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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
第一章 新たな生と異なる世界~ヒュマノ編~ 一節 職業魔物ハンター
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第35話 メイドの形から

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 大通りに出てみると、すぐにミカミさんとルカの姿を発見することができた。


「あ、柊君こっちこっち~。」


「ミカミさん、いつになく上機嫌ですね。」


「そりゃあ、こういうシチュエーションは私の大好物だからね。上機嫌にもなるさ。」


 ふんすと鼻息を荒くしながらミカミさんは言った。


「時に柊君、メイド服なんだけど……結構高いやつ買っちゃってもいい?」


「まぁ、この際ですから別にいいですよ。」


 まだお金を預けに行く前だから手持ちにお金はかなりある。メイド服を1着2着ぐらい買う余裕はある……筈だ。いくらミカミさんが高いやつを買ったって大丈夫だと思う。


「やった~!!さ、行くよルカちゃん!!」


「ま、そ、そんなに手を引っ張らないでくれ。」


 ルカの手を引いてミカミさんは、洋服屋さんの店内へと飛びこんでいく。


「ついでに俺も普段着を何着か買っておこうかな。」


 俺も店内に入って、男物の下着や服などを物色し始めた。特にファッションとかにこだわってはいないので、あんまり派手なものじゃなきゃ着るものなんてどれでも良いんだよな。


「とりあえず下着を5着ぐらい買って……あとはこのジーパンみたいなズボンと、黒いパーカーにシャツ……。」


 いろいろと物色していると、ふと俺の目に純白のコックコートのような衣服が目に入った。


「あ、これコックコートみたいでいいな。こっちに前掛けもあるし、セットで買おうか。」


 ミカミさん達の方はまだ時間がかかるだろうから、俺は一足先にお会計だけ済ませておこう。そしてカウンターでお会計を済ませていると、こちらにミカミさんが飛んで来た。


「柊君っ、それが終わったらこっちに来てくれるかな?」


「あ、ミカミさんもうそっちも決まったんですか?」


「ある程度は決まったんだけど、最終決定は柊君に任せようと思ってね。」


「わかりました。すぐ行きます。」


 購入した服を全てマジックバッグに詰め込んで、俺はミカミさんの後について行く。すると、試着室の目の前まで案内された。ミカミさんはその試着室の中に静かに入っていくと、中にいるらしいルカに声をかける。


「さ、ルカちゃん。キミのご主人様にメイド服を見てもらおうね~。」


「ちょ、ちょっと待って!!ほ、本当にメイドってこの格好で合ってるのか!?」


「今時の若いメイドちゃんはこんな感じの格好だよ?ルカちゃんはまだ若いんだから、これぐらい大丈夫大丈夫~。」


 そんな会話が聞こえてくると、ミカミさんは試着室のカーテンを内側から思いっ切り開け放った。すると、よくコスプレとかで見るような露出多めのメイド服に着替えたルカが姿を現した。


 彼女は内股で必死に短いスカートを押さえて、恥ずかしさからなのか顔を真っ赤にしている。


「どう?柊君?」


「これはちょっと流石にじゃないですか?」


「う~ん、現代の若い子のメイドのイメージってこんな感じかなって思ったんだけど、やっぱりクラシックな方がいいかな?ルカちゃんはどう思う?動きやすさとかそう言うのも加味して感想を教えてくれるかな?」


「う、動きやすいことは動きやすいが……少し動いただけでスカートの中が見えてしまうぞ。それに暗器を隠せる場所もないし……。」


「そっかぁ、これも可愛いけど、ボディーガードの仕事に支障が出るならダメだね。柊君、ちょっと待っててね。」


 ミカミさんは少し残念そうな表情を浮かべながら、シャッとまたカーテンが閉めると、中から布が擦れるような音やパチッと金属が外れるような音が聞こえ始める。


 そして突然またカーテンが開くと、さっきのコスプレチックなメイド服とは打って変わって、落ち着きながらも上品さが際立つメイド服に身を包んだルカが姿を現した。


「若さを前面に押し出すのもいいけど、こっちの典型的なクラシックのメイド服も良いね。ロングスカートの悠々たる感じが何とも言えないよね~。」


「こっちならまぁ、上品な感じがしていいと思います。」


「私もまぁこれなら……容認できる。ロングスカートの内側に暗器も隠せるし、足の動きで挙動を探られることもなさそうだ。」


「2人とも納得してくれてるみたいだし、これにしよっか。あ、ルカちゃんはそのメイド服そのまま着ることになるから脱がなくていいからね?」


「わかった……。」


()()()()()()……ね?」


「しょ、承知しました。」


「うんうん、その調子で言葉遣いもどんどんマスターしていこうね。」


 ぽんぽんと、ミカミさんはルカの頭を撫でた。


「さて、お会計しよっか柊君。とりあえずこれを3着買っておけば着回せるから、これは初期投資ってことで一つお願いするよ。」


「わかりました。」


 いざ購入すると決めたメイド服一式のセット3つをカウンターに持って行って、お会計してもらったところ、これだけで金貨15枚になった。まぁまぁ、俺が予想していたよりも安く済んで何よりだった。


 ……余談だが、後程洋服屋さんを出たところで、最初ルカが着ていたコスプレっぽいメイド服を同じ数買うことになると、それで白金貨1枚と金貨が少し必要になるってミカミさんから聞かされた。


この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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