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幕間1
「なあ凛世」
「……?」
「凛世はそこにいるオオカミ達を見分ける事が出来るのか?」
「……当たり前」
と言って、凛世は
「あおぉ――――――――――――ん」
得意の遠吠えで仲間を集めた。
「ガルゥウウ」
「ガルゥウウ」
「ガルゥウウ」
「ガルゥウウ」
「ガルゥウウ」
凛世は、オオカミたちの鳴き声を一匹一匹丁寧に聴いていったが。
しばらく固まってから、こう言った。
「……イエス、マム」
「イエス、マムって言ってたらなんでも収まるわけじゃないからな!? 絶対わかってないだろ!!」
「……イエス、マム」
「お、おおっふ……そこまで簡単に認められると困るんだけど……」
「……イエス、マム」
「『イエス、マム』以外喋れよ!!」
「……イエス、マム」
「ああ!! もう!!」