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転生料理人の異世界探求記  作者: しゃむしぇる
五節 獣人族再興へ
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第285話 旅の第一目標

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 ドーナのことを連れて宿に戻ってみると、すでに買い物を終えて帰ってきていたみんなが、ワイワイとテーブルを囲んで話し合っていた。


「あ…ぱぱ…おかえりっ!」


「ヒイラギお兄ちゃんおかえりなさ~い!!」


「はいただいまっと。」


 飛びついて来たシアとメリッサの頭を撫でながら、俺達も椅子に座ると、グレイスがメモ用紙を手にこちらに飛んで来た。


「ヒイラギさん、言われた通りいろんな美味そうなものメモしてきたっす!!」


「アンタはとにかく肉屋の人間から美味しい肉の話を聞いて、それ全部メモしてただけでしょ。」


 ランさんにそうツッコミを入れられると、グレイスはギクリと体を震わせながら苦笑いを浮かべた。


「うっ……だ、だって聞くもの聞くもの全部美味そうだったんすもん。」


 少し目を通しただけでもわかる、グレイスが集めてきた食材の情報は肉に関するものばかり。まったく、本当に肉が好きなんだな。


「シアもいっぱい書いてきたよ!!」


「わたしもっ!」


「あぁ、ありがとう。じゃあみんなで一回話し合ってみようか。」


 みんなで一つのテーブルを囲んで、凶集めてきた情報を共有し合った。みんなが集めてきた情報は本当に様々だったが、グレイスのように、それぞれの個性や好みがメモには反映されているように感じた。

 例えばシアは魚や貝類などの海鮮系……。メリッサは果物とか甘いもの。ランさんはあれだけグレイスに言っていたものの、メモに書いてあるのはドラゴンらしく肉類ばかり。ルカは全体的にバランスよく集めてきてくれたみたいだ。


「でで、いろんな食材の情報が集まったけど、どうする柊君?」


「こうやって、みんなが集めてくれた情報に目を通して、地図でその食材のある場所を照らし合わせてみたんですけど……結構北に食材が集まってるみたいなんですね。だから、ノースパラウドに行く道すがらで、みんなが集めてくれた食材も狙っていくっていうのがよさそうなんです。」


「私はそれでいいと思うけど、他のみんなはどう?」


「シアはお兄ちゃんについてくっ!!」


「わたしもっ!」


「自分もヒイラギさんの考えに賛成っす~。」


「ワタシもそれでいいわ。」


「私もご主人様の考えに賛成です。」


「満場一致みたいだね。あ、ドーナちゃんはどう?」


「ん?アタシはどこでもついてくよ。」


「だってさ柊君っ!!」


「わかりました。じゃあヒュマノ最北端のノースパラウドを目指すついでに、みんなが気になった食材を少しずつ集めていこう。」


 旅の一先ずの目的地をみんなで話し合って決めたとき、ドーナがふと気になったのか、ある質問を投げかけてきた。


「そういえばなんだけどさ、何で旅をするつもりなんだい?まさか徒歩で行くわけじゃないだろ?」


「あ、それは馬車を使おうかなって思ってて……。貸し切りにすれば快適な旅になると思うんだけど。」


「それなら、いっそのこと自分の馬車を買っちまったらどうだい?馬車を貸し切るぐらいの出費はヒイラギなら何の問題もないと思うけど、せっかくの旅なら自分の馬車があった方が味が出ないかい?」


「確かに……ちょうど馬車を引けるグレイスもいるし、良いかも。」


「自分の出番っすか!?」


「あぁ、かなりの力仕事になるかもしれないけど、大丈夫か?」


「むっふ~、任せてほしいっすよ!!」


「それじゃあ、一回グレイスちゃんのことを連れて、馬車を売ってるお店に行ってこようか。体に合う馬車を探さないとね。」


 話し合いを終えた後、みんなで昼食をとってから、俺達はドーナの案内で馬車を売っているというお店へと向かった。


「邪魔するよ~。」


「これはこれはドーナさん、ようこそいらっしゃいました。」


 お店の中に入ると、店員の男性がすぐにこちらに駆け寄ってきた。


「実は馬車を探してるんだけど、良いのあるかい?」


「つい先日品揃えを一新したところですので、きっと要望に合う馬車があるかと……。馬の方は良い馬でございますか?」


「あぁ~……実は馬じゃなくて、このワイバーンに引いてもらうつもりなんだけどさ。」


 ドーナは俺の胸ポケットの中に納まっていたグレイスのことをつまみ上げて、店員に見せた。すると予想もしていなかったらしく彼は驚いた表情を浮かべていた。


「こ、この小さいワイバーンに引かせるんですか。」


「あぁ、大きさのことは心配しなくていいよ。今体を小さくしてるだけだからねぇ。ここには魔物が引けるように設計された馬車も置いてるだろ?」


「もちろんあります。」


「そいつを見せてくれよ。このワイバーンならきっと引けるはずさ。」


 そして、俺達は店の奥の方に案内されると、そこにはここに来るまでに見た馬車よりも、一回り大きな馬車が3台並んでいた。


「一応魔物用の馬車はこちらの3台だけですね。」


「ん、流石に魔物用は多く置いてないか。」


「はい、魔物用馬車は年に一度売れるか売れないか……あまり需要のあるものではないので。」


「でもまぁ売れれば金にはなるんだろ?」


「それは否定はできませんね。」


 チラリと馬車の前に置いてある大きな値札に目を向けてみるが、この3台とも白金貨1枚を超える値段が書かれていた。まぁでも見た感じ、かなり中は広そうだし……旅は快適になりそうかな。



この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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