表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
第一章 新たな生と異なる世界~ヒュマノ編~ 一節 職業魔物ハンター
51/300

第51話 4階層 岩山ステージ

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 先に行ってしまったドーナさんとミカミさんの後を追って、階段を最後まで下りきると、今度はごつごつとした岩がそこら中に散らばっている空間に辿り着いた。


「ん~、今度はどっかの岩山っぽい場所に出たねぇ。」


「なんかさっきのところと違って面白くなさそうだね。」


「いんや、案外そうでもないかもしれないよ。……まぁ、ヒイラギやミカミの目に留まるような食材らしいものはないかもしれないけど、それでもこういう場所には宝石とかが転がってたりするんだよ。」


「宝石かぁ~……。ま、売ればお金になりそうだね。それなら集める価値はあるかも。」


 そう言いながらミカミさんは、ドーナさんの手の中から逃げ出して俺の肩に戻ってきた。


「ミカミさんは宝石とか興味はないんですか?」


「無いねっ!!」


 俺の質問にミカミさんはきっぱりとそう答える。


「宝石とかそういうものにお金をかけるぐらいなら、美味しいもの食べに行くもん。」


「あはは、なんかミカミさんらしいですね。」


「そうかな?いたって普通だと思うけどなぁ。……そういう柊君はどうなの?」


「俺もミカミさんと同じ考えですよ。」


「えっへへ~、やっぱそうだよね~。」


 ミカミさんと意気投合していると、早速ドーナさんが、俺にどっちに向かって進むのか問いかけてきた。


「さてと、ヒイラギはここからどっちに進めばいいと思うんだい?」


「一先ずこのまま真っすぐ歩いてみましょうか。」


「わかった。それじゃ、先頭頼むよ。」


「はいっ。」


 今度は俺が先頭に立って、ダンジョンの探索を始めた。大小様々な大きさの岩が転がっているせいで、足場の悪い地面に悩まされながらも、しばらく真っ直ぐに進んでいると……。


「ん?」


 ふと見下ろしていた足元に、緑色にきらめく綺麗な石が落ちていた事に気がついた。


「これは……宝石?」


「なんか翡翠みたいな石だね。」


 ミカミさんの体よりも小さなその石を拾い上げて眺めていると、この石をドーナさんが知っているらしく、説明してくれた。


「そいつは多分、魔石ってやつだね。武器を作る段階で魔法を付与したいときとかに使うやつだよ。」


「高いの~?」


「純度の高いやつは高いよ。気になるならヒイラギが調べてみればわかるんじゃないかい?」


 ドーナさんに促されるがままに鑑定を使ってみると、この石の正体が画面に文章で表示された。




~鑑定結果~


名称 風属性の魔石


純度70%


備考


・風属性の魔素が詰め込まれた石。

・食用不可。




 どうやらこの魔石は風属性の魔石というらしい。純度は70%……これは高いのか低いのか、いまいちわからないな。で、わかり切ってはいたことだけど食用は不可……と。


「これは風属性の魔石ってやつみたいで、純度は70%らしいです。」


「純度70%……か。ま、割といいほうだねぇ。ただ、これじゃあ金貨1枚ぐらいにしかならないと思うけど。」


「純度70%でもそれぐらいの値段にしかならないんだ~、なんか案外儲からなさそう。」


「基本的に値段が跳ね上がるのが純度100%なのさ。仮にもしそれの純度が100%だったら……軽く白金貨1枚ぐらいの値段にはなるだろうね。まぁ、滅多に見つかるもんじゃないけどさ。」


 ダンジョンから出たらこれは今度売りに出してみよう。俺には必要ないものだろうし……。風の魔石をバッグにしまって、再び歩みを進めた。


 歩みを進めている途中、俺の肩に座っていたミカミさんがパッとどこかに飛んで行っては、また戻ってくるという行為を繰り返していた。


「ミカミさん、さっきから何を?」


「その辺にキラキラ光ってる石がたくさん落ちてるからさ、お金になるなら拾っておこうと思ってね。もし純度100%の魔石が拾えてたらラッキーじゃん?」


「確かにそうですね。」


「マジックバッグの中に入れてあるからさ、後で見てみようよ。」


「わかりました。」


「……あっ、あんなところにもある!!」


 そしてまたミカミさんが飛んでいくと、今度は黄色い楕円形の石を拾ってきた。


「柊君、また綺麗なの拾えたよ~。」


 こちらに見えるようにそれを見せてきたミカミさん。しかし、その石は俺の視点から見ると普通の石ではなかった。


「み、ミカミさん……その石なんか虫の足みたいなの生えてますよ!?」


「え?」


 そう、ミカミさんが手にしていた石には虫の足が生えていたのだ。ミカミさんが石をひっくり返してみると、その足がわしゃわしゃと不規則に動き出した。その瞬間、ミカミさんは顔を青ざめさせて絶叫しながらそれを放り投げた。


「虫キモすぎーーーっ!!」


 放り投げられていたそれは、空中で体勢を変えながらブーンと羽根を羽ばたかせてホバリングする。すると、その羽音に呼応したように、この虫と同じく石に擬態していた虫が地面から大量に飛び上がった。


「げっ、こいつらはミミックバグだよ。刺されるとめちゃくちゃ痛いから気をつけな!!」


「ひ、柊君っ!!私、虫だけは駄目なんだよ。お、お願いだからあれどうにかしてくれない!?」


「頑張ってみます。」


 俺もあんまり虫は好きではないけど……それ以上にミカミさんは虫が嫌いみたいだ。ミミックバグという虫の大軍を前にして、ミカミさんは鳥肌を立たせながら拒絶反応を示している。


 それにしてもとんでもない数だな。数百匹はいるかもしれない。これを一匹一匹レヴァで切って倒すのは手間だ。なら魔法で一気に倒してしまうのが得策なのかな?


 

この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ