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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
第一章 新たな生と異なる世界~ヒュマノ編~ 一節 職業魔物ハンター
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第34話 再び現れたルカ

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 朝食を済ませたところで、俺はミカミさんと一緒にギルドに赴くべく部屋の扉を開けた。すると、扉の前にしかめっ面でいかにも不機嫌そうなルカが立っていた。彼女の足元には一人の男がぐったりと倒れ込んでいる。


「やぁルカちゃん、ずいぶん不機嫌そうだけど大丈夫?」


「だ、誰のせいでこんな風になっていると思って……。」


「誰のせいでもないでしょ、レベルの低い柊君を狙って無様に負けたキミの自業自得だよ。」


「ぐっ、口の減らない妖精だ。」


 ギリリと歯を食いしばりながら、ルカは足元に這いつくばっている男をつま先でツンツンと小突く。


「今朝お前たちの暗殺依頼を受けた男だ。息の根は止めてはいないが、再起不能にはしておいたぞ。」


「うんうん、ご苦労様ルカちゃん。しっかり私たちの要求が機能しているみたいで安心したよ。」


「あの理不尽な要求のせいで、私はアサシンギルドを追われてしまったんだが?お前たちの暗殺依頼を受けた輩にも目を光らせなければいけないし……まともに他の仕事を探すこともできないんだぞ。」


 理不尽に対する怒りをぶつけるように、ルカは足元の男をゲシゲシと踏みつけている。まぁ、いくら自業自得とはいえ、あんな要求をしたこちらにも多少責任はある。


「仕方ないなぁ~、どうする柊君?」


「アサシンギルドから足を洗ったのなら、ボディーガードとして正規雇用してもいいですけどね。」


「う~ん、それはちょっと優しすぎるなぁ柊君。」


「じゃあミカミさん何かいい考えとかあります?」


 するとミカミさんはうむむ……と唸りながら頭を捻り始める。すると、また何か無茶苦茶なことを言われるんじゃないかと、ルカは気が気でない様子だ。


「私たちのボディーガードになるっていうのは、自分が招いた結果だから一先ずそれはそれとして……そうだなぁ。」


 数分ミカミさんは悩んだ結果、ミカミさんはニヤリと笑う。どうやら何かいいことを思いついたらしい。


「あ、そうだ。いいこと思いついた~♪」


 ニヤッとミカミさんは笑うと、俺の肩から飛び立ってルカの顔の前でピンと指を立てながら思いついたことを口にしていく。


「ルカちゃん、私たちの()()()にならない?」


「め、メイドだと!?」


「うん、私達のボディガードをするのなら、近くにいた方が殺意を持って近づいてくる人を倒すだけでいいから都合がいいでしょ?だとしたら、メイドとして私たちに雇われれば常に身近にいることになるし、いいんじゃないかなって思ったんだ。」


「うっ、確かに都合は良いが……め、メイドか。」


「メイドは嫌だった?じゃあ暗殺以外にルカちゃんが得意なことって何?」


 そう問い詰められると、ルカは顔中から冷や汗を流し、目をそらしながら小さな声で言った。


「な、ない……。」


「暗殺以外に得意なことがないんじゃあ、メイド以外の職業でも雇ってもらえないと思うよ?」


「うぅ、だがメイドの心得も私にはないぞ。」


「それは私がみっちり教えてあげるよぁ~。」


「だが、だがなぁ……。」


「お給料1か月で白金貨1枚でどう?食事も1日3食出すし、住む場所も提供するよ。」


「やるっ!!やらせてくれ!!」


 渋っていたルカも、1か月で給料白金貨1枚等々の好待遇には抗えなかったらしく、オウムのように何度も首を縦に振っていた。


「オッケ~、契約成立~♪あ、じゃあ柊く~ん魔法で契約書みたいなの作ってくれる?」


「わかりました。」


 頭の中で契約書がゼロから生成されるイメージを思い描くと、いつの間にか俺は1枚の紙を手にしていた。


「ミカミさん、どうぞ。」


「ありがと~。えっと、ここに柊君と私の名前を書いて~……はいっ、ルカちゃん。後はここにキミが名前を書くだけだよ。」


「わかった。」


 ミカミさんから紙とペンを受け取ると、ルカは意気揚々とその紙にサインした。


「はい、じゃあ契約完了~。これからよろしくねルカちゃん?」


「よ、よろしくお願いする。」


「あ、ダメだよルカちゃん。メイドさんなんだから、言葉遣いも気をつけなきゃ。」


「あぅ……ど、どうすれば?」


「その辺もみっちり教えてあげるよ。さて、じゃあ柊君、ルカちゃんを連れて洋服屋に行こうか。」


「洋服屋さんにですか?」


「うん。ルカちゃんのメイド服を買ってあげないと。メイドの言葉遣いとか作法に入る前に形だけでも整えてあげないとね~。」


 いつになくうっきうきなミカミさんは、ルカの手を引いて宿屋の外に飛び出していく。


「い、行ってしまった。」


 俺もすぐに後を追おうとしたが、足元で倒れている男をそのままにすることもできなかったので、彼を宿の受付の人に適当な説明を話して預かってもらってから、ミカミさん達の後を追った。


「それにしても、どうしてミカミさんはあんなに好条件で彼女を雇おうと思ったんだろう。俺に優しいって言ってた割にミカミさんも優しかったような……。」


 あんな好条件でルカを雇ったのには、なにか深い理由がありそうだ。後でミカミさんに直接聞いてみようかな。


この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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