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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
第一章 新たな生と異なる世界~ヒュマノ編~ 一節 職業魔物ハンター
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第92話 エルフからの招待

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 バーバラさんからたくさん美味しそうな果物を購入した後、ミカミさんがニーアさんのことについて彼女に質問した。


「そういえばニーアちゃんは元気?」


「ニーア?あはは、もう元気も元気だよ。余程キミたちが野菜や果物を買ってくれたことが嬉しかったんだろうね。今は躍起になって、最高に美味しいポンポンオランを作るって品種改良に勤しんでるよ。」


「え、品種改良ってそんな簡単なできるものなの?」


「一応、私達エルフは植物の成長を促進する魔法も扱えるから、種が決まったら、後は魔法でチョチョイのちょいだよ。」


「ほぇ〜……。」


「多分、近々またキミたちと初めて出会った町に出張販売しに行くと思うから、その時はまた贔屓にしてやってくれると嬉しいな。」


「もちろんだよ〜、ねっ?柊君?」


「はい。」


 そしてバーバラさんは満足そうにニコッと笑うと、おもむろに左手につけていた時計のようなものへと目を向けた。


「あっと、そろそろ片付けを始めないと……。」


「ありゃ?もう帰っちゃうの?」


「この場所は、お店の人のご厚意で数時間だけ借りてるだけなんだ。今日はキミたちのお陰で売れ行きもかなり良かったし、そろそろ国に帰るよ。」


 そう話しながら、バーバラさんは果物をマジックバッグへと詰め込んでいく。その最中、何かを思い出したらしく、顔をこちらへと向けた。


「……あ、そういえば伝え忘れてたんだけど、族長がキミたちに会いたがってたよ。」


「族長?」


「そっ、ウチらエルフの族長……この国で言うところの王様みたいな感じ。」


「な、何でまた……。」


「ニーアを助けてくれたお礼をしたいのはもちろん、なんか妖精と仲の良い人間が、個人的に気になるんだってさ。」


「そ、そうなんですか。」


「うん、だからもし今度時間があったら、エルフの国に顔を出してくれると、族長もニーアも喜ぶと思う。」


 話しながらバーバラさんは売り物をしまったマジックバッグを持ち上げると、その中から緑色に光る宝石を取り出した。


「じゃっ、伝えたいことは伝えたから、ウチはそろそろ国に帰るよ。今日はありがとね、また今度機会があったらたくさん買い物してくれると嬉しいな。」


 そしてこちらに手を振っていたバーバラさんは、手にしていた緑色の宝石から溢れてきた光りに包まれると、いつの間にか目の前から姿を消していた。


「あ、行っちゃった……。まさかニーアちゃんのお姉さんとこんなところで出会えるとは思ってなかったね。」


「ですね、まさかまさかの出会いでした。」


「んで、バーバラちゃんが言ってた、エルフの族長さんが私達に会いたいって話……どうするの?」


「どうするって言われても……行ったほうがいいんですかね?」


 どうすべきか迷っていると、後ろにいたドーナさんが口を開いた。


「エルフの国は招かれた者か、許可を得た者以外入れない、厳正な国だよ。そこにお呼ばれしてるなら、行ったほうがアタシは良いと思うけどねぇ。」


「……じゃあせっかくなので、今度予定を立てて行ってみます。」


 といってもすぐには向かえそうにはないな。ミルタさんにも会いたいし、ドーナさんに勝手に応募されたヒュマノファイトにも出ないといけない。


 もしヒュマノファイトで優勝か準優勝できたら、獣人族の国にももしかすると行けるかもしれないし……エルフの族長さんには悪いけど、かなり後回しになってしまうかもしれないな。


「さて、果物も満足に買えたので、そろそろお会計して、ギルドの宿舎に向かいますか。」


「もう良いのかい?」


「はい、マジックバッグの中にいろいろとストックもあるので、もう十分です。」


「わかった。じゃあ行くとしようか。」


 そしてまず、ギルドの宿舎に向かう前にお会計をすることになったのだが……ダイナマイトコーンを筆頭に、お高い野菜を買っていたせいで、軽く金貨10枚以上の出費となってしまった。


 こちらの世界に来てから、少しお財布の紐が緩くなっているような気がする。目標の白金貨300枚を貯めるために、もう少し節約するべきかな。


 そんなことを思いながら、カーズラの巨大な八百屋さんの中から出ると、外の空は茜色に染まり始めていた。


「さ、宿舎はこっちだよ。」


 ドーナさんの後に続いて歩いていくと、すぐにギルドの看板がぶら下がっている2階建ての建物へと辿り着いた。


「ここがギルドの宿舎だよ。まぁ何ヶ月も人は出入りしてないから、埃がたまってるかもしれないけど……。」


 ドーナさんがマジックバッグから鍵を取り出し、扉を開けて中に入り、すぐに明かりを灯した。


「ほら、入んなよ。」


 ドーナさんに招かれて中に入ると、1階には簡素なキッチンと少し広めのリビングがあった。


「ほぇ〜、リビングも意外と広いじゃん。これならゆっくりくつろげそうだね。」


 そしてミカミさんはリビングに設置されていたソファーに飛び込むと、バフッと勢いよくほこりが舞い上がった。


「けほっ!!ほ、埃っぽ〜い。」


「だから言ったろ?」


「ルカちゃん、そ、掃除っ!!ご飯の前に掃除〜っ!!」


「かしこまりました。」


「シアもお手伝いする!!」


 夕食の前に、この溜まりに溜まった埃をどうにかするために、全員でこの宿舎の掃除をすることになったのだった。


この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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