51話
緑がかった星屑のような銀髪。宝石のペリドットのような黄緑色大きな瞳をした少年。
セレーネたちが部屋に入ってきたのを目にし、ソファーに腰掛けていた少年は2人のもとにやってきて挨拶をする。
その挨拶は、12歳にしては大人びていて、あのルーアとは思えないほどに礼儀正しい人物だった。
「詳しいことをお話しいたします」
応接室の席に追記、セレーネたちはピータから話を聞いた。
セレーネの予想どおり、フェネル=クラッセンはチェンジリングの被害にあっていた。
本人から事情を聞いても、彼にとっては少し居眠りをしている感覚だったそうだ。
誰かが声をかけて振り返り、気づいた時には12年が過ぎていたと。
可能性としては、妖精たちが記憶を消したとセレーネも思った。その証拠に、昔と今では彼の髪色が違う。昔は父親と同じ髪色と瞳の色をしていていたそうだ。
「それで、私を呼んだのはなぜでしょうか」
「……セレーネ様は非常に優れた魔法の才をお持ちと聞きました……どうか!息子の時を勧めることはできないでしょうか!!」
「……侯爵様が望んでいるのは、ご子息を年齢と体を一致させてほしいということでしょうか」
「……はい」
セレーネの言葉に、侯爵夫妻は肩を落とす。
2人もなんとなく、どうして夫妻がそれを望んでいるのかはわかった。
実際は24歳でも、中身も見た目も12歳の息子を今すぐ侯爵家を継がせるわけにはいかない。だからといって、ルーアは性格に難があるせいで、家のことを考えると継がせることができない。
だからこそ、少しでも可能性があるのであれば、息子を元の姿に戻し、少しでも仕事を任せながら後継者の育成を行いたいと思っているのだろう。
「まず、結論から申します。できるかと聞かれましたら、できます」
「本当ですか!?」
「しかし、その分リスクもあります」
「リスク……ですか?」
「もとに戻すというのは、変身魔法とは違います。体の構造を変える行為です。なので、魔力はもちろんですが体に大きな負担……寿命を減らすことになります」
「寿命を………っ!」
見た目がそれほど変わらないのであれば、そんなにも大きく影響は出ない。
しかし、子供から大人への成長は普通に成長したとしても体に負担がかかる。それを魔法を使って急速に行えば、体に大きな負担がかかってしまう。
フェネルにその魔法を使用した場合、長く生きれて40いくかいかないかだろうとセレーネは予想した。
「40……いや、今はそれでもいいかもしれない。後継ができる可能性があるのであれば」
「……ちなみにフェネル様本人は、どう思われていますか?」
「え……僕は………父上が望まれるのであれば」
にっこりと笑みを浮かべる。
しかし、セレーネもユリウスも、その笑みの真意をなんとなく察した。
両親はそれに気づいていないのか、さすがだと褒めていた。
良い人だとは思うだ、セレーネにはどこか、まだしっかりと親として行動できてないように感じた。
「侯爵様。もしよろしければ、ご子息と敷地内を散歩しても」
「え……あぁ大丈夫ですよ。でしたら、ぜひ温室を。フェネルは昔から植物が好きで、戻ってきてからもよくお世話をしています」
「それは素敵ですね。……フェネル様」
「はい。僕でよければ、セレーネ様を案内させてください」




