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10.閑話休題と見せかけてフラグが立ちました。

『カナカナ』を出た後…



「あぁ…、まさかの出費だ…。あのメイド、『食べさせてあげるから500円寄越せ』とか言って金かっさらいやがった…」



ホントどこまでも腹黒いメイドだった。



「元はと言えば手錠を付けたからよ」



「そうですよ、一体誰が付けたんですか」



「……何とぼけてるのかな?」



「さ、さぁ何の事かしら?」



「ホ、ホントどういう事ですかね」



全然ごまかせてないけどな。



「まぁどうしようもないから責めたりはしないけどさ」



これからどうするかの方がよっぽど大切だ。



「とりあえずだな…、晴美」



「何?」



「お前の手錠の鍵はどこにあるんだ?」



まひるの手錠の鍵が家にある事が分かっている以上、妹より幼なじみと繋がっている方が嫌だという感情も手伝って、晴美の手錠を外す事を優先したいのだ。



別にシスコンってワケではないぞ、妹の方が慣れてるってだけだ。



「鍵なら家よ」



「そうか、なら家に行ってもいいか?」



「ま、まあ良いけど…、下着盗まないでよ」



「盗まねーよ」



「そこは盗みなさいよ!」



「なんでだよ」



何故犯罪を犯させようとする。



犯罪教唆で逮捕するぞ。



「だって盗んでくれないと私が魅力的じゃないみたいじゃない」



「全く魅力的じゃないから言っているんだが」



「何を言ってるの。私の胸を魅力的と言わずに何と言うのよ」



「どーでもいいよ」



「どーでもいいって何なのよ!!じゃあ…」



と言って胸を押し付けてきた。



「これでもそんな事が言えるのかしら?」



弾力のある胸が俺の右腕を包んでゆく。



「あっ、いや、あのっ、なぁ」



突然の事でどぎまぎしてしまう俺。



すると、まひるも



「な、何欲情してるんですか!お兄ちゃんが欲情していいのはまひるだけですよ!」



と言って左腕に絡んできた。



もう何が何やら分からなくなってきた。



「まひるちゃんの胸になんて誰が欲情するのかしら」



「胸は大きけりゃいいってモンじゃないという事を教えてあげますよ」



「ストップ!ストップ!何故そこまでして張り合おうとするんだっ!!」



「そりゃあ日本が一夫一妻制度だからよ」



意味が分からない。何を言ってるのか理解出来ない。



「まぁでも、日本の法律では3等親未満の結婚は認められてないから、まひるちゃんはただの悪あがきって事になるけどね」



「まひるが日本の法律を変えるから大丈夫です」



「無理無理。アナタのどこにそんな力があると言うの?」



「禁断の愛より強い力は存在しないんですよ、晴美さん。まひるは兄様とは兄妹(きょうだい)なので禁断ですが、アナタの愛は全然禁断じゃない!!」



「な、何てことっ!私の愛はそんなありふれた物だったのね…!!……私が実は生き別れの兄妹とか、そういう設定とか無いのかしら?」



「設定って何の話だよ!ていうかお前らはさっきから何を議論してるんだ!!もうちょっと周りを見たらどうだ!!」



今の状況が分かってるのか、コイツら。



観衆の注目の的だぞコラ。



「……とりあえず私の家に行ってからって事で」



「賛成だ」



「右に同じです」









晴美の家に行く途中。



「堂々としてると手錠してるだなんて案外バレないものね」



「まあ人間なんてのは他人にあまり興味を持たないモノですから」



「ぶっちゃけるなぁ…」



「裸のオジサンが歩いていてもスルーします」



「それは関わりたくないからだと思うぞ?」



と冗談を言いながら歩いていると。



前から裸のオジサンが歩いてきた。



「……噂をすればなんとやらって言うのはこういう事ですね。コッチに向かって来てますし」



「こんなピンポイントで来るのはおかしいと思うのだけれど。手も振ってるし」



「まあこういう時は……」



「「撃退!!」」

「無視す…、って撃退するのかよっ!!痛い痛い痛い痛い!!いきなり走るんじゃない!!手錠付いてんの忘れたか!?せめて地面を引きずるな!!足から血が出てる!!痛い痛い痛い痛い!!」



とか俺が文句を言ってる間に2人はその裸のオジサンを跳び蹴りで粉砕した。



流石、自称格闘技世界一と中学空手No.1。



あっという間に終わらせやがった。



俺も粉砕されるかと思った…、手首とか足とか。



「「撃退完了っ!!」」



と言い、ハイタッチをして喜ぶ晴美とまひる。



「なんで無視しなかったんだよ」



「だって見たらムカつくじゃない」



「法の裁きを与えたまでです」



「まぁ良いけどよ…、あまり事件になるような事は起こさないでくれよ、面倒くさいから」



「分かってますよ」



「いざという時には隠滅するから大丈夫よ」



「いや、それ全く大丈夫じゃないから」



と冗談を言った。



この時にはこの事について、全く問題を感じていなかったのだが。



この裸オジサン撃退事件が俺を死の淵に追い込むキッカケとなるだなんて事は全く予想だにしていなかった。

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