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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
第一章 新たな生と異なる世界~ヒュマノ編~ 一節 職業魔物ハンター
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第80話 気になる売上金額は……

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 初めての営業を終えた後、俺達はドーナさん達と一緒に一つのテーブルを囲んで、今日の売り上げを確認していた。


「え~、プリン150個分の売り上げの合計が銀貨450枚。それで、後から売り始めたドーナツの数が合計254個で、売り上げは銀貨254枚。総計、銀貨704枚なり~。」


 合計金額を数え終えたミカミさんが今日の合計の売上額を発表してくれた。


「銀貨704枚ってことは、金貨7枚と銀貨4枚ってことですか。」


「うん、そういう事になるね。まぁ、金額はまちまちだけど、初日にしては十分だったんじゃないかな?商品の完売もできたし。」


「ですね、次はもっともっと仕込む量を多くしてもいいかもしれません。」


「ね~、今日で柊君のお菓子が美味しいってことは十分に噂になるはずだから、次はもっと客足も見込めるはずさぁ。」


 そうミカミさんと話し合いながら、俺は今日の売上金の中から大銀貨を5枚とってシアに手渡した。


「ほい、頑張ったシアにお小遣いだ。」


「わっ、こんなにいっぱいお小遣い貰っていいの!?」


「あぁ、使い方はわかるか?」


「うんっ、シアの国でも同じお金使ってるから大丈夫!!」


「通貨って万国共通なんですかミカミさん?」


「そうだよ、どこの国でもこのお金って世界規約で決まってるみたいだね。」


 めちゃくちゃ便利な世界だ。どこかに旅行するときに自分が住んでいる国のお金を、その国のものに変えたりしなくていい。ただその代わり、この世界じゃ為替とかそういうのはできないけど……俺にはそう言った知識が無いから問題はないな。


「ヒイラギ、アタシから一つ質問良いかい?」


「なんですかドーナさん?」


「一応今日こういう販売をやったけど、その……魔物ハンターはやめちまうのかい?」


 少しもじもじとしながらドーナさんは問いかけてきた。


「いえ、できればどちらもやりたいなって思ってました。それこそ依頼がないときは、今日みたいにお菓子とかを売ってお金を稼いで、依頼がある時は依頼の方を優先したいなって。」


「そ、そうかい。……ちょっと安心したよ。」


「なになに~ド~ナちゃ~ん、柊君がいなくなるかもって不安になったの~?」


「ち、違うっ!!た、ただヒイラギがいなくなったらまたアタシが激務に追われるからってだけで……。」


 顔を真っ赤にしながらドーナさんは必死に身振り手振りで、ミカミさんの言っていることを否定する。


「んふ~、わかってるわかってる~♪」


「ぐ、や、やっぱりあんたは苦手だよ。」


「ん~?私はドーナちゃんのこと好きなんだけどなぁ~。」


「だから喧しいっての!!」


 いつもと変わらずドーナさんとミカミさんが言い争っている間に、俺はミースさんに今日の売上金から少しとって渡した。


「はいこれ、今日は場所を貸してくれたので、ミースさんに。」


「え!?い、いいんですよ?場所を貸すぐらい全然なんてことは無いですし……。そ、それに受付嬢みんな分のお菓子も最初にもらってますから。」


「いえ、これは今日だけじゃなく、また今度もよろしくお願いしますって意味で、受け取ってくれませんか?」


「うぅ~、そ、そう言われると受け取らないわけにはいかなくなったような。……それじゃあ、ありがたく受け取っておきます。」


 渋々といった様子でミースさんはお金を受け取ってくれた。


「ありがとうございます。」


「そ、その言葉って普通私が言う言葉ですからね!?」


「あはは、まぁこういうわけで次回もよろしくお願いします。」


 そんなやり取りをしていると、こちらに一人の受付嬢が口にドーナツを咥えながら走ってくる。


「あ、お、お話し中すみませんっ。実は緊急で魔物の討伐依頼が舞い込んできて……。」


 その報告を聞いた瞬間、ドーナさんとミースさんの表情が変わった。


「どういう依頼だい?」


「こ、こちらなんですけど……。」


 彼女は俺達がいるテーブルの上に1枚の依頼書を置いた。その内容を確認してみると……。


()()()()()()()()()の討伐か。ま~た厄介なのが来たねぇ。」


「しかも場所は()()()()()()()ですね。危険度は文句なしで最高レベルです。」


 今の現状で、この依頼がどれだけ大変なものなのかわかっていないのは、俺とミカミさんとシアぐらいなものだろう。


「あの~、そのエルダーワイバーンっていうのは?」


「ヒイラギもダンジョンでワイバーンと戦ったろ?あれの上位種だよ。ほぼドラゴンみたいなもんさ。」


「なるほど、じゃあその食肉植物の樹海っていう場所はどんな場所なんです?」


「文字通りさ。肉を栄養源にする植物が支配する樹海……別名()()()()()()って場所だよ。」


「普通は魔物ですら足を踏み入れない危険な場所なんですけど……なぜかこんな場所でエルダーワイバーンが目撃されたみたいですね。」


「この依頼に関して一つ疑問なんだけどさ、エルダーワイバーンは何か町とか人とかに被害をもたらしたりしてるの?」


「いえ、見た限りまだ人的被害は出ていないようですが……一応エルダーワイバーンは災害級の魔物に指定されているので、見つけ次第被害が出る前に討伐しなければいけないことになってるんです。」


「なるほど~、そういうわけなんだ。」


「エルダーワイバーン一匹ぐらいならアタシ一人で倒しに行ってもいいんだけど、場所が場所でねぇ……できればヒイラギにも同行をお願いしたいんだけど、どうだい?」


「やったね柊君、ドーナちゃんからデートのお誘いだよ~。」


「だ、だからデートじゃないって言ってんだろ、ミカミぃっ!!」


 そんなこんなで、明日朝一番で俺達はドーナさんと一緒に食肉植物の樹海という場所に向かうことになったのだった。


 次はどんな食材と巡り合うことができるかな?依頼自体は危なさそうだけど、新しい食材との出会いも楽しみで仕方ないなぁ。



この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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