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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
第一章 新たな生と異なる世界~ヒュマノ編~ 一節 職業魔物ハンター
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第48話 巨大イカ クラーケン

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 ドーナさんが着替えて戻ってきた後で、俺はさっきの巨大イカが沈んでいった海に近づいた。すると、水中からぷかぁ~っとドーナさんに倒された巨大イカが浮き上がってくる。


「…………。」


 その巨大イカに少し不審な点を見つけた俺は、マジックバッグからレヴァを取り出して、浮かんでいる胴体の上に飛び乗った。そして眉間の近くまで歩いて行ってレヴァを構えると、俺の意思を読み取ったレヴァがぐんと刀身を伸ばした。


「よいしょ!!」


 刀身が伸びたレヴァを巨大イカの眉間に向かって突き刺すと、巨大イカの全身がピンと硬直し、全身が半透明になっていく。


「やっぱりな。」


 どうやらこの巨大イカは死んだふりをしていたらしい。今ので完全にトドメになったはずだ。


『武器のスキルが発動します。討伐したクラーケンが所持していたスキル……触手召喚を奪い取りました。』


 思った通り、今の一撃でトドメを刺せたようだ。しかし、何やら不思議なスキルを奪い取ったみたいだが……これは何に使うのだろう。


 そんな疑問を抱きながらも、クラーケンという名前の巨大イカをマジックバッグにしまって、浜辺で待つみんなのところに戻った。


「やっぱりあのイカ死んだふりしてました。」


「アタシとしたことが仕留めそこなってたってわけかい。」


「ほとんど死にかけの状態でしたけどね。俺が上に乗っても反撃してきませんでしたから。」


 そして、さっきマジックバッグにしまったクラーケンを砂浜の上に出した。改めて見るとめちゃくちゃに大きい……。大きさだけでいったらクジラにも負けてないな。


「んで、またなんでこいつを持って帰ってきたんだい?」


「あ、それはですね、これも食材としての価値がありそうだったので、持って来てみたんです。」


「まぁ、なんとなくそんな気がしてたよ。」


「見た目は完全にイカだし、美味しいんじゃないかな?お刺身とか食べたいよね。」


「一先ず鑑定してみますね。」


 砂浜に横たわっているクラーケンに向かって、俺は鑑定を使う。




~鑑定結果~


名称 クラーケン


備考


・クラーケンの身は食用にすることが可能です。

・可食部位は内臓と軟甲以外の全ての部位で、生食も可能です。

・内臓には麻痺毒があります。




 今回鑑定を使うと、俺が欲しい食べられるか否かという部分が的確に表示された。


「ふむ、内臓には毒があるけど、その他は全部食べられるみたいですね。」


「つっても、こんなのどうやって食うんだい?」


「少し時間かかっちゃうかもですけど、解体して……適当な大きさに切れば、色んな料理で食べられると思いますよ。」


「……なら、アタシはヒイラギが解体終わるまで周りの警戒してるよ。時間ならあるから、存分にやりな。」


「ありがとうございます。」


 ドーナさんとルカの2人が辺りを警戒してくれている間に、俺はクラーケンの解体を始めた。


「まずは普通のイカ同様に胴体を割ろう。」


 内臓には毒があるらしいから、傷付けないように慎重に扱おう。


 レヴァの刃をちょん……と胴体に当てると、クラーケンの胴体に真っ直ぐ1本の線が入り、自重でバカっと開いて内臓が露わになった。


「後は内臓と癒着してる膜を剥がして、内臓だけを綺麗に取り除く。」


 ひたすらに作業を進めていると、クラーケンの胴体の身をツンツンと突きながら、ミカミさんがうへへ……と表情を緩ませていた。


「ねぇねぇ柊君、このイカちゃんはどんな料理にする〜?」


「何かリクエストがあれば、それなりにできますよ。」


「えっ!?じゃあお刺身食べたいっ!!あとイカフライも良いなぁ〜。」


「分かりました。じゃあ今晩はそれも作りますね。」


 ひとまず胴体部分を適度な大きさのブロックに切り分けたあと、今度はゲソの解体に移った。


「ゲソは……この大きさなら、吸盤を取って一本一本バラしておこう。」


 このゲソは……どういう料理にしよう。かなり食感が良いようだから、ぶつ切りにしてアヒージョみたいにじっくり油で煮ても良いかも。

 ちょうどここは海のステージだ。その辺を探せば貝とかも見つかるだろうし、アヒージョの具材には困らない……はず。


 ゲソもバラして、しっかりと砂を水で落としたあと、マジックバッグにしまい込んだ。


 もっと解体には時間がかかると思っていたけど、レヴァがあるおかげで、めちゃくちゃスムーズに終わったな。


「すみません、おまたせしました。」


「ん?もう終わったのかい?あんだけデカいヤツだったのに、ずいぶん仕事が早いねぇ。」


「一応あぁいう生き物は何度も扱ったことがありますから……。」


「妖精の国じゃずいぶん珍しい物を料理してたんだねぇ。」


 そう言うとドーナさんは、椅子代わりにしていた岩から立ち上がった。


「さてさて、ほんじゃあまた階段を目指して歩こうか。」


 クラーケンの解体を終えて、また階段を見つけるために歩き出した俺達。


 しかし、この海のステージはそこかしこに魅力的な海産物があって、たくさん寄り道をしながら進むことになってしまったのだった。



この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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