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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
五節 獣人族再興へ
288/302

第288話 みんなに見送られ……

数日間更新できず、すみませんでした。ひとまず執筆できるぐらいの体力が回復しましたので、これからまた頑張って書いていきます。


 翌朝、1人早起きをして旅に向けての最終確認を行っていると、ふわふわとミカミさんがこちらに飛んできて肩に座った。


「あ、おはようございますミカミさん。」


「うん、おはよう柊君。朝早くから準備ご苦労様だね。」


「いえいえ、これはもともと俺がやりたかったことですから。……それにしてもこの世界に来て、こんなに早く夢が実現できるなんて思ってなかったですよ。実のところ、最初白金貨300枚を目標に~って、言ってた時は何年かかるか不安でしたから。」


「あっはっは、何せキミにはこのスーパーアドバイザーのミカミちゃんがついてるからねっ。不安になる必要なんてなかったのに~。」

 

 ふっふ~んと誇らしげにミカミさんは胸を張る。実際のところ、いろいろ夢を叶えるためにミカミさんがあれこれ助言してくれたからこそ、こうして今があるのは間違いない。


「今までの生活も、十分新鮮味があって楽しかったけど、これからはもっと楽しくなりそうだね。」


「そうですね。これからはきっと……もっと……。」


 俺はまだ寝ているみんなの方に視線を向けた。すると、昨日の夜のことを口にしながらミカミさんが微笑んだ。


「みんな昨日の夜は、大はしゃぎしてたね~。今日が楽しみ~ってさ。」


「はい、頑張って面白い旅にしないと……。」


「あっはっは、そんなに気張らなくても大丈夫さ。みんなキミと一緒にどこかに行けるってだけで楽しいんだから。変に気張ってると、逆にみんなに気を遣わせちゃうよ?」


「う、た、確かにそうかもですね。気をつけます。」


 そして旅の準備を万端にしてから関所に赴くと、今日はお店の営業が休みということもあり、リタ達ヴェイルファースト一家に、ニーアさんにバーバラさん、ミースさん。その他にもカリンさんやミクモさんに、マイネさんまでもたくさんの人達が見送りに来てくれた。


「ミース、アタシがいなくても本当に大丈夫かい?」


「大丈夫ですって〜、留守はこのミースに任せてくださいっ!!」


 少し心配そうなドーナに、ミースさんはポンッと胸に手を当てて自信たっぷりに言った。その様子を眺めていると、リタが俺に質問を投げかけてきた。


「ひ、1つ質問ですわ。帰って来るとしたらいつ頃ですの?」


「う〜ん、ハッキリと断言はできないけど、リタ達ヴェイルファースト一家も、バーバラさんもニーアさんも、大切な社員だから、必ずまた戻ってくるよ。」


「そ、その時にはもっともっと、わたくし達の作るお菓子を有名にして、この国の名物にさせてみせますわ。」


「うん、期待してる。…………あ、でもきちんと休みの日はしっかりと休養を取ること。これは約束な?」


「わ、わかってますわ。」


「ヒイラギさん、リタのことはこのミハエルと……。」


「このフレイアにお任せください。ですからごゆるりと、良い旅を……。」


「ミハエルさんもフレイアさんも体には気をつけてくださいね。」


 ヴェイルファースト一家の人達と話をしていると、バーバラさんがニヤリと笑いながら歩み寄ってくる。


「にっひひ~社長の方こそ、帰ってきた時には元気な顔見せてよ〜?疲れた表情はニーアもウチも見たくないからねっ?」


「か、帰ってきたら、いろんなお話をたくさん聞かせてくださいっ!!」


「もちろんです。聞くほうが疲れるぐらい、たくさん土産話を持って帰ってきますから。」


 そう約束を交わしていると、カリンさん達の会話が耳に入ってきた。


「ふむぅ、美味い甘味は変わらず食えるとはいえ……ヒイラギ殿達が居なくなるのは、少々寂しくなるのじゃ。」


「そなたならば、魔法でいつでも会いに行けるであろう?」


「それはそうじゃがの〜、魔法で無理矢理会うのは面白味に欠ける。やはり町中でバッタリと出会う方が新鮮じゃろ。……じゃが寂しさに耐えられなくなった時には、ひょっこりとワシの方から顔を出すやもしれん。」


「ウサギかそなたは……。」


 ブツブツと呟くカリンさんに、ミクモさんは少し呆れ顔だ。そんな会話に耳を傾けていると、マイネさんがゆっくりとこちらに歩いてきた。


「ヒイラギ君、旅は楽しいものだけど、もちろん危険もつきものだからねぇ〜。キミ達のことを心配する人はた〜っくさんいるんだから、自分とみんなの健康と安全を第一に楽しんできてよぉ〜。」


「はい、ありがとうございます、マイネさん。」


「うんうん、帰ってきたらおばさんにも、いろんなお話を聞かせてちょうだいねぇ〜。」


 そしてみんなとの一時的な別れの挨拶を終えて、俺はグレイスが引く馬車の運転席に座った。高かった馬車なだけあって、運転席の座り心地はすごく良い。


「よっし、それじゃあグレイス。行けるか?」


「もちろんっすよ!!やっと自分が役に立つときが来たっすね!!」


「あぁ、こっちの方も安全運転で頼むよ。」


 ぽんぽんとグレイスの体を撫でてから、見送りに来てくれた人たちに声をかけた。


「それじゃあ、行ってきます。」


「「「いってらっしゃ~い!!」」」


 大勢の人に温かく見送られながら、グレイスが馬車をゆっくりと引き始めて、いよいよ俺達の旅は始まった。まず向かう予定なのは、海に面している街……マーレだ。そこから海岸線を伝って北上し、ノースパラウドを目指そう。


 

この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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