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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
第一章 新たな生と異なる世界~ヒュマノ編~ 一節 職業魔物ハンター
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第44話 森林ステージの守護者

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 しばらくの間森の中をさまよっていると、俺の肩の上に座っているミカミさんが退屈そうにぽつりと愚痴を漏らした。


「魔物に出くわさないのは良いことだけどさ、こう同じ景色がずっと続くのって退屈だよね。」


「まぁ、本来ダンジョンの攻略っていうのはこんな風に地道なもんだからねぇ。」


「柊く~ん、下に続く階段の気配とかしな~い?」


「今のところ何も感じなくて……ただこっちのほうが良いかな~って方に向かって進んでるだけなんです。」


「それで着くと思ったんだけどなぁ~。もしかしてめちゃくちゃ階段が遠いのかなぁ……だからこんなに歩かされてる?」


 愚痴が止まらないミカミさんに一先ずポンポンオランを一つ剥いて、それを食べて機嫌を直してもらいながら歩みを進めていると、突然目の前の視界が開けた。


「あれ?森を抜けた?」


「んっ、ヒイラギ、あそこに階段があるよ。」


「ってことはやっと着いた!?」


 みんなで階段の方に歩み寄っていた時、嫌な感じが上から降り注いでくる。


「上っ!?」


 咄嗟に上を見上げると、上空から巨大な何かがすさまじい勢いで急降下して来ていた。それを確認した後、俺の体は全力でその場からバックステップで飛びのいた。

 直後、爆発が起こったような轟音と衝撃を巻き起こしながら、さっきまで俺達が立っていた場所に何かが落ちてくる。


 舞い上がった土埃を凄まじい暴風でかき消して現れたのは、紛れもない()()()()だった。 


「ど、ドラゴン!?」


「違う、そいつは()()()()()だよヒイラギッ!!」


 一見するとドラゴンにしか見えないこの魔物の正体は、ドーナさん曰くワイバーンらしい。いったいどこで見分けているんだろう……そう疑問に思っていると、ワイバーンは鋭い牙が生え揃った口をカパッと開けて、こちらに炎を吐いてきた。


「ワイバーンも火を吐くのかっ。」


 それを横に跳んで躱しながら、俺はマジックバッグからイリスさんからもらった包丁を引き抜いた。すると、ある違和感に気が付く。


「え?刀身が長くなって……。」


 マジックバッグから引き抜いたその包丁は、まるで日本刀のように刀身が長くなっていたのだ。


「ほぉ~、イリスちゃんもなかなか面白いものを預けてくれたねホント。多分、使い手の状況に応じて形状が変化するんだろうね。今はワイバーンと戦わなきゃいけないから、殺傷力の高い形状になった……のかな?」


「でも俺、日本刀なんて使ったことないですよ?」


「大丈夫さ柊君。()()()()()()()。」


「……わかりました。」


 とりあえず両手で握って構えを取ると、ワイバーンはドーナさん達には眼もくれずこちらを向いて、もう一度火を吐いてきた。


「ふんっ!!」


 今度は避けるのではなく、俺の体はその炎に向かって刃を振り下ろしていた。すると、グレーウルフが飛ばしてきた衝撃波のように、三日月状の大きな斬撃が炎を打ち消しながらワイバーンに向かって飛んでいく。


「ギギッ!!」


 途中で炎を撃ち止めたワイバーンだったが、その時には少し遅かったらしく、ワイバーンの右の翼を飛んでいった斬撃が切り落としていた。


「ねっ?なるようになったでしょ?」


「まさか斬撃が飛んでいくなんて……ミカミさんはわかっていたんですか?」


「いいや、ただイリスちゃんのことだし、柊君が扱えないようなものは送らないだろうなって思っただけさ。さて、扱い方がわかったのなら、反撃スキルの力を借りなくてもあとはやれるね?」


「はい、大丈夫です。」


 俺は今一度握り直して、ワイバーンに向かって刃を振るった。すると、さっきのように斬撃が飛んでいく。右の翼が無くなったことで、機動力が一気に削がれたワイバーンはそれを避けきることができずに胴体が真っ二つになって地面に倒れ伏した。


「うん、お見事!!一刀両断だね。」


 ワイバーンを倒すと、まるで役目は終えたと言わんばかりに刀身が縮み、元の包丁サイズに戻っていく。


「あ、元のサイズに……。」


「仕事は終わったって感じだね。でも、ずいぶん良いものをイリスちゃんからもらったね柊君。それだけでもだいぶ凄いものなのに、これでまだ最下層にもプレゼントがある……。ますます最下層にあるプレゼントの中身が気になってくるね。」


「ですね。」


 イリスさんからもらった包丁を鞘に納めて、またマジックバッグの中にしまっていると、こちらにドーナさんとルカの2人が歩み寄ってきた。


「ワイバーンもあっさりかい。流石にこれはアタシも手を貸したほうが良いんじゃないかって思ってたけど、杞憂だったねぇ。」


「とてもレベル30の人間の戦いぶりではな……ありませんでした。」


 そう言えばさっきのゴーレムはレベル60ぐらいだったってドーナさんが言ってたけど、このワイバーンはどのぐらいのレベルだったんだろう?強そうな見た目なのはこっちだったけど……。


 そう疑問に思っていると、ポンッという音と主にレベルアップの通知が表示された。


『レベルアップに必要な経験値を満たしたためレベルが上昇し、レベル35になりました。レベルアップしたためステータス情報が更新されます。』


 そのレベルアップの通知が表示された後、また新しい通知画面が表示される。


『武器のスキルが発動します。討伐したワイバーンが所持していたスキル……鑑定Lv5を奪い取りました。』



この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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