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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
第一章 新たな生と異なる世界~ヒュマノ編~ 一節 職業魔物ハンター
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第47話 3階層 海ステージ

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 3階層へと続く階段を下りきると、また景色が一変し、今度俺たちを迎え入れてくれたのは、彼方まで続く真っ白な砂浜と、青く澄んだ海だった。


「おぉ〜!!海だ〜っ!!」


「まるでリゾート地みたいな景色ですね。」


 俺とミカミさんが海を眺めていると、ドーナさんが注意を促してきた。


「きれいな景色だけど、ここは一応ダンジョンの中だから、気を付けるんだよ?」


「わかってるって〜、ドーナちゃん。でもでもさ、せっかくこういう綺麗なところに来たんだし、波打ち際でキャッキャウフフしない?」


「だから、ここはダンジョンの中であって、デートスポットみたいな場所じゃないんだって。」


「じゃあ、そういうデートスポットだったらしてくれるの?」


「…………っ。」


 ミカミさんがそう問いかけると、ドーナさんは俺から視線を逸らし、恥ずかしそうに頬をポリポリと掻きながら小声で言った。


「……そ、そういう場所だったら……うん、まぁ。」


「う〜ん♪そっかそっかぁ〜、じゃあ今度柊君と一緒に行こうね。約束だよっ!!」


「き、気が向いたら……ね。」


 顔を真っ赤にしてドーナさんはこちらにくるりと背を向けると、真っ白な砂浜に足跡を残しながら歩き始めた。


「あ、待ってよドーナちゃ〜ん。」


 歩き出してしまったドーナさんの後に続いて、砂浜を歩いていくと、目先の砂浜に何かが埋まっているのを発見した。


「ん?アレは……宝箱だねぇ。ヒイラギ、アレがミミックか宝箱か判別できるかい?」


「特に嫌な予感はしないので、普通の宝箱だと思いますけど……。」


「ん、なら開けてみようか。」


 ドーナさんは砂浜から宝箱を掘り起こすと、それの蓋を開けた。すると、中には装飾の施された腕輪が入っていた。


「腕輪か。ダンジョンで発掘された装備品は、基本的に鑑定師に鑑定してもらわないと呪われてたりするんだけど。」


「あ、鑑定なら俺ができますよ。」


「そういえばさっきも、ワイバーンの肉を調べたって言ってたねぇ。」


「はい、あれも鑑定で調べたんです。それ、ちょっと貸してもらってもいいですか?」


「いいよ。」


 ドーナさんから腕輪を受け取り、それに向かって鑑定を使った。


「鑑定……。」




〜鑑定結果〜


名称 破魔の腕輪


備考


・装備している者の攻撃力のステータス値が、魔法を放ってきた相手の魔力値よりも高い場合、その魔法を打ち消すことができる。




「ふむ、この腕輪の名前は破魔の腕輪っていうらしいです。」


「呪われてたりしなかったかい?」


「それは大丈夫です。で、効果が装備した人の攻撃力が、魔法を撃ってきた相手の魔力値よりも高い場合、その魔法を打ち消すことができるそうです。」


「はぁ!?いくらダンジョン産の装備にしたって、性能がとんでもないねぇ……。」


 性能の鑑定が終わったところで、俺はそれをドーナさんに返した。すると彼女は不思議そうな表情を浮かべる。


「ん?何で返してくれるんだい?もらっとけばいいのに。」


「え?だって、ドーナさんが見つけたものですから。それに、この腕輪はドーナさんの方が上手く扱えると思います。」


「……ったく、とことん優しいねぇ。」


 ドーナさんは俺から腕輪を受け取ると、右手にそれを着けた。


「ま、今回のダンジョン同行の報酬に貰っとくよ。」


 そしてドーナさんがそれを着けた直後、待っていたとばかりに、波打ち際からとんでもなく大きなイカが顔を出した。


「わぉ、おっきいイカだね。ダイオウイカってやつ?」


「違うと思いますよミカミさん。」


「ハッ、丁度いいよ。この腕輪の性能を確かめさせてもらおうかねぇ。」


 やる気満々に、ドーナさんはその巨大イカへと向かって歩いていく。すると、そのイカはドーナさんを大きな目でギョロリと睨みつけた。


 それとも同時に大きな魔法陣が展開されて、ドーナさんへと巨大な氷塊が放たれる。


「はぁッ!!」


 その巨大な氷塊を、ドーナさんは腕輪を付けた右腕で殴りつけると、ガラスが砕けるように巨大な氷塊が弾けて消えてしまった。


「コイツは良いねぇ、最高だッ!!」


 ニヤリと凶暴に口角をつり上げると、ドーナさんはすさまじい勢いで地面を蹴って、巨大なイカに急接近した。


「もらってきなァッ!!」


 そしてその巨大イカの胴体に、全力で拳を叩き込む。その一撃が入ると、イカは真っ黒な墨を盛大に撒き散らしながら海の中へと消えていってしまった。


「これでもう魔法も大して怖くはないねぇ。」


 クルリと海に背を向けて、こちらに帰って来たドーナさんにミカミさんが飛んでいった。


「ドーナちゃんお疲れ様〜。いい感じみたいだねその腕輪。」


「あぁ、アタシの弱点を補ってくれる良いもんだったよ。」


「うんうん、それは良かった。……ところで、自分の体が今とんでもないことになってるって気付いてる?」


「え?」


 ドーナさんは咄嗟に自分の体に視線を落とすと、一気に表情が暗くなった。


「あ、アタシの服が……墨まみれ。」


「これはアレだね。やっぱりあのホットパンツを履けっていう神様からのお告げだよ。ほらほら、丁度いい茂みが向こうにあるから着替えてきなよ〜。」


 そしてトボトボと茂みの方に歩いていったドーナさんは、昨日のファッションに着替えて戻ってきた。


この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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