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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
第一章 新たな生と異なる世界~ヒュマノ編~ 一節 職業魔物ハンター
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第97話 生活費調達方針

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 ギルドでグレイスに関してのいろいろな手続きを終えてから、俺達は一度宿へと戻ってきた。そこで一先ずゆったりと休憩しながら、今後の予定についてみんなで話し合うことになった。


「ふぅ、やっと一息つける。」


 椅子に腰かけながらコーヒーを飲んでいると、座る場所を探していたシアが、俺の太ももの上にちょこんと座って、コーヒーをじっと見つめていた。


「ヒイラギお兄ちゃん、それ美味しい?」


「これはシアの口にはちょっと合わないかもなぁ。」


「ちょっと飲んでみたい……ダメ?」


 上目遣いでそうお願いされたら断るに断れない。


「わかった、熱いから気をつけるんだぞ?」


「えへへぇ、ありがとっ!!」


 コーヒーの入っていたマグカップを受け取ると、シアは笑顔でそれを一口飲んだ……。直後、表情から笑顔が消え失せて、一気にしかめっ面になり、舌をベロっと口から出した。


「苦ぁぁい。美味しくにゃい。」


「あはは、だから言っただろ?シアの口にはちょっと合わないかもってさ。」


 コーヒーの苦さを打ち消すために、シアはポンポンオランのジュースを必死に口の中に流し込んでいる。


「シアちゃんも大人になったら、こういう飲み物の美味しさがわかるようになるよ。」


 そう言いながら、ミカミさんもミニチュアサイズのマグカップでコーヒーを飲んだ。


「うん…………美味しくはないかなぁ。柊君、私にもポンポンオランジュースちょ~だ~い。」


「わかりました。」


 せっせとミカミさんの分のポンポンオランジュースも用意して、再び席に着き、コーヒーをまた一口飲んでから、これからのことについていよいよ話し合いを始めることにした。


「さてと、それじゃあそろそろ今後の予定について話し合いましょうか。」


「今後の予定ね~、ルカちゃんのお給料とみんなの食費のことを考えながら、お金を効率よく稼ぐ方法を見つけたいところだね。」


「はい。ギルドで難しい依頼を受けて一攫千金を狙うのも良いですけど、報酬の良い依頼が無いときはやっぱりお店を開いてお金を稼いだほうが良いと思うんですよね。」


「そうだね。でもこの前みたいに原価の安いものを安く売るだけじゃあ、二束三文にしかならないから、商品のラインナップに原価が安くて……尚且つ高く売れるようなものを考えなきゃ。」


「そうなると……急に難しくなってきますね。」


 原価が安くて……尚且つ美味しくて、満足度の高いもの。そう考えると、なかなか良いメニューが頭の中に思い浮かんでこない。


「そんなに悩む必要はないと思うよ?イリスちゃんのくれた魔法瓶があれば、ある程度の材料の原価はゼロにできるしね。」


「確かに……そう考えると、いろいろ選択肢は出てきますね。」


「でしょ?とりあえず、原価のことをあんまり考えず、こっちの人達が見たことのないようなものを売りにすれば……名物になるんじゃない?」


「なるほど。そうなると……ちょっと現地調査にでも行ってもらいましょうか。」


 俺はルカたちの方に視線を向けた。そしてマジックバッグから金貨を10枚取り出して、ルカの前に置いた。


「ルカ、今からシアとグレイスのことを連れて、この町のお菓子屋さんに行ってきてくれ。」


「お菓子屋……ですか?」


「あぁ、そこに行ったら、店にあるお菓子を全種類買ってきてほしい。もちろん個人的にこれが美味しそう……とか思ったらそれを複数買っても構わない。ただお願いしたいのはくれぐれも全種類を一つずつは必ず買って来てくれ。」


「かしこまりました。」


「ミカミさんも一応みんなについていってもらっても良いですか?」


「もちろん構わないよ。保護者は必要だからね~。ほらほら、みんなお菓子買いに行くよ~。」


「ヒイラギお兄ちゃんは来ない?」


「あぁ、ちょっと作ってみたいものがあってさ、みんなが帰ってくるまでに作っておくよ。」


「それってご飯?」


「ご飯っていうよりかはお菓子かな。美味しいものを用意しておくから、好きなの買っておいで。」


「うん!!わかった!!」


 そしてシアはルカと手を繋ぎ、ミカミさんとグレイスはルカのメイド服のスカートについているポケットにすぽっと納まった。


「じゃあ行ってくるよ柊君。」


「いってきま~す!!」


「行ってらっしゃい。気をつけてな。」


 みんなのことを見送った後、俺は一人キッチンに向かい合った。


「さて、じゃあ作ってみようか。」


 イリスさんからもらった魔法瓶をフル活用して、俺はキッチンの上にいろいろな材料を並べていく。この世界で見たことのない調味料なども簡単に用意できる……この魔法瓶は本当に素晴らしい贈り物だな。おかげで料理には苦労しない。


「よし、材料はこれで大丈夫……あとは俺の記憶を頼りに分量を量りながら作っていこう。」


 日本にいたときは、お菓子を作る時は必ず正確な分量が書かれたレシピを近くに置きながら作っていたが……流石に脳内のレパートリー、すべてのお菓子に使用する一つ一つの材料の正確な分量は覚えていない。

 だが、脳に焼き付くぐらい数を作っていたものは、ばっちり覚えてる。今回作るのは脳に正確な分量が焼き付くほど作ったものだから、きっと問題はない……筈だ。



この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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