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24話

「ルーンナイト嬢。此度は本当に感謝する」


一通り泣き終えた国王陛下が、セレーネに深々と頭を下げた。

アルヴィスとラベンダーも頭を下げるが、セレーネは首を横に振った。


「いえ。私の力不足で、目を治すことしかできずに申し訳ありません」

「ん?それは、どういうことだ?」

「……陛下は、ご存知ないのですか?ラベンダーさまが呪われていることに」


その言葉に、陛下はすぐにラベンダーの方を振り向くが、当の本人もなんのことやらと驚いていた。


「ラベンダー様。以前よりも体が弱っていると感じませんか?」

「確かに、日に日にベットから起き上がるのが辛くなっているわ」

「吐血することもありますか?」

「えぇ」

「……ラベンダー様。古龍との討伐の際、血を浴びましたか」

「……えぇ。トドメを刺した際に」

「ラベンダー様は、古龍の血の呪いを受けております」


古龍の血の呪い。

それは古い文献にのっており、あまり人に知られていないものだった。

古龍の呪いを受けたものは、徐々に体を犯されていき、やがて死を迎えるというものだった。

その原因は、呪いを受けたものの血液に龍の魔力が溶け込み、魔力を吸収して外に吐き出していく。そうやって、徐々に体から魔力が抜けていき、呪いを受けたものは衰弱して死におちる。

現時点でその呪いの解除方法は見つかっておらず、血や魔力の補給を行なっても、呪いが解けないことだけは明らかになっている。


「どうにかならないのか!?」

「すみません。今の私には何も……」

「父上、これ以上セレーネ嬢に負担をかけるのは。彼女は今、ユリウスの呪いも解く方法を調べています。叔母上の呪いについては、俺たちで解決しましょう」

「……そうだな……すまない、ルーンナイト嬢」

「いえ。私こそ、お力になれず申し訳ありません」

「気にしないで。目が治っただけでも感謝しているわ。何かお礼がしたいわね」

「そうだな。令嬢、何か欲しいものはないか?」


元々王命だったため、お礼などはセレーネ自身考えてはいなかった。

なので、保留にさせて欲しいと頼んだ。

陛下もそれを了承し、もし欲しいものがあればいつでも言って欲しいと言ってくれた。

無事に王命をやり遂げたセレーネは、王城で一泊したのち、ソルネチア家に戻ることになった。

準備された部屋は、今までのどの部屋よりも広く豪華なものだった。

広すぎるベット。いつもはユリウスと一緒に眠っているせいか、少し寂しく感じる。


「早くお会いしたいです。ユリウス様」



◇◇ ◇



夕食の時間までまだ少し時間があるため、アルヴィスに事前に許可をもらっていた王城の書庫で調べ物をしていた。

今まで訪れたどの家にもなかった多くの貴重な本。

魔法に関するものから、歴史に関するもの。多くの本に目を向け、己の知識にして行った。

呪いについても、ユリウスやラベンダーのことから、目を向けるようになった。

呪いは魔法とは異なるもの。術式ではなく、魔力そのものによって生まれた魔法が呪いとされている。


「ユリウス様に私の魔力を注ぐ時も術式を介したから拒絶されたのかな?」


夕食の時間ギリギリまで、本棚と机を行きして調べ物を行う。


「セレーネ様」


その時、不意に警備をしていたルートンが声をかけてきた。

そろそろ夕食の時間になるため、片付けをして欲しいとのことで、一緒に本の片付けをした。


「後これ、メイドから預かりました」

「手紙?」

「招待状のようです。送り主は……」


手紙の裏面。そこには送り主の名前が書かれていた。




―――― クローディア・ロサ


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