



……まぁ、こんな時のためにだな、ちゃんとバックアップを取っていて、パソコンの奥深くのファイルに、しかもロックをして置いてあるから大丈夫だ。



俺に死角はない!!



その証拠にリビングに置いてある、まひると共同で使っているパソコンも壊されているのが見えるからな!!



…………ここは、いっそのこと気絶フラグを建てるべきなのかな?



とりあえず呼び寄せて事の真相を聞くべきだ。



気絶はさせられるが、まぁ聞く代償なんだから仕方ない。



…………俺、最近どんどん常識から離れていくけど大丈夫かなぁ?



とりあえず、気絶フラグを建てる言葉を考えねば。



そういや『スタン』って気絶させるって意味だったよな。



よし。



「スターーーーン!!」



……。



…………。



……………………。



赤っ恥だと……!?



これほど恥ずかしいものはないぞ!? 言葉もそこまでキマってなかったし!!



よし、この出来事は墓場まで持っていこう、そうしよう。



それにしてもどこに行ったんだろう、あいつらは。



気絶させるだけさせて後はおざなりなのか!?



それはあまりにも酷過ぎるぞ、酷過ぎる!!



得意文句を言えば帰ってくるんだな、そうだな。



よし。



「メディーーーーーーク!!」



しかし 相手に 効果は ないようだ。



何故だああああぁぁぁぁ!?



もうこれはただの放置プレイなのか!? そうなのか!?



くぇrちゅいおpくぇrちゅいおpくぇrちゅいおp…………。



「何を悶えているのかしら?」



「くぁwせdrftgyふじこlp!?」



急に話しかけてくるなよ、ビックリするだろ!!



声の主の方を見やる。



「そ、そんなに驚かなくてもいいのに……」

「……伝統芸」

「むしろまひる達は兄様の頭を心配になってきました」



バカにされてる気しかしないが、ガマンだガマン。



「それはそうとして、お前らどこに行っていた? というか何故パソコンが壊れている?」



「……KKSZ」



なるほど分からん。



「いろいろあったのよ、いろいろ」



その内容を今聞いている。



「それは催眠術に掛かった兄様が」



嘘だっ!!



「とりあえず俺が気絶したところから説明してくれないか」



「分かりました兄様、まひるが説明します」



嫌な予感しかしない。



「あれは、3年ほど前のことです」



ダウト!!



……まぁいい、一応話は聞いてやろう。



「まひる達にその頃、親がパソコンを送って来ました。インターネットの月額料金も親が払ってくれるそうです。まひる達はそれまで生活になかった新しいものにハマっていきました」



そうだな、一応事実である。



その頃くらいから俺とまひるの二人暮らしが始まったんだよな。



それでネットくらいないと不便だろ、という親の勝手な判断でパソコンを送りつけてきたのだ。



初めは面白がって弄っていたが、ドンドン面白くなってきて一気にハマったんだ。



「そんなある日のことです。いつも通りパソコンを起動させたのですが、どういうわけかいつもよりパソコンが重く感じられたのです。なんでだろうとまひるは問題を探りました」



ええと、オチがつかめないぞ?



「理由はすぐに分かりました。知らないソフトがたくさん入っていたからです。多分兄様がわけも分からずテキトーにダウンロードしてしまったのでしょう、とそんな風に流し見をしていると、ふと異色漂う名前のファイルがあったのです。その名前は……」



いーやーなーよーかーんー。



確かそのファイルは……



「『【サンプル】 オーディオビデオ 【隠語】』」



「もう止めろおおおおぉぉぉぉ!!」



それは俺の秘蔵フォルダーだああああぁぁぁぁ!!



「もう、これからがいいところですのに」



俺にとっては悪でしか無いわああああぁぁぁぁ!!



くそ、なんだかんだ言って今回の話とつながってるじゃないか。



しかも俺の秘蔵フォルダーは三年前にバレていただなんて……。



「まぁ年頃の男の子なんだからそんな欲求があって当然よ」

「……胸、大きいのばかりだった」

「それは言わない約束です凛世さん。私たちが傷付きます」



「あ、いや、別に大きいからどうとかそういうわけじゃなくて、そもそも男達が胸に興味があるのは、4足歩行の時に尻を追い続けてきて、2足歩行になった時に胸を尻と勘違いして、欲情してしまうだけで、別に俺は胸なんて、気にしないぞぉ?」



 慌てて言い訳したため、変なウンチクを言ってしまった。



「何よ、それ。胸は関係ないって言うの!?」

「じゃあ胸が大きい人ばっかりだったのはなんでですか?」

「……教えて」



「えー、それは若い頃の過ちと言いますか、胸と尻のどっちかと言われれば胸だったと言いますか」



「死刑ですね」

「……fuck you」

「少し頭を冷やして昔の勝になりなさい」



 はい、どこかで気絶フラグ建ってたー。



「なるほど、なるほど。分かった。因みに今回気絶させられるとどこかに移動とかそんなのはあるのか?」



「それについてはね」

「気絶してからのですね」

「……enjoyment(お楽しみ)」



 だから何故分ける。



 てかお楽しみって事は絶対次どこかに運ぶな、分かります。



「覚悟は出来た。思う存分やってくれ」



「分かったわ」

「では思う存分」

「……violence(暴力)」



「おい、暴力言っちゃってるぞ」



 その言葉と同時に晴美が背中に正拳突き、まひるが鳩尾に蹴り、凛世がぐぽっぺばふっ!?



 せめて、最後まで言わせてくれよぉ……。



 そんな事を心の中で思いつつ、もはや慣れた気絶の感覚を味わった。

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