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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
第一章 新たな生と異なる世界~ヒュマノ編~ 一節 職業魔物ハンター
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第56話 レヴァの本領発揮

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 まず試すべきなのは、レヴァがどんなことができるのか……現状知っているのは、レヴァが俺の思った通りに形を変えれること、そして斬撃を飛ばせるということ。


「一つ一つ確認していこうか。」


 元の形に戻るように心の中で思うと、レヴァはあっという間に小さくなって普段の包丁サイズに戻った。


「このまま斬撃は……。」


 小さくなったレヴァを横に一薙ぎすると、この状態でも思った通りに斬撃が飛んでいく。斬撃を飛ばすのに大きさは関係ないらしい。


 放った斬撃は、キマイラにあっさりと躱されてしまったが、今はわかったことが一つ増えたから良しとしよう。


「柊君、一つ試してみてほしいことがあるんだけどいいかな?」


「どうしたんですかミカミさん?」


「その飛ばせる斬撃をさ、複数同時に飛ばせないかな?ほら、それこそグレーウルフが飛ばしてきたやつみたいにさ。」


「……なるほど。」


 少し常識に囚われすぎていたかもしれない。1回振ったから斬撃も1つ……と頭のどこかで勝手に思ってしまっていた。


「1つを2つに……。」


 イメージを膨らませながら、レヴァをキマイラへと向かって振るうと、1回横に振るっただけで2つの大きな斬撃が発生し、キマイラに襲い掛かる。


「っ!!できたっ!?」


 2つの斬撃は不規則な動きでキマイラに襲い掛かり、尻尾の大蛇を切り落とすことに成功したが、すぐにまた再生してしまう。


「これができるなら……あとはキミの想像力次第でいかようにもなるはずだよ柊君。」


「はい、ミカミさん。」


 レヴァを握る手に力を籠めると、俺の感情の高ぶりを感じ取ったのか、再びレヴァは日本刀のような形状に変形する。それを横に一閃して大量の斬撃を飛ばしながら、俺はキマイラへと距離を詰めた。


 すべての斬撃を避けきることはできず、キマイラは徐々に体が削られていく。そして放った斬撃の雨が止む頃、俺はキマイラに手が届く位置まで近づくことに成功していた。


「この距離なら……避けられないだろっ!!」


 目の前で十字架を描くようにレヴァを振るうと、キマイラの体に格子状にピッと線が入った。そして徐々に体がズレていくキマイラへ、さらに追い打ちをかけるように、俺はレヴァを横に一閃する。


 すると、俺の思い描いた通り……キマイラはまるで微塵切りにされたように細かくきざまれ、床に散らばった。それと同時に俺の前にレベルアップの通知画面が表示された。


『レベルアップに必要な経験値を満たしたためレベルが上昇し、レベル50になりました。レベルアップしたためステータス情報が更新されます。』


「倒せた……。」


 倒せたという実感がわいてくると、ピンと張っていた緊張が解けて、どっと疲れが襲い掛かってくる。


「お疲れ様、柊君。頑張ったね。最後の斬撃は、料理の微塵切りをイメージしたのかな?」


「は、はい。斬っても斬っても再生するなら、もう滅茶苦茶細かくきざんだらどうかなと思って……。」


「私もそれが正解だったと思うよ。あんな再生能力を持ってるのが相手だったら、再生ができないぐらい体を破壊するのが正攻法ってモノさ。」


 ミカミさんが俺の頭をわしゃわしゃと撫でてくれていると、続いてまたスキルを奪い取ったという通知画面が表示される。


『武器のスキルが発動します。討伐したキマイラが所持していたスキル……ブレスLv7を奪い取りました。』


「今度はブレスを奪い取ったみたいです。」


「ブレスっていうと、あれじゃないかな?さっきキマイラが吐いてた炎とか毒ガスみたいなやつとか。」


「多分そうだと思うんですけど……。」


 そうしてレベルアップの通知と、スキルを奪い取ったという通知に目を通していると、こちらにドーナさん達が歩み寄ってきた。


「マジでそのレベルでキマイラを倒しちまったかい。まったくどうなってんだか。レベルの概念ってやつがアタシの中で完全に崩れちまったよ。」


「あはは……ま、マグレですよ。」


 そう言うと、ドーナさんは……。


「いんや、今のはマグレって軽い言葉なんかじゃ片付けれないもんだったよ。……それにもうヒイラギのマグレって言葉は信じないって決めたんだ。」


 そう言いながら、ドーナさんは最初初めて出会った時俺に向けてきた表情と同じ、凶暴さが垣間見える笑顔を浮かべた。


「キマイラも倒して、レベルもずいぶん上がったんだろ?だからそろそろ……一回ヒイラギとは手合わせしたいところだねぇ。」


 どう答えればいいのか反応に困っていると、ミカミさんが首を傾げながらドーナさんの顔の前に飛んでいった。


「ドーナちゃんさぁ、初めて会った時……自分よりも強い人じゃないと惚れないみたいなこと言ってたよね?」


「ん、まぁそんなこと言ったかもねぇ。」


「もし、ドーナちゃんと手合わせして柊君が勝っちゃったら……どうする?」


「ハッ、そう簡単に勝たせるつもりはないよ。」


「ふぅ~ん?私は柊君が勝つと思うけどなぁ~。」


 ミカミさんとドーナさんが勝手に盛り上がっていると、俺の前にひらひらと1枚の紙が舞い降りてきた。


この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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