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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
第一章 新たな生と異なる世界~ヒュマノ編~ 一節 職業魔物ハンター
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第76話 プリンの評価は……

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 いくつか試食品のプリンを作って、まず俺達はマイネさんの元へと足を運んだ。


「マイネさんいるかな……。」


 マイネさんのお店のある裏通りに足を運び、路地の奥の奥へと歩いていくと、お店の前でベンチに横になって昼寝をしていたマイネさんの姿を発見した。


「あ、お昼寝中か。」


 邪魔しちゃ悪いな……そう思って踵を返そうとすると、眠っていたはずのマイネさんがムクッと起き上がり、こちらを向いてにへらと笑う。


「おやぁ〜?今日はヒイラギ君たちだけ〜?」


「すみません、起こしちゃいました?」


「ちょっと目を瞑ってただけだから大丈夫だよぉ〜。それで、今日はどうしたのかな?ご飯食べる?」


「今日はちょっと、味見してもらいたいものがあって。」


「ははぁ〜、おばさんで良いのかなぁ〜それ。大役じゃなぁい?」


「全然、むしろ適役です。」


 そうして、いろいろと事情を説明したあと、マイネさんのお店の中で早速プリンを試食してもらうこととなった。


「コレが今回売ろうかなって思ってるお菓子なんですけど。」


「うへ……コレがお菓子なの?なんか芸術作品っぽい盛り付けしてるねぇ。果物もいっぱい盛り付けてあって、この白いフワフワは?」


「それは生クリームですね。脂肪分の多い牛乳みたいなものです。」


「ほへぇ〜、こういうものもあるんだ。ヒイラギ君たちと出会ってから新しい発見がいっぱいで、おばさん困っちゃうなぁ~。」


「そう言いながらマイネちゃんすっごく嬉しそうだけど。」


「バレたぁ~?」


 照れ照れとしながらマイネさんはスプーンを手に取ると、プリンを少し掬い取った。


「おぉ~、プルっとしてるのに結構濃厚そう……。じゃあ、さっそく~いただきます。」


 そして一口、マイネさんがプリンを口に運ぶと、少し驚いたような表情を浮かべる。その後、確認するようにもう一口……もう一口と食べ進めていくと、あっという間にプリンは無くなってしまった。


「ふへっ!?お、思わず夢中で食べちゃったぁ。」


「どうでしたか?」


「いやぁ~これに美味しくないって言える人の方が少ないんじゃないかなぁ?ハッキリ言ってめちゃくちゃ美味しかったよぉ。これも妖精の国のデザートなの?」


「そんな感じです。」


「まさか卵を前面に押し出したお菓子がこんなに美味しくなるとはねぇ~。まだまだおばさんも知識が足りないかなぁ。」


 ポリポリと頬を指で掻きながらマイネさんは言った。マイネさんからの受けもいいみたいだし、これはかなり期待が持てそうだな。


「ちなみにこれをいくらで売り出す予定なの~?」


「一つ銀貨3枚で売ろうかと思ってました。」


 すると、マイネさんは口に含んでいた紅茶を思わず噴き出しそうになってしまっていた。


「ぎ、銀貨3枚!?こ、このクオリティで!?」


「え、は、はい。あんまり高くしても買い手がつかないような気がして……。」


「い、いやいやいや、げ、原価は?」


「あ、原価に関しては大丈夫です。赤字にはならない値段ですよ。」


「ま、まぁ……ヒイラギ君がそう言うならおばさんは止めないけど。正直、大銀貨1枚ぐらいの値段でも全然良いような気がするんだよねぇ〜。」


 何やら悶々としながら、マイネさんはもう一つプリンを食べ始めた。


「うん……うん、コレはそこらのお菓子屋さんの人達は焦ったほうが良いかも。」


「あはは、そんなに人気にはならないと思うんですけど……。」


「…………。」


 無言になりながら、マイネさんはチラリとミカミさんに視線を向ける。すると、ミカミさんはマイネさんが何を想像しているのか察したらしく、ニコッと笑っていた。


 そしてマイネさんに試食をしてもらったあと、今度はギルドに足を運んだ。すると、奥のテーブルで今朝はいなかったドーナさんとミースさんが、何かを話し合っていた。


「こんにちはドーナさん、ミースさん。」


「ん、ヒイラギ達か。ミースから話は聞いたよ。なんか商売をやるつもりなんだって?」


「はい、実はさっきマイネさんにその商品を試食してもらってきたところで……。」


「あぁ、そういえばお菓子を売るって話だったねぇ。」


「マイネさんからは美味しいって言ってもらえたので、是非ドーナさんとミースさんにも食べてもらいたいんですけど……。」


「そういうことなら、遠慮なくもらうよ。」


「むしろ大歓迎ですっ!!」


「ありがとうございます。じゃあすぐに準備しますね。」


 マジックバッグからプリンを取り出して、生クリームとカットした果物で装飾を施していく。


「はいっ、おまたせしました。」


「こ、これは……なんだい?」


「プリンっていうお菓子です。まぁまぁ、食べてみてください。」


「わかった、じゃあいただくよ。」


「いただきます〜!!」


 そして2人ともプリンを口にした瞬間……幸せそうに蕩けた表情を浮かべた。


「ん〜まいっ!!なんだいこれ……。」


「こんなお菓子食べたことないです〜!!」


 2人からの反応も上々……プリンはこのまま商品化して問題なさそうだ。あと残る問題は、販売する場所をどこにするかだな。



この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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